わけししょうが中国通であることは自他ともに認めるところであります。
中国武術家という身分であることはもちろん、渡航回数や滞在時間、文化や芸術、人的交流についても、一個人としてはかなりの質量を誇ります。過去の遺産ね。
今の状況では、ならなる中国への関わりはなかなかできにくい。円安や航空料金の高止まり、ビザ取得、現地の物価高と経済停滞。わけししょう自身の経済状態なども拍車をかけて遠ざかってしまいます。ちと情けないけどね。遠くなったなあ、中国。ちなみに下の写真は中国山西省愉次市の景観です。
わけししょう、食に関しても通と思われる言動を繰り返しています。これまた自他ともに認めるところであります。ということで、わけししょう自身の中国食に関する原体験をご披露します。平たく言うと、子どもの頃に食べた中華料理を再確認に行きます。
そう、すけろくという愛媛の一部にあるローカルなファミリー中華レストランチェーンです。
店構えはこんな感じ。昔に比べるとえらく派手になりましたね。年に何度かはランチを食べにくることはあるんですが、改めて見るとね。
たしか、今はなき中央店が1号店で、こちら吉藤店が2号店じゃなかったっけ。わけししょうが小学生のころに開店したので、半世紀近く存在しているのです。老舗っていえるんじゃないかなあ。地元では絶大な支持を得ています。その証拠に、昼時には駐車場は車でいっぱいですよ。まさに人気店。その理由を探りに参りました。
14時近くに入店。ピークは過ぎてるので、まあまあ空いてます。店内はたぶん以前のままです。
かなりシックというか、渋い。今はぜったいしないような色使いですね。すでに歴史を感じますねえ。子どもの頃のスケール感とは違い、改めて見るとそんなに広くない。ここを兄弟で走り回ってたんだよね。
こちらがランチメニュー。ラミネートされたA2判の大きさです。でかい! 主菜と副菜、ライス食べ放題、サラダも食べ放題、ソフトドリンク飲み放題。税込み880円! 頭がおかしいレベルですかい。種類も豊富ですねえ。迷うわ。しかも、カスタマイズというか白ご飯を炒飯に変更、スープを各種ラーメンに変更できます。プラス300円でです。組み合わせは100万通りくらいというか無限ですね。大盛にもできたはず(未確認)。脇に追いやられてますが、半チャンラーメンが税込み730円も安い。なにしろ、サラダバーとフリードリンク込みですからね。
今回のチョイスは、A群から「鶏肉とピーマンとカシューナッツの炒め」、B群から「ココナッツミルクの杏仁豆腐」。普段ならデザートをオーダーすることはないのですが、昔の味を確認したいのです。そして、白ご飯を炒飯に変更。スープをド定番の「すけろくラーメン」に変更。
料理の到着を待つ間に、サラダバーを襲撃。
モヤシのナムル的なもの、大根の千切り、キャベツの千切り。3種類あるドレッシングからシソをチョイス。ゼリー状の謎めいた物体は亀ゼリーなわけがなくて、コーヒーゼリーでした。ドレッシングかけちゃったよ。食べたけどね。
かくして料理到着。
どうですか、このボリューム感。すでに完食を放棄してます。ラーメンだけ食って持ち帰ろうかなって思いもよぎりました。可愛く盛られた炒飯が微笑ましい。
ここでしか食べられない「すけろくラーメン」。シズル感が半端ない。醬油ラーメンのあんかけバージョンですね。挽肉・卵もからみます。初めて食べたときは小学生わけししょうもマアマア衝撃でした。懐かしいっちゃぁそうなんですが、こんな味だったっけ? その頃の感激まではいかないですね。美味しいのは美味しい。
そして、お楽しみの鶏肉とピーマンとカシューナッツの炒め
今回のメインはこちら。小学生わけが最も印象に残ってる中華です。こんな美味しいものがあるのか! と当時は思ったものです。今回の来店前からこれにしようと考えてました。
唐揚げにした鶏肉を刻んで炒めてるんですね。それは忘れてた。昔は普通に鶏肉の角切りを炒めてたような気もするんだけど。タマネギとピーマンにシイタケ、そしてカシューナッツがまあまあしっかり入っています。ケチってないですね。そして、特筆すべきはクワイ。中国語では「馬蹄」っていいます。独特の食感がすばらしいアクセントになります。レンコンとかに近いけど、ちょっと違う。水煮の缶詰でしょうけど、入ってるだけでワンランク上がります。こんな値段でいいんですかね。箸で食べるより、レンゲかスプーンで食べたほうがいろんな食感が楽しめます。まさにお口の中が宝石箱や~!
現在進行形で作る、わけししょうのカシューナッツ炒めの原型です。大袈裟に言えば、わけししょうのレシピ原点の一つです。松山でもAプライスっていう食材屋さんでクワイの水煮は入手できます。そんなに高くないですよ。
おかげさまで、まったく引けを取らないレベルのカシューナッツ炒めを作れるわけししょうです。みんなにも食べさせたい。
杏仁豆腐もクコの実とミントが添えられてる。作り置き感はアリアリ。杏仁豆腐ってけっこう難しくて、贅沢に作ろうとすると原価もかかります。まあ、ファミレスレベルってことで。カルディコーヒーに売ってるパンダ杏仁豆腐のほうが好みです。
これで総額1280円。飲みませんでしたが、コーヒー等もついてです。コストパフォーマンスは松山でもトップクラスだと思います。いつまで続くか、こんなビジネスモデル。来たれ大食い。
とはいえ、あくまでもファミリーレストランであることを忘れてはいけない。これで高級志向を望んではいけない。子どもが美味しくて楽しいと思ってくれればいいと。そして、昔からすけろくには「子どもがべちゃべちゃに汚してしてもかまいません。楽しく食事をしてくれたらいいです。お母さんお父さん」的な掲示が店内にあります。わけししょう的にはロック中華ですね。子どもを大切に、親を大切にする文化が続く文化があるすばらしい、そういう意味でも評価されていい。
すけろくにまつわるエピソードとしては、大分の柔術家がこよなく愛してたってのがあります。
今はありませんが、京阪神と松山と九州をつなぐフェリー航路が複数あったのです。それを利用して大分から柔術家を講習のため招へいしたのです。回数も覚えてないですが、2桁にわたると思います。
松山着が午後10時を過ぎます。まずは食事となるのですが、時間的に開いてるお店が限られます。ということで、すけろくをご案内。まあ、歓待するには申し訳ないレベルではありますが、仕方ない。
ランチタイムではないので、グランドメニューからの注文で、何を食ったか覚えてないのですが、師範はえらく気に入ったようでした。それから来松のたびに、すけろくをご所望されたのであります。
どうやら普段からバーミヤンを愛顧されてたようで、比較しての希望だったようです。ちなみに愛媛にバーミヤンはありません。松山ではすけろく、今治では福建コネクションの中華料理屋群に駆逐されたと、わけししょうは勝手に思っています。
直近に招へいした際にも、すけろくに行くことができました。なんか、よかったなあと思います。
わけししょうの舌は壮絶な自己投資の上に成り立っています。本場と言われる中国や香港、東南アジア各国で食べまくってます。すでに美味しいレベルがここにはありません。残念ながら。
でもね、原点回帰的に納得はできるのです。この味からわけししょうの食にまつわる旅が始まったといえるのであります。
今となっては自分で作ることに重きを置いています。わけししょうの料理で食べてくれた人が喜んでくれたら、わけししょうの大きな喜びとなるのであります。
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