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トワ・エ・モワ・ファミリー~芥川澄夫と見知らぬバスに乗った仲間達

2014-12-08 | トワエモワ(音ねた)
 ココで取り上げる「トワ・エ・モワ・ファミリー」とは'73年のトワ・エ・モワ解散後に芥川さんが、それまでトワ・エ・モワのコンサートでバックバンドを勤めていた“トワ・エ・モワ・ファミリー”の男性3名に、あらたに2人の女性ボーカルを加え結成・活動したユニット。
 なのでトワ・エ・モワ活動期の「トワ・エ・モワ・ファミリー」とトワ・エ・モワ解散後の「トワ・エ・モワ・ファミリー」は別物。
 言葉にするとなんかややこしい。
 しかし、現在芥川さんがこのグループを話題にするのをワタクシは耳にしません。
 風の噂によると、流石に黒歴史にまではしていないようですが。

 蛙和歌「君と僕とトワ・エ・モワと春の子供たち」では
     芥川澄夫と山室英美子(白鳥英美子)のデュエットであるトワ・エ・モワについて 
という認識でやっておりまして、'73年のトワ・エ・モワ後に発表された「山室英美子」「鴉鷺」「白鳥英美子」の英美子さん派生ネタと、芥川さん派生ネタの「トワ・エ・モワ・ファミリー」については基本的にスルーと考えておりました。
 しかし、トワ・エ・モワ・ファミリーに関しては彼等のLP「夕焼けが見たくて」を手にして考えが変わる(w。
 英美子さん不在のグループだとはいえ、収録曲に英美子さんの作詞・作曲の作品があるということ、そしてなんだかんだ言ったところでこのグループは「トワ・エ・モワ」って名前をくっつけている……ということで、半ば強引ながら今回取り上げてみました。
 芥川さんプロデュース+バックコーラス参加(toi et moi名義)の白鳥英美子さんのアルバム「Grace」はどうなのよ? という指摘は置いときます。

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夕焼けが見たくて/トワ・エ・モワ・ファミリー  LTP-9106(1974.2.5)

-SIDE 1-  
1.夕焼けが見たくて 芥川澄夫 作詞・作曲
2.あなたのために 芥川澄夫 作詞・作曲
3.A君への手紙 芥川澄夫 作詞・作曲
4.銀杏の樹の下で 山室英美子 作詞・作曲
5.みんな忘れてしまったの? 森山美千代 作詞・作曲
6.年老いた鳥は何処で死ぬのだろう   芥川澄夫 作詞・作曲
-SIDE 2-  
1.丘の上の少年 三上保美 作詞・森山美千代 作曲
2.飛び立つ君に 三上保美 作詞・芥川澄夫 作曲
3.哀しみの終わる時 芥川澄夫 作詞・山室英美子 作曲
4.僕は大人になりたくない 兼松豊 作詞・作曲
5.子守唄を歌いたくなった時 兼松豊 作詞・作曲
6.1973年12月1日によせて 松山猛 作詞・加藤和彦 作曲
 編曲:芥川澄夫 トワ・エモワ・ファミリー
 弦楽編曲:松山祐士
   蜂谷吉泰@ダウン・タウン・ブギウギ・バンド:E.Guitar(SIDE 2-1)



で誰が誰? 教えてエライ人  メンバーは以下の6名。
  芥川澄夫:Vocal,A.Guitar  三上保美:Vocal,A.Guitar  森山美千代:Vocal,A.Guitar
  南条雄一:Vocal,Keyboad  秦俊次:Vocal,E.Bass  兼松豊:Vocal,Drums

 後追い者としては芥川さん(前列中央)、そして後にナターシャーセブンやヒューマンズーのメンバーとしても活動して顔が知られている兼松さん(後列左)は別格として、 女性陣は歌詞カード写真(上のモノクロ画像のことです)で森山さん(前列左?)と三上さん(前列右?)の顔と名前の区別をつけることが出来るのですが、残りの男性陣の南条さんと秦さんの見分けというか顔と名前が一致できません。
 しかも2人とも長髪とサングラス姿で見た目のキャラ被っているし。


 アルバムの季節感は 秋から冬にかけての夕方 かと。
 ボーカル面では今まで英美子さんとは対等にガチンコ勝負で歌ってきた芥川さんは、今度はプロとして経験値がゼロに等しい(……のでしょうか?)新人の三上さん&森山さん達を引っ張って行くことになるわけでして。
 表題作でもある『夕焼けが見たくて』は歌詞に“夕焼け”“見知らぬバス”と、トワ・エ・モワのファンには意味深なキーワードを施している軽快でハジけた曲調の作品。
 対して『年老いた鳥は何処で死ぬのだろう』『丘の上の少年』あたりはトワ・エ・モワ時代の「今は」のようなダウナーさもあり、 高度成長期から一転してオイルショック不況な昭和40年代後期の時代を反映しているのか、どことなく荒廃した都会の空気を感じました。

 看板である芥川さんと女性2人のボーカルメインの歌だけでなく、女性2人のみの『銀杏の樹の下で』『みんな忘れてしまったの?』や、バックバンド時代から飛び道具な活躍っぷりもしていた兼松さんと女性陣の『僕は大人になりたくない』、兼松さんソロの『子守唄を歌いたくなった時』、 そして芥川さんのソロの歌『1973年12月1日によせて』アリと、赤い鳥のようにメンバー皆それぞれ歌えるバンドを目指していたのでしょうか?
 『銀杏の樹の下で』『みんな忘れてしまったの?』の2曲はせっかくの女性デュエット曲のに、ハモリの部分が本当に申し訳程度というか付け合せ程度にしかないこととか、それぞれのソロパートもなく、ほとんどユニゾンで歌っているといった部分が個人的に残念。
 森山さんと三上さんはふたり似たような歌声。
 南条さんと秦さんは歌よりも主に演奏・編曲のほうに力を入れていたのかな?

  『哀しみの終わる時』は芥川さんと女性陣が歌っているのですが、作者が芥川&英美子ということもあって収録曲の中では一番「トワ・エ・モワ」っぽい。
 今回ここでトワ・エ・モワ・ファミリーを取り上げた一番の理由が、この歌。
 この歌をトワ・エ・モワ・ファミリーに、と書き下ろした歌なのかどうなのかはわかりませんが。
 もし芥川さんと英美子さんがこの歌を歌ったら……と大きなお世話なシミレーションしやすい歌でもあります。舞台も「海」だしw。
 現在トワ・エ・モワ再結成活動中でもあるし、ライブでこの歌歌ってくれませんか? とお願いしたい反面、やはりトワ・エ・モワ・ファミリーの歌ですからそのままそっとして欲しいです……とも思うジレンマを抱かせた作品でした。

 後追い者が今現在聴いて生意気な感想ですが、全体的に試行錯誤感は否めないっす。
 『年老いた鳥は何処で死ぬのだろう』の男性陣パートはなんだか不安定で力量不足っぽいし(泣。
 とはいえ、聴く度にジワジワと味が出てるLPです。

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 トワ・エ・モワ・ファミリーは先行シングル「夕焼けが見たくて/1973年12月1日によせて」とこのアルバム、2ndシングルの「ここに愛がある~ラブ・サインのテーマ/昨日」を昭和48年から49年にかけて発表した後活動を終えたようで、その後芥川さんは東芝EMIのディレクターへ転進となるわけです。
 現在もプロとして表舞台に立っている芥川さんと兼松さん以外のメンバーの、その後の足取りについてはわかりません。
 おっと、或るサイトさんで森山さんか三上さんのどちらかの近況と近影が掲載されてたっけ。
 皆さん幸せであることを祈ります。

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