「アデライン、100年目の恋」

2015-10-27 | 映画ねた 「あ」行
 摩訶不思議なタイトルとあらすじに惹かれて観た「アデライン、100年目の恋」(THE AGE OF ADALINE)
 1937年に降りかかった出来事が原因で29歳の肉体のまま老化が止まった美女・アデラインさんが、2014年にエリス青年に出会ったことで人生が変わってゆく物語。
 似たような毛色の「ベンジャミン・バトン」を連想させます。そういえば雷がw

 自分だけ変わらぬ美しい若さと引き換えに孤独に生きることを余儀なくされ、愛する者達と寄り添って年を重ねることが出来ない苦悩を静かに表現してます。
 アデラインに好意を抱く男性に対して彼女の反応がクール過ぎて、恋愛の過程が解りにくいのが個人的に惜しいところ。
 でも彼女にとっての、【それまでの男性】と【運命の男性】の違いははっきり描かれてました。
 離れて暮らす一人娘とのシーンはせつなく、エリスの両親は物語の良いアクセントになってます。

 アデラインはその容姿は勿論、物腰も柔らかくて眼福。
 終盤の展開などまんま、いくつかの有名なおとぎ話のお姫様エピソードをぶっこんだようでもありました。
 だがそれがいい。ファンタジーだもの。

「アリスのままで」

2015-07-26 | 映画ねた 「あ」行
 NHK「あさイチ」で紹介されて気になり観た「アリスのままで」(STILL ALICE )、館内は夏休み前のレディースデイということで中高年女性ホイホイ、本当にあり(ry

 才色兼備で公私ともに絶好調のアリスさん50歳の身に襲い掛かった若年性アルツハイマー病。
 人が羨むほぼすべてのものを持っていたアリスが、病状がだんだんと進むにつれて増してゆく不安と恐怖…まるでそれまでの人生で彼女が得たものが手からこぼれ落ちるように失ってゆくようであり、はつらつとした表情や佇まいもわずかの年月で豹変してしまう様は観ていていろいろと辛いもの。

 アリス一家のドラマが淡々と描かれているのでお涙頂戴にならず  俺たちの戦いはこれからだ! というところで物語は終わるけど、裕福な家庭で老親もいない設定なのでなんだかんだで恵まれている方では?…と感じた次第。
 アリスの旦那の選択をどうとらえるのか。 ちょいバレ→(アリスからの逃避? 治療費や生活費等の資金稼ぎ?)両方当たりかな。
 認知症患者と密に接した経験がある人が観たら、印象はまた違うものなのでしょうか。

 チェックシャツ姿のアリスがおしゃれで素敵でした。

「おみおくりの作法」

2015-03-13 | 映画ねた 「あ」行
 去年秋にNHKBS1「国際報道」で紹介されて以来気になっていた「おみおくりの作法」(STILL LIFE)が期間限定でさいたまにキタ―――(゜∀゜)―――― !!

 孤独死した市民の葬儀を執り行う、家族無しの冴えない中年男性公務員が主人公。
 効率化を理由に突然リストラされ、最後の仕事に対して最大限の力を出して務める主人公の姿と出会った人々を描く物語。

 ここねたばれ↓
 遺品整理業の「アントキノイノチ」と同様の結末に茫然。
 上記はお涙頂戴色がくどくて「茶番!」と憤慨したが、当作品はとにかく黙々と丁寧に仕事をする主人公の如く淡々とした展開とのギャップに加え、鑑賞時の自分のコンディションがあまり良くなかったせいもあってかとにかく正直気が滅入った。
 最後の最後で救いが若干あるんだかないんだか。

 良し悪し無関係に受けたダメージ大でこちらのHPごっそり減りました。

 リストラを言い渡した上司は冷たく映るけど、彼の「葬儀は残された者のため」等の言い分もわかる現実。
 全編にわたって主人公の仕事(+対象者)と彼自身の対比の演出がせつなくもあり、見事でもあります。


「アゲイン 28年目の甲子園」

2015-03-01 | 映画ねた 「あ」行
 マスターズ甲子園という大会をモチーフに、苦渋と挫折を味わった元高校球児の男達とその家族の再生をテーマにした「アゲイン 28年目の甲子園」

 家族の話が主軸なので、野球シーンは補助的な印象を受けました。
 大会参加をめぐっての、主人公(中井貴一)とチームメイト(柳葉敏郎)の口論シーンが暑っ苦しくて良かったです。
 そんな男性キャラ陣に対してヒロイン以外の女性キャラ、特に主人公娘については重要な人物の一人のはずなのに描かれ方が薄く、観客置いてきぼり感があったのが非常に残念。
 波瑠さん演じるピュアなヒロインがとにかく可愛らしかったです。
 ヤスケン氏が野球要員ではなかったのがなんかもったいない気がw

 埼玉を舞台にしているので、ロケ地に見覚えのある川越や越谷の建物が出てきたのがなんだか嬉しかったです。
 「ちゃんと負けて前に進め」というメッセージが真っ直ぐに伝わる作品でした。

 

「アバウト・タイム ~愛おしい時間について~」

2014-11-21 | 映画ねた 「あ」行
 映画館のポイントが満杯になって一回無料鑑賞できるということで、「アバウト・タイム ~愛おしい時間について~」(ABOUT TIME)を選択。

 代々生まれてきた息子達は成人するとタイムトラベルの能力を持つという家系の青年が、主に自分の恋愛の為にその能力を駆使するのですが、序盤はその使いっぷりがまるで

ゲームで理想どおり進めなかったら即リセットボタン押して以前のセーブ場面に戻って再プレイ

のよう。
 リセット管理センターのモグラのおっさん達にこっぴどく叱られる物件です、こりゃwww
 うーん、その都合のよさで共感しにくいうえにどえらいしっぺ返しがあるのではないかと、観ているこちらは内心ハラハラもの。

 そんな主人公と運命の女性であるヒロインも物語当初はいまひとつパッとしない風貌だったけど、物語が進むにつれて徐々に自分に自信を持てたのか、洗練されて良い表情に見えてくるものです。
 美人じゃないけどヒロインの笑顔が愛おしい。

 恋愛ものだと思いきや物語の核は別にあったのですが、その肝心な後半と終盤のエピソードについてはタイムトラベルのお約束があっさり破られちゃってるじゃないの? という矛盾も感じました。
 こちらの理解不足のせいでしょうが、わかりづらく混乱。

 でも素敵な家族と面白友人達でした。
 主人公もやがてそうやって次代に伝えてゆくのかな…と想像したり。

「アナと雪の女王」

2014-05-19 | 映画ねた 「あ」行
 学校の春休みシーズンを終えた4月平日の日中に観てきた「アナと雪の女王」(FROZEN)
 「魔法にかけられて」のサブヒロインのナンシー役を演じたイディナ・メンゼルさん目当てで2D字幕版を選択したので、観客は多くなく成人女性ばかりでゆったり鑑賞。

 前日テレビの洋楽ランキング番組で「Let It Go」のビデオクリップ(というか劇中歌うシーン)を観て、その時は単純に【きれい】【かわいい】という印象だったのですが……
 映像の美しさやイディナの圧倒的な歌唱力はもちろんだけど、物語冒頭からここに至るまでの姉妹の半生や関係、特に姉エルサの苦しい心情を思うと、笑顔を装い希望に見せかけた絶望、すべてを断ち切る彼女の姿はもう泣かずにいられない。
 なので楽曲やビデオクリップのひとつとしてならともかく、物語中にこのシーンを観ながら皆で意気揚々と歌うという風潮は個人的には理解出来ません。


 ↓ここねたばれ
 今回のヴィランズ、エルサ暴走時に諭した「自分から怪物になってはいけない」という言葉が心に響き説得力があったので、登場時からの胡散臭さがあったとはいえその後の展開は意外。
 冷酷さ故の優しさだったのか?
 原案エピソードと照らし合わせた検証サイトも覗いたけど、いまひとつ理解できない。
 リピート鑑賞したら見落としたフラグ見つけて納得できるのかも?

 近年のディズニープリンセス映画でヒロイン以上に【王子】の持ち味が変わってきているのを実感。
  「魔法にかけられて」「プリンセスと魔法のキス」のおバカ王子
  「メリダとおそろしの森」の空気王子達
 そして今回の……



 ストーリーや非主要キャラの奥行きが多少物足りなく思うものの、姉妹にとっての「真実の愛」については納得。
 水にぬれて凍った衣類の質感がこれまた素晴らしく、後部席の女性ともどもつい噴出してしまいましたw



 前座の短編「ミッキーのミニー救出大作戦」はクララベルとピートの登場が嬉しかったけど、できれば3Dで観たかったな。

「ウォルト・ディズニーの約束」

2014-04-09 | 映画ねた 「あ」行
 公開中のアニメは学校・幼稚園が始まるまでおあずけだー、ということで子供達がごった返す映画館ロビーをかいくぐりながら観てきた「ウォルト・ディズニーの約束」(SAVING MR. BANKS)
 ひとつの小説が映画化されるにあたり、次から次へと問題が出てくる作者と映画製作者側とのやりとり(バトルともいう)。
 この作品も過去パート(回想)と現在パートが行ったり来たりのくりかえしモノ。
 洋画も邦画も多いな、こういうの。

 自分の作品を大切に守り通したい小説家の少女期の回想で、頑固で偏屈な彼女の真相がせつなく明かされてゆきます。
 回想シーンでの父親の髭のエピソード(←ああ、これすっごくよくわかるよ!)と人嫌いの彼女が運転手さんだけには次第に打ち解けてゆく過程がとにかく良かったです。
 少女期の主人公が可愛らしいし、常に娘を楽しませようとする父親と対照的に笑顔がなく終始悲しそうな母の表情も強く印象に残りました。 

 対して映画製作会社社長の該当小説に抱く数々の思いも述べらていますが、作家が自作品を守るために頑なに拒否した事柄も納得させないまま制作側が突き通し、現在も時折報道で目にする他作品の「原作者と映像化製作側とのトラブル」をぼやぼや~と連想させてしまいました。

 あと某ねずみ君が要所で美味しいところかっさらい。

「あなたへ」

2012-09-05 | 映画ねた 「あ」行
 夫婦50割引き使って公開初日の初回上映で観た「あなたへ」
 観客もどう見ても同様の夫婦50やシルバーパス利用者ばかり、本当にあ(ry。

 他界した妻の故郷へ車で旅する夫と旅先で出会う人達の言動に包まれた真意を観客が察する、なかなか難解でつかみどころがない物語。
 自身のことを殆ど語らない主人公夫婦が謎めいて神秘的にもみえるせいか、逆にまわりの人達が生々しさが際立ちました。
 脇役もインパクトの強い主演級の役者さん達ばかりを揃えたせいなのか、自分の頭の中ではキャラクター名が全く残らなかったのが残念。
(佐藤浩市さん演じる【南原さん】を除く)

 目を見張る風景と妻の歌声の美しさ、御神輿のシーン、クライマックスの船上で主人公がある意味男の意地を感じさせる所作が強く印象に残りました。
 草剛さんの始めのターンと画像のシーンは笑うところでしょ、やはり。




 そして何より後半の、ある人物について「まさかねぇ…」とよぎった予感がオチで的中したのが驚きました。

「永遠の僕たち」

2012-02-12 | 映画ねた 「あ」行
 現代の十代のアメリカ人カップル+旧日本軍特攻隊員の幽霊、というなんだか不思議な組み合わせに惹かれて観た「永遠の僕たち」(Restless)
 オープニングで予期せぬ「TWO OF US」が流れ、ビートルズ好きとしては強制的に期待値up。

 昔死んだ者・死にゆく者・死に囚われる者、と各人が死に関わる設定の割にお涙ちょうだいな悲壮感がなくむしろ瑞々しさを感じたのは、余命間近の死にゆく者である少女が穏やかな明るさで苦しみや弱さを見せる箇所がないのと、若いカップルを見守る加瀬亮さん演じる特攻隊員ヒロシの存在も含めたメルヘン・ファンタジーな世界観なのでしょう。
 まるで「TWO OF US」の歌詞を彷彿させるかのような逢瀬を重ねるシーンも、薹が立った身としては、若いっていいわねぇ…な視線になってしまいます。

 終盤でヒロシが長い間抱いていた想いを少年に託すくだり、そして少女の旅立ちには胸が熱くなりました。
 というか、ヒロシって実は天使!?、と。
 劇中の音楽も心地よく、なんだか不思議でもあり未熟な少年の成長の物語でもありました。

 ちょっと気になった箇所
 ●ハロウィンでの友人の変装が少年と同じく特攻隊員コスプレ。なぜお前(=友人)も?
 ●少女の言葉の中で【長崎】が出て【広島】がなかったのが若干モヤモヤしたのですが、他所で【ヒロシ】の名が【広島】に重ねているのでは? という書き込みを見て勝手に合点。



Beatles- two of us

「アントキノイノチ」

2011-12-23 | 映画ねた 「あ」行
 【生前整理】という言葉に敏感になってしまうお年頃のせいか、若い男女二人の主人公が遺品整理業に就く「アントキノイノチ」が気になったので半月前に観てきました。

 主人公二人がまるで不幸のフルコースのような重く苦しい過去を持ち、安っぽい携帯小説ばりでわたしゃなんだか観ていてしんどい。
 登場人物のひとりが身を投げるシーンがあり、しんどいなりにも心をしめつけられそうになったのですが
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 落下した向きと倒れた体位がまるっきり逆とはどーゆーことよ。

 一 気 に 冷 め た わ 。

 そしてまさかの終盤でのひどくやっすい展開。
 あたしこういうの、だいっきらい! 後味悪すぎ。
 てかラストシーンの台詞「家族の人」ってなんだよ。
 期待していたテーマの遺品整理業も物語の中ではあまり深く掘り下げてなかったし、役者さん達は若手・ベテランともに熱演揃いだったので尚更非常にがっかり。
 気持ちとしては、アントニオさんとアントキのさんに謝れw