東京23区のごみ問題を考える

脱焼却の循環型ごみ処理システムは可能か!!
~ごみ問題のスクラップブックとして~

平成28年度 東京都 1人1日当たりのごみ排出量は897g、リサイクル率R 22.1%  & 政令指定都市のごみ排出量

2018年04月14日 11時19分44秒 | 東京23区のごみ

グラフは環境省日本の廃棄物処理 平成28年度版から作成


長野県の3年連続全国一位の822g/人日にはかなわないが、東京都も、全国平均よりも28g少ない897g/人日で、都道府県別の上位12位なのである。数年前まで全国最下位もあった大阪府も、ここのところがんばって28年度は950g/人日となっている。東京都も大阪府も事業系のごみ量が多い~

環境省は、一般廃棄物行政の推進に関する基礎資料を得ることを目的として、全国の市町村及び特別地方公共団体に対し「一般廃棄物処理事業実態調査」を行っている。その調査結果は「一般廃棄物処理実態調査結果」のサイトで公表されていて、焼却施設などの施設整備状況や廃棄物処理など、ありとあらゆるデータがエクセルで公開されている、、ご一読を!!

環境省が、年度ごとに発表する「一般廃棄物の排出及び処理状況等」は、 例えば、「一般廃棄物の排出及び処理状況等(平成28年度)について」、「日本の廃棄物処理(平成30年3月末現在)」の元になるデータも「一般廃棄物処理実態調査結果」のサイトにある。


平成28年度 全国の一般廃棄物の排出及び処理状況等の調査結果を取りまとめ

1.ごみの排出・処理状況
・ごみ総排出量       4,317 万トン(前年度 4,398 万トン )[ 1.8 % 減 ] ←東京都443万トン、23区327万トントン
・1人1日当たりのごみ排出量  925 グラム(前年度 939 グラム )[ 1.5 % 減 ] ←東京都897g、23区964g 
(参考:外国人人口を含まない場合 942 グラム、前年度 954 グラム [ 1.3 % 減 ])
・最終処分量         398 万トン(前年度  417 万トン )[ 4.6% 減 ]
・減量処理率         99.0 %  (前年度 98.9 %) 
・直接埋立率         1.0 %  (前年度 1.1 %)
・総資源化量        879 万トン(前年度 900 万トン )[ 2.3 % 減 ]
・リサイクル率        20.3 %  (前年度 20.4 %) ← 東京都22.1%、23区16.8%


東京都の平成28年度の集計結果(括弧内は平成27年度)
 総人口 : 13,519,511人、(13,398,544人)
 ごみ総排出量 :  4,428,042トン、(4,501,160トン) 
 1人1日当たりの総排出量 : 897g/人日、(918g/人日)
 ごみ処理量: 4,193,196トン(4,253,514トン) 
   直接焼却量 : 3,368,330トン、(3,404,962トン)直接焼却率は80.3%(80.1%)
   直接最終処分量 : 4,596トン、(5,059トン) 
   焼却以外の中間処理 : 390,952トン、(402,615トン)
   直接資源化 : 429,318トン、(440,878トン) 
 中間処理後再生利用 : 290,507トン、(293,529トン) 
 リサイクル率 R:22.1%、R’:20.1%、(R:22.4%,R':20.5%)
 最終処分量 : 352,832トン、(370,213トン)
   直接最終処分 : 4,596トン、(5,059トン)
   焼却残渣 :284,857 トン、(297,157トン)
   処理残さ : 63,379トン、(67,997トン)
 集団回収量:265,055トン(278,543トン) 

'ごみ総排出量 (計画収集量+直接搬入量+集団回収量)
'1人1日当たりの排出量:'合計(ごみ総排出量)*10^6/総人口/365
'ごみ処理量 (直接焼却量+直接最終処分量+焼却以外の中間処理量+直接資源化量)
'リサイクル率 R:(直接資源化量+中間処理後再生利用量+集団回収量)/(ごみ処理量+集団回収量)*100
'リサイクル率 R’:(直接資源化量+中間処理後再生利用量〔固形燃料、焼却灰・飛灰のセメント原料化、セメント等への直接投入、飛灰の山元還元 を除く〕+集団回収量)/(ごみ処理量+集団回収量)*100


東京都の廃棄物処理計画の目標数値

東京都は「東京都資源循環・廃棄物処理計画」のなかで、一般廃棄物の排出量、再生利用率、最終処分量の目標値を定めている。2012年度(平成24年度)をベースにして、2020年度(平成32年度)の目標値は排出量で5%削減、リサイクル率は23%から27%という数値目標。

平成28年度の確定値でみると、排出量は平成24年度比で3.4%の削減となったものの、、、リサイクル率は、なんと、、平成28年度は22.1%と落ちてしまった。もっとも、排出量や最終埋立量が削減できればそれでいいのだが、、、リサイクル率の低迷の要因は23区であろうが、、、


東京都のひとりあたりのごみ排出量が全国平均よりも少なく、リサイクル率が高くなっているのは、ひとえに多摩地域の市のおかげである。多摩地域の市のほとんどが1人1日あたりのごみ量は600g台、700g台、リサイクル率も30%台、40%台は軒並み、なかには50%を超えている市もあり、例年、3Rの取組全国上位市町村に名を連ねているので、、、

まちがいなく、東京都平均となると、23区がそうとう足を引っ張っている~ なにしろ、多摩地域がどんなにごみ減量に取り組んでも、東京都全体のごみ量の約74%が23区から排出なので平均するとがくんと落ちてしまう、、、、


23区と島しょが東京都全体平均の足かせと、、、、
とはいえ、23区は、「利島村」にも負けているではないか、、、


多摩地域のリサイクル率のRとR'の差が大きいのは、多摩地域(25市1町)は東京たま広域資源循環組合でエコセメント事業(清掃工場から排出される焼却残さをセメントの原料としてリサイクル)を実施しているので、R'はそれらをカウントしないので差がひらいているのかな?


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23区の排出量・処理量状況

23区の廃棄物処理は、廃棄物の収集・運搬は各区で行っているが、中間処理は東京二十三区清掃一部事務組合の共同処理体制、最終処分は東京都という役割分担で、、、環境省の「一般廃棄物処理事業実態調査」も23区に関しては、区別のデータは人口だけで、「東京23区分」とひとくくりの集計結果となっている。基礎的自治体としての廃棄物行政も、とりまとめの数字の上でもなんとも中途半端な現状で、、、

「東京23区分」とひとくくりにされてはいるが、区によっての特徴はさまざまで、、、、
しかし、首都東京に集中する人口と同じく、ごみの総排出量はダントツに多いのは同じである。各区とも、人口増加の中で、ごみ排出量を減少傾向に維持するのに相当な努力が必要である。そして、23区、ともに事業系の一般廃棄物の処理量が3割以上を占めているのも大きな特徴である。

平成28年度の東京都23区分の集計結果(括弧内は平成27年度)
 総人口 : 9,292,776 人、(9,190,237人)
 ごみ総排出量 :  3,268,940トン、(3,315,207トン) 
 1人1日当たりの総排出量 :   g/人日、(986g/人日)
 ごみ処理量: 3,111,267トン(3,148,386トン) 
   直接焼却量 : 2,621,346トン、(2,644,525トン)
   直接最終処分量 : 3,955トン、(4,205トン)
   焼却以外の中間処理 :159,799トン、(166,195トン)
   直接資源化 :326,167トン、(333,461トン) 
 中間処理後再生利用 : 41,016トン、(41,907トン) 
 リサイクル率 R:16.8%、R’:16.5%、(R:17.1%,R':17.0%)
 最終処分量 : 348,675トン、(365,487トン)
   直接最終処分 : 3,955トン、(4,205トン)
   焼却残渣 :282,000 トン、(294,467トン)
   処理残さ : 62,720トン、(66,815トン)
 集団回収量:188,480トン(197,763トン) 

'ごみ総排出量 (計画収集量+直接搬入量+集団回収量)
'1人1日当たりの排出量:'合計(ごみ総排出量)*10^6/総人口/365
'ごみ処理量 (直接焼却量+直接最終処分量+焼却以外の中間処理量+直接資源化量)
'リサイクル率 R:(直接資源化量+中間処理後再生利用量+集団回収量)/(ごみ処理量+集団回収量)*100
'リサイクル率 R’:(直接資源化量+中間処理後再生利用量〔固形燃料、焼却灰・飛灰のセメント原料化、セメント等への直接投入、飛灰の山元還元 を除く〕+集団回収量)/(ごみ処理量+集団回収量)*100

平成28年度の23区の1人1日当たりのごみ排出量は
環境省のデータには記されていないが、計算式では
964g/人日となる

環境省への報告は、23区の区別にデータを出すのは困難ということで、23区分は一括の数字なのだろうが、、、
清掃一組の「清掃事業年報」などから、、あえて区別にデータを出すとすると、おおまかな目安程度にはなるかもしれない。厳密には、中間処理後の資源化量の数字も区別ごみ量で案分しなければならないので、それらは入れずに公表されている年報などからわかる数字だけでグラフ化してみよう~(事業系の持込ごみ量は23区清掃一組の分担金算出で使われている数字)

23区の内訳は別ページで~

関連(本ブログ)
平成28年度 東京23区の1人1日当たりのごみ排出量は964g、リサイクル率 R 16.8%、R’ 16.5% 2018年04月15日

 


 

政令指定都市と23区分をグラフで比較してみた~

●平成28年度政令指定都市のごみ総排出量

なにしろ23区の人口は929万人、ごみ総排出量は約327万トンである。
各区とも、大量の事業系一般廃棄物の処理もおこなっている、、、

 

●平成28年度政令指定都市の1人1日あたりのごみ排出量とリサイクル率


●平成28年度政令指定都市の1人1日あたりのごみ排出量並び替え

広島市、京都市、横浜市と、、、すばらしいですね!!

 


 

福島市のごみ排出量、、
平成28年度は1,255g/人日(27年度よりも74g減少)

先月、「福島発 福島市「ごみ排出全国最多」というニュースを見て、本ブログでも「福島市「ごみ排出全国最多」の怪(平成27年度の1人当たりごみ排出量が人口10万人以上の都市で全国最多を記録した~)」ということでごみ排出量をチェックしたのだが、、

福島市も、福島第一原発事故後、避難指示等で住民票は移さずに住んでいる人も多いのだろうな~

●福島市の1人1日当たりのごみ排出量推移


全く環境の異なる大都市と比較しても致し方ないのだが、、、
「福島発 福島市「ごみ排出全国最多」という新聞記事で比較対照していたので、、、
いまや、どこの自治体でもごみの減量には相当の力を入れている~

こうして比較してみると、、、
やはり福島市の増え方はかなり異常なことかもしれない、、あの大阪市を軽く超してしまって~
ごみ減量頑張っている大阪市、この勢いだと、23区に追いつき追い越しそう、、、

●1人1日当たりのごみ排出量推移 比較


●小金井市の1人1日当たりのごみ排出量推移
小金井市は人口10万人以上の都市で最少のごみ排出量

 

●横浜市の1人1日当たりのごみ排出量推移


大阪市の応援団でもなんでもないが、、、
大阪市は、ごみの排出全国ワースト1の汚名から脱却して、
どんどんごみを減量している~ 事業系ごみに焦点を当て、

●大阪市の1人1日当たりのごみ排出量推移

 



都道府県別は~ ↓ ↓

一般廃棄物の排出及び処理状況等(平成28年度) 都道府県別ごみ処理の現状、長野県は1人1日822gで最少 2018年04月12日

 

 

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