東京23区のごみ問題を考える

脱焼却の循環型ごみ処理システムは可能か!!
~ごみ問題のスクラップブックとして~

23区清掃工場「平成30年度 環境調査結果」から、焼却灰等に含まれる重金属類の測定結果は~

2019年06月24日 19時38分47秒 | 東京23区のごみ
☆清掃一組「平成30年度環境調査結果」から作成

 

東京二十三区清掃一部事務組合ホームページで「平成30年度各工場の環境測定結果」が公表された。

東京二十三区清掃一部事務組合 更新日:2019年6月24日

平成30年度測定結果(ダイオキシン類の測定結果を除く)

JIS第2水準にない文字については、JIS第2水準に換えて表記しています。

中央清掃工場(PDF:1,267KB)

港清掃工場(PDF:1,235KB)

北清掃工場(PDF:1,310KB)

品川清掃工場(PDF:1,299KB)

大田清掃工場(PDF:1,297KB)

多摩川清掃工場(PDF:1,251KB)

世田谷清掃工場(PDF:1,315KB)

千歳清掃工場(PDF:1,284KB)

渋谷清掃工場(PDF:1,325KB)

杉並清掃工場(PDF:1,296KB)

豊島清掃工場(PDF:1,334KB)

板橋清掃工場(PDF:1,298KB)

練馬清掃工場(PDF:1,296KB)

墨田清掃工場(PDF:1,342KB)

新江東清掃工場(PDF:1,300KB)

有明清掃工場(PDF:1,425KB)

足立清掃工場(PDF:1,308KB)

葛飾清掃工場(PDF:1,245KB)

江戸川清掃工場(PDF:1,298KB)

中防灰溶融施設(PDF:864KB)

 
ダイオキシン類の測定結果

※ダイオキシン類の測定結果は上記ページにて掲載しております。



平成30年度の環境調査も、全ての項目で「すべて法基準値及び自己規制値、判定基準値を下まわりました。」という結果ではあるが、せっかくの調査結果、おそらく数億円は検査費用もかかっていることだろう。有効 に活用しなくてはと、重金属類が排ガスや焼却灰等にどのように移行しているのかをまとめてみた。

年に数回の、たまたま採取した焼却灰等に含まれる重金属類 の含有量測定結果である。こんなに重金属まみれの焼却灰や飛灰、溶融飛灰。プラスチック類が可燃ごみになってからの変化も読み取れる。だから山本還元しようと開き直られても困るが、、先の、「ごみ性状調査の重金属類」でもわかるように、紙類や生ごみ、プラスチック類や不燃ごみ、いろんなものに重金属や化学物 質が含まれている。それらを焼却炉で燃やすと、当然の如く、排ガスや、主灰や飛灰に移行する。こんなものまとめてみても、なんの意味もないのだろうが、何 かしないではいられない、、、、

23区の場合、かつての東京スリムプランの「焼却灰の全量溶融処理体制」で、灰溶融炉を7施設も建設し稼働させたものの、さまざまな事情で、2016年度からは、2施設(多摩川と葛飾)残して、、5施設(中防、足立、世田谷、品川、板橋)は休止となった。(溶融処理も主灰の単独溶融)

そして、主灰のセメント原料化事業~
灰溶融処理の大幅縮小にともない、2015年から主灰のセメント原料化事業が本格実施となった。
飛灰ほどではないにせよ、主灰といえども、さまざまな重金属は含まれている。そして、いまだに、主灰の放射性セシウムも「不検出」とならない工場もある。ごみを焼却する限りは、焼却灰はでてくる、、ごみを出して、ごみを燃やして、それで終わりではなく、最終的な行き先のことも考えなくてはな~ 主灰のセメント原料化事業も、受入の民間のセメント工場で「実証確認」をおこない、安全で安定的に実施することが確認できたうえでの事業開始ということであったが~ 搬出清掃工場も、受け入れセメン工場も増やしているようなので、(中央、港、品川、大田、千歳、新江東、有明に続き、板橋、練馬、墨田、北と、、)



検査結果は、各工場ごとに詳細がでているが、それぞれの項目ごとに、全工場の出現範囲を年度ごとにまとめてみた。
年度ごとの推移をみることで、、、なにかその年度の傾向がみえてくるだろうか?

各工場の環境測定結果のまとめには、「ダイオキシン類の測定結果を除く」となっているので、各年度のダイオキシン類の全工場出現範囲は、「ダイオキシン類の測定結果」から最少値と最大値を拾った。(なにしろ、排ガスでいえば、21工場39炉×年間4回なので、、、0.000000の数字をみているだけで混乱する、おそらく間違いないと思うが、あまり自信もない。)平成29年度の調査結果はまだ出ていない?

1 排ガス測定結果

(1) 煙突排ガス
測定結果の概要:排ガスの測定結果は、すべて法基準値及び自己規制値を下まわりました。


注1 不検出とは、定量下限値未満を示します。
注2 ばいじん、硫黄酸化物、窒素酸化物、塩化水素、一酸化炭素、二酸化窒素、アンモニア及び総水銀は酸素濃度12%換算値です。
注3 硫黄酸化物の基準値(法律)は、日総量規制基準値を濃度換算して求めました。窒素酸化物の基準値(法律)は、総量規制基準値を濃度換算して求めました。
注4 ふっ素及び塩素の基準値(都条例)は、規制基準値を濃度換算して求めました。
注5 ばいじん、硫黄酸化物、窒素酸化物及び臭気濃度の基準値は、工場ごとに異なります。

☆臭気排出強度の基準値は平成28年度から単位変更かな?
 
基準値,協定値等は工場によって異なる。
例えば、窒素酸化物 千歳30~56ppm(協定値は70ppm) 
塩化水素 千歳9~11ppm(協定値は15ppm)
ダイオキシン類は、ダイオキシン類対策特別措置法に基づく排ガスの基準値で既設と新設で異なる。


2 排水測定結果
測定結果の概要:排水の測定結果は、すべて法基準値内でした。



注1 不検出とは、定量下限値未満を示します。
注2 基準値は、下水道法施行令及び東京都下水道条例による下水排除基準を示します。
注3 ふっ素及びほう素の基準値は、工場ごとに異なります。
※  平成28年10月20日以前の基準値は「0.3以下」です。


平成17年からみて、クロムは確実に増加していたが~ 他 は、増加傾向にあれど、もともとの出現が異常に高いものも多々あるのでなんともいえない。なぜ、水銀、鉛、カドミ、ひ素などは、あんなに高濃度で日常的に 入っているとみるか、たまたまとみるか、もっともっととみるかは悩ましい、、、、、、


3 焼却灰等分析結果

測定結果の概要:焼却灰等の測定結果は、すべて法基準値及び判定基準値を下まわりました。

飛灰や溶融飛灰の埋立判定基準は、どんなに重金属を含有していようとも、含有試験ではなく、薬剤処理後の溶出試験となる。
ということで、「すべて法基準値及び判定基準値を下まわりました。」とはいえ、溶出試験では、括弧書きや但し書きに注目。処理薬剤の供給量が不足すると数値が高くなっているようだが~ 実際には、いろいろあれど、法基準値及び判定基準値を下回るように様々な努力しているということなのだろう。

ということで、、、ここでは、あえて、焼却灰等の「含有試験」の測定値のみ取り出した~

これまで、排水や焼却灰等も「不検出」の多かった「セレン」は、、平成27年度は確実にでてきている、、、
アルキル水銀は全てで不検出(水銀がメチル基(CH3)、エチル基(C2H5)等のアルキル基と結びついた物質の総称をアルキル水銀)


(1) 主灰(含有・性状試験)
注 不検出とは、定量下限値未満を示します。
※1 冷却処理を行った主灰(湿灰)の測定結果のみを対象としました。
※2 基準値は、廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行規則に定める維持管理の基準です。
(2) 飛灰処理汚泥(含有・溶出試験)
注1 不検出とは、定量下限値未満を示します。
注2 溶出試験の基準値は、埋立処分に係る判定基準である「金属等を含む産業廃棄物に係る判定基準を定める省令」(昭和48年総理府令第5号)が適用されます。
※ 平成28年3月14日以前の基準値は「0.3以下」です。
注3 処理状態の一時的な変動による基準値の超過は( )内に記載しました。
(3) 汚水処理汚泥(含有試験)
注 不検出とは、定量下限値未満を示します。


平成26年度測定結果で特に気になったのは、
大田清掃工場(新工場)の汚水処理汚泥(含有試験)の「総水銀」測定値 47~160mg/kg、
平成26年10月竣工の23区最新の工場である。試料採取は、平成26年12月2日と平成27年2月10日となっている。
もちろん、排ガスも、排水も、総水銀は不検出なのだから、、、汚水処理汚泥でよく捕集したと褒めてあげるべきものなのだろうが、、、
23区の清掃工場、あちこちで排ガス水銀値超過で焼却炉の停止が続いているが、その前兆とならなければいいがと、、
大田、平成27年度も汚水処理汚泥の総水銀含有量は54~140mg/kgと高い、、、そしてなんと、、平成28年度は440mg/kg

 
●焼却灰に含まれる総水銀のみ抜粋

こんなに水銀が含まれているということは、排ガス中の水銀も、いつなんどき 0.05mg/m3N(新設0.03mg/m3N)を超えるかわからない。
年4回程度の測定結果、幅があるので、測定値の上下をそれぞれの値としてグラフ作成
(総水銀:有機水銀・無機水銀・金属水銀を合わせた、水銀およびその化合物の全体をいう)

排ガス水銀で炉停止したときの飛灰や汚水処理汚泥は、はたしてどれくらいの水銀濃度になるのやら、


4 周辺大気環境調査結果
調査結果の概要:周辺大気環境調査結果は、通常の大気中の出現範囲でした。

周辺大気調査は、浮遊粉じん、浮遊粉じん中の鉛、浮遊粉じん中のカドミウム、硫黄酸化物、窒素酸化物、一酸化窒素、二酸化窒素、塩化水素、アンモニア、アルデヒド、全炭化水素、水銀


5 試料採取日一覧

 (参考)測定項目及び測定箇所
 (参考)定量下限値一覧

詳細は:「各工場の環境調査結果(平成30年度)」へ~


時間を持て余しているので、意味のないことばかりしていて、、
とりあえず、あまり思いつくこともなし、、

疑問に思いながらそのままなのは、

溶融スラグの品質基準、
六価クロム化合物は溶出試験0.05mg/L以下、含有試験は250mg/kg以下だったけど、、、
総クロムはかなりの数値だけど、、、???

29年度から、有機リンとPCBの測定がなくなったのは、不検出続きだからかな???




関連(本ブログ)
23区 清掃工場の「ごみ性状調査結果(平成30年度)」 ごみ組成 & ごみの重金属等含有量は~2019年06月24日


■廃プラスチックの焼却処理に関する調査報告~重金属の移行割合(2009年01月24日)


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