東京23区のごみ問題を考える

脱焼却の循環型ごみ処理システムは可能か!!
~ごみ問題のスクラップブックとして~

23区 清掃工場の「ごみ性状調査結果(平成30年度)」 ごみ組成 プラスチック20.15% & ごみに含まれる重金属類含有量は~

2019年06月24日 19時39分03秒 | 東京23区のごみ

グラフは、清掃一組「ごみ性状調査結果」より作成


清掃一組ホームページで、平成30年度の「ごみ性状調査結果」が公表された。
それぞれのデータをグラフにしてみた~

清掃工場での焼却ごみ、またプラスチックの割合が増えている~
平成30年度の北、品川、大田、多摩川、千歳、世田谷、豊島、板橋、墨田、足立、江戸川清掃工場はプラスチックの割合が20%を超してしまった。品川、江戸川以外は、いずれも清掃工場所在区は容器包装プラスチックの資源化を実施していない区である。しかし、他の清掃工場でもプラスチックの割合が増加傾向、、

 
東京二十三区清掃一部事務組合 更新日:2019年6月24日

ごみ性状調査結果

ごみ性状調査とは、ごみの組成等の実態を把握することにより、一般廃棄物処理施設の適正な運営を図るための基礎資料を得るために実施している調査です。調査項目は物理組成(紙類、厨芥、プラスチック類、金属、他)、3成分(水分、可燃分、灰分)、発熱量、重金属含有量等です。

(平成30年度清掃工場等ごみ性状調査報告書をもとに作成)

ごみの中身(PDF:52KB)

 

平成30年度のごみ組成割合は、
清掃工場に搬入されたごみでは紙類が42.24%で一番多い

そのうち、資源化可能な紙類がどれくらい燃やされたことだろう~
プラスチックの割合は20.15%(29年度は18.91%)となった

参考までに、23区の家庭系の可燃ごみの組成割合では、、
生ごみ等が40%前後を占める区が多い。紙類は20%~30%台か、、
ということは、やはり、事業系の持込ごみに占める紙類の割合が多いのか、、、

以下、グラフは、清掃一組「ごみ性状調査結果」より作成


●清掃工場に搬入されたごみ 平成30年度

平成30年度も、100万トン以上の紙類が焼却された、



●清掃工場別 ごみ性状調査結果(各工場とも年4回調査の平均値)


事業系の持込ごみが多い工場は、紙類割合が多い、、、
清掃工場所在区で容器包装プラスチックの分別回収未実施の区に赤丸印、
プラスチックの割合が20%超える

平成29年度は20%を超える清掃工場は少なかったが、、、


●平成29年度の各清掃工場の区収集ごみと持込みごみの割合

(30年度は事業年報がまだ出ていない)

◆23区清掃工場 区収集・持込  搬入内訳

平成29年度も約35%が事業系の持込ごみとなった。
清掃工場により、区収集と持込ごみの割合は大きく異なる。

粗大ごみ破砕ごみ処理施設の可燃分は、破砕ごみ処理施設の休止にともない、湾岸地域の清掃工場で焼却処理ということになったとおもっていたが、平成29年度の清掃工場搬入総括表をみると、世田谷、渋谷、豊島、板橋以外の15工場に運ばれている。中防から練馬、板橋、足立、葛飾までも運んで、、、ちょっとびっくり、


 

有明清掃工場は、約4%の管路収集を除けば、すべて事業系の持込みごみのはず、、、
管路収集も、家庭系のごみはわずかかな? 本来ならプラスチックはないはず、


事業系のプラスチック類=産業廃棄物がどんどん入っているということである!!
有明清掃工場(江東区)に産業廃棄物を不法投棄か、廃棄物運搬会社社長を逮捕(3年で540回くらい捨てた)」というのもあったけど、発覚するのは氷山の一角だろうから、、、 事業系ごみの不適正搬入や資源化可能物の徹底調査を有明でしてほしいものだ~

 



●不燃ごみ処理センターに搬入されたごみ 平成30年度

不燃ごみ処理センターに搬入されたごみの組成割合では、
家電製品が21.33%(前年度21.87%)となった。
小型家電等、各区ともピックアップ回収等で資源化に力を入れている、、

不燃ごみ処理センターに入ってしまえば、
選別後、「鉄」「アルミ」は回収されるがあとは埋立処分となる。



●23区不燃ごみ処理センターに搬入されたごみ組成の推移(%)

「家電製品等」の区分は、平成21年度から、、、


参考までに、、、

●23区 資源回収実績(ピックアップ回収) 区別 (平成29年度)

各区ともがんばっていますね、、、
練馬区が始めた頃は、,,そこまでするかと思ったものだが、、、
拠点回収を増やしても、ごみに出してしまう区民も多い
しかし、,みすみす焼却や埋め立てはしないという取り組み、


 
詳細は関連(本ブログ)
23区 平成29年度の資源回収量 ~平成29年度清掃事業年報(リサイクル編)〈特別区清掃リサイクル主管課長会資料〉より~23区の資源回収量は約530,665トン(前年比約5,991トン減)2018年08月29日



組成割合だけでなく、ごみ焼却量に案分すると、、
23区の清掃工場では、毎年、毎年、年間100万トン以上の紙類が焼却されている。
そのうち、資源化可能な紙類はどのくらいあるのか、、、


家庭ごみは、各区とも、紙類の資源回収(集団回収・行政回収)を実施している、

その一方、23区の清掃工場搬入ごみの35%を占める事業系の持ち込みごみはどうなっているのか、

23区清掃一組の事業系持ち込みごみ「持込承認 廃棄物(受け入れ基準)」では、
「書類、古新聞、古雑誌、シュレッダーくず」なども堂々と受け入れ品目となっている。

産業廃棄物(木くず・紙くず・繊維くず)の「受け入れ基準」には「再生利用できないものに限る」が明記されているが、、

いまどき、全国各地のごみ焼却施設で、事業系ごみの「書類、古新聞、古雑誌、シュレッダーくず」を受け入れている自治体など、珍しい存在、、、21清掃工場体制の温存のためか、、持ち込み手数料100億円確保のためか、、、、、


23区の清掃工場では、毎年、100万トンを超える紙類を燃やしている!!
平成29年度は117万トンの紙類を焼却した~ 
プラスチック類とゴム・皮革などは50万トン以上焼却した~



まだ平成30年度の清掃工場搬入量などは公表されていないので平成29年度分まで、、
(平成30年度のごみ量は、23区収集ごみ量、持込ごみ量を合わせて、約275万トン)
平成30年度の清掃事業年報が公表されたらまた、、

 


 
参考までに~

☆東京都清掃局「東京都清掃事業百年史」のなかでおもしろいデータを見つけた!!
年度によってかなりの変動はあるものの、紙類はやはり多かったのだ、、、草木は年々減少、
そして焼却不適物とされた「プラスチック類・ゴム・皮革等」も、可燃ごみに混入し、その割合は年々増加していく。



※昭和48~52年度はガラス・陶磁器類の値は合算値である。
出典:東京都清掃局ごみ減量総合対策室資料



 

ごみに含まれる重金属類は~

毎年公表される「ごみ性状調査結果(平成30年度)
調査項目は、物理組成(紙類、厨芥、プラスチック類、金属、他)、3成分(水分、可燃分、灰分)、発熱量、重金属含有量等となっている。

「重金属含有量等」をみると、何もプラスチックに限らず、様々なごみに重金属類が含まれているのがよくわかる。たまたま取り出した「ごみ」に、これほども含まれているのだから。 清掃一組として は出口対策が仕事とはいえ、しかし、多額の費用をかけての重金属類など貴重な調査結果である。調査結果の公表だけではなく、さまざまな環境対策に有効に活用してほしい。しかし、この調査は、乾電 池や蛍光灯類を除くということなので、、乾電 池や蛍光灯類を含む場合はどうなるのかの公表もしてほしいものだ

23区各区では、拠点回収を実施している区も多いが、「乾電池や蛍光灯類」は不燃ごみ扱い。それらが可燃ごみに混入することも多いのが実情。(江東区では、願いかなって、やっと2016年10月から「蛍光管・乾電池の回収方法を見直し」で、ごみステーションで他の不燃ごみと分別して回収することとなった。)


今、水銀に関しては法規制が整い、
平成29年5月18日に水銀に関する水俣条約の締結国が50カ国に達したため、90日後の平成29年8月16日に水俣条約が発効する。そして、大気汚染防止法の一部を改正する法律(平成27年法律第41号)等の水銀大気排出規制に関係する法令は、平成30年4月1日に施行され、同日から水銀排出施設の届出や排出基準の遵守などの水銀大気排出規制が開始されることとなった。廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行規則の一部を改正する省令等の公布(水銀関係)の施行期日は平成29年10月1日。

23区清掃一組は、もっと水銀対策等にも、毅然として立ち向かうべきなのではないか。廃棄物処理の行政として、ごみを焼却する立場であれば、こうも、わが国の、重金属規制 の緩いことにモノ申さなくては。包装材、印刷インキ、プラスチック柔軟剤・添加剤等など、欧米に比べて、化学物質や重金属類の規制は甘いように思える。入 口対策なしでの出口対策には限界がある。おまけに排ガスの重金属規制もないし。(水銀に関しては法規制ができたが。) 特に、23区の、分別基準、蛍光灯などの水銀含む廃棄物の「不燃ごみ扱い」から、有害ごみや資源物として扱いに変えるなど、清掃工場への搬入阻止となるように、あらゆる対策をしなければ、、、

重金属類は、紙類や厨芥にも含まれているが、
やはりプラスチック類や不燃ごみに多い傾向

そもそも不燃物が清掃工場に入ること自体がルール違反なんだが、
そういうものがごっちゃになって焼却炉で燃やされるので、、、

それにしても、、カドミ、鉛、総水銀、総クロムと、、、
平成28年度の練馬、墨田の総水銀、、、
水銀規制も、,,元から絶たなければほんとうにどうしようもない、、、


平成25年度、30年度と、ざ~~と比較してみたが、、、それぞれ年度によりかなりの違いが、、、
まあ、、たまたまピックアップしたサンプル次第での結果に云々いうのも、、、、、、


■重金属含有量(乾電池、蛍光灯類を除く)(mg/kg)
各年度とも、不検出以外のすべてを検出をピックアップ

《カドミウム》








《鉛》










《ひ素》








《総水銀》










《セレン》

セレンは、平成24年度調査までは、全ての工場で不検出だったが、、、
平成25年度以降は検出、平成27年度ではかなり検出が増えてきている~
不燃ごみやプラスチックのなにに多く含まれているのか、、、
「環境測定結果」の主灰や飛灰の重金属含有試験でも、セレンは確実に不検出から検出になっている~

セレン(wikipedia) セレン(英: selenium)は原子番号34の元素。元素記号は Se。カルコゲン元素の一つ。セレニウムとも呼ばれる。 用途:金属セレンは、半導体性、光伝導性がある。これを利用してコピー機の感光ドラムに用いられる。またセレンは整流器(セレン整流器)に使われたり、光起電効果によりカメラの露出計やガラスの着色剤[4]、脱色剤に使われる。毒性がある為、現在は使用が制限され多くの用途において代替物質が使用されている。









《亜鉛》










《総クロム》










《リチウム》

リチウム(.wikipedia) リチウム(新ラテン語: lithium[1]、英: lithium [ˈlɪθiəm])は原子番号 3、原子量 6.941 の元素である。元素記号は Li。  用途:2011年におけるリチウムの用途は陶器やガラスなどの窯業用途が最も多く、リチウムの全消費量の29%を占めている。リチウムイオン二次電池などのバッテリー用途でのリチウムの消費量は全体の27%であり、携帯用電子機器や自動車用バッテリーなどの需要拡大に伴いこの用途での消費量は増加傾向にある。窯業、バッテリー用に続く用途として、自動車などに使われる耐熱・耐圧グリース用途、鋼を連続鋳造する際の融剤としての用途、空調用途、合成ゴムの重合触媒など用途が挙げられる[83]。リチウム鉱石はアルミナ、シリカとの化合物なので、すりつぶして窯業材料に用いられる。塩湖かん水から分離された水酸化リチウムは電池に用いられる。









破砕ごみ処理施設は粗大ごみの破砕後の焼却施設、
平成27年度の重金属含有量はカドミウム、鉛、ひ素、総水銀、セレン、亜鉛、総クロム、リチウムと、軒並み高濃度の含有。破砕ごみ処理施設は2015年度で処理を終了。今年度から休止となったので、これらの破砕ごみは、湾岸地域の清掃工場で焼却となる、、、環境対策追っつくか、、、

《破砕ごみ処理施設》 平成27年度



《破砕ごみ処理施設》 平成26年度


《破砕ごみ処理施設》 
平成25年度

 

 

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