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あなたに風が吹くときがくる

2019年06月30日 | 婚活 愛媛県

五木寛之さんの「人生案内」を時々読み返しています。

『第十夜 意志の強さ・弱さ』の中で、

また私の考え違いに、”はた”と気付かされました。

20才の男子学生からの相談です。

「自分は小さい頃から意志が弱いことで悩んでいました。

どうしても努力ができないのです。

昔は自分に厳しく、もっと意志強くなろうと自分にムチを打ったものですが、

最近はひょっとしたら意志が強いか弱いかもある程度、

生まれた時に決められてしまっているのではないか、

と思うようになりました。

でも、こういう主張を大人にしたとき、

こっぴどく叱られました。

言い訳をするなと言われ、

みっともないとも言われました。

たしかにとんでもない考えかもしれません。

でも、自分に厳しくしたところで、

とうてい自分が意志が強くなったとは思えませんでした。

ときにはあまりの自分の意志の弱さに、

悲しむのを通りこして笑い出したいくらいです。

私たちは生まれてくるときに何一つ選べません。

自分の顔すら選べないのです。

意志の力に恵まれ、

能力があり、

顔つきが美しい者は、

どんどん世間をのぼってゆく。

一方でその逆の人間もいる。

もし僕の主張が認められるのならば、

その逆の人間は、

どうすれば少しでも軽やかに生きることができるのか。

先生のちょっとしたヒントや意見をうかがいたいですが。」

 

五木寛之さんは、このように書かれています。

(抜粋です)

「これはじつに、切実というか、リアリティのある問いかけです。

あなたの考えていることと、僕の考えていることは、

何か不思議なくらい重なっているところがある。

つまりぼくが、それこそ20年近くずっと書き続けて、

あちこちで語り続けきていることは、

まさにこの若い学生さんが考えていることと、

何か不思議なくらい重なっているのです。

・・・・・

あなたの考えていることは、まともだと思うね。それは正しいと思う。

つまり、意志の力というのは、

自分で意志を鍛えれば強くなるか。

それは鍛えれば強くなるだろう、と思うのです。

鍛えれば強くなる。習慣づけて頑張れば強くなる。

だけど、意志を鍛えるということを自分に課して、

倦まず弛まず(うまずたゆまず)そのことをやっていくというためには、

まずすごい意志の強さが必要だということです。

・・・・・

例えば、外見とか容貌とか、

運動神経とか、絵を描く才能とか、こういうものは

誰がみても向き不向きというのがひと目でわかる、

強い意志で努力する人は大きな夢を持って頑張っていけば、

かなわないことは絶対にないのだ。

と、「意志」ということをよく言われる。

では、どうすれば、その強い意志を身につけることができるのか。

たとえば走るのが速い人もいれば遅い人もいる。

ジャンプが得意な人もいれば不得意な人もいる。

歌を歌うのが上手い人もいれば下手な人もいる。

というのと同じように、ある程度、生まれつき意志の強い人と弱い人がいるのではないか、

というふうにぼくは思うのですね。

つまり、先ほど述べたように、

意志は鍛えれば強くなる、だけど鍛えるためには意志が強くなければいけない、

ということがあるのです。

・・・・・

ぼくの友達の話。

息子さんがもう本当に意志が弱くて、

何をやっても三日坊主で終わってしまうというので、

あるとき新聞で、

深い山の中に入り、

3ヶ月間の特訓で見違えるように

意志の強い子供にうまれ変わって帰ってくる

という広告をみつけて、

いやがる息子さんを説得して、

60万円だか いくらだかのお金を払って送り込んだ。

が、その山に行って3日目ぐらいに警察から電話がかかってきて、

「息子さんを補導したので引き取りに来てください。」

というので、びっくりして引き取りに行った。。。

話をきいてみると、その特訓では、

午前3時半ぐらいに起床して掃除をし、

それから座禅を組む、講話を聞く、一日二食で、

大変粗末な食事をしながらテレビもなければ雑誌もマンガもないというなかで、

滝に打たれたり、いろんな修行をするというわけですね。

そういう生活を三ヶ月も続けられるというのは、

そもそも相当に意志の強い子ではないか。

意志の弱い子は続かないのが当たり前ですよ。

そういうことを言うと、

じゃあ人間は努力しなくてもいいんですか、

などど言われるけれども、

これも努力のすごく好きな体質の人がいるのです。

ぼくは努力が嫌いなんだね。

嫌いというか、努力が続かないタイプです。

たから毎日こつこつ少しずつ原稿を書いてりゃいいものを、

締切日は過ぎているのに、

毎日毎日だらっとして、

悶々としながら延ばして、

これ以上遅れると雑誌が出なくなるというぎりぎりの時に、

やっと徹夜して書き上げる、という生活が今でも続いている。

それはもうなおらない。

同じ作家でも、すごく早く原稿を書き上げ、

机の上にきちんとそろえてあって、

締切日前に渡すという几帳面な人もいる。

それはやはりその人のタイプですよ。

だから、君は意志が弱い、

もっと頑張らなきゃ駄目だ、というけれども、

世の中にはいろんな人がいます。

・・・・・

では人間は努力しなくてもいいのか。

これは不思議なことなのだけれども、

努力をしようという気持ちになっても、

自分でそういうふうに向かっていくことは、

なかなかできないところがある。

でも、

努力したいという気持ちを持っているだけでもずいぶん違うと思います。

ぼくはよく例え話をするのです。

風を受けて走るヨットがあったとします。

いくら走りたいと思っても風がふかなければヨットは走らないですね。

無風状態では走らない。

だからといって帆を上げないで昼寝をしていたのでは、

せっかくいい風がふわっと吹いてきても、

ヨットは走るチャンスを逃してしまう。

だからヨットが走らないのは俺のせいじゃないよ、と。

それは風が吹かないせいだから、しかたがない、

というふうに思っていいですね。

ただ、風が吹いたときにその風を受けて走れるように、

せめて帆を上げて、どっちからか風が吹いてこないだろうかな、

というふうに風を待つ、

そういう気持ちの準備だけはしておいたほうがいいのです。

つまり、努力はできなくても、

できたらそういうチャンスがめぐってきて

自分にやる気が起ってくれたらいいな、

そうしたら一生懸命頑張るのに、と。

自分が努力をしようとするきっかけを待つ気持ちというか、

それまでなくしてしまうと、風が吹いても駄目ですよね。

風が吹いてもその風をうまくつかむことができなくなる。

風を待つ気持ち。

風に吹いてほしいと思う気持ち。

風が吹いたら俺は走るぞという気持ち。

それでやはり風を待つ。

やがて風が吹き、潮の流れが動き出すとヨットは走る。

だから、その両方、必要なのです。

・・・・・

答えになったかどうかわからないけれど、

要するに、人間はひとりひとり違う。

生まれてくるときはかならずしも平等ではない。

いろんな違いがあり、いろんな不条理があり、

そしてぼくらはそれを選ぶことができないという難しさがある。

意志の力や、努力するということについても、

努力することが得意で、それがすごく好きな人、

意志が生まれつき弱い人、いろいろある。

鍛えれば強くなるというものではない。

だけど、願う気持ちだけは誰でも持つことはできるわけだから、

せめて、

いつか自分が頑張って努力して強い意志の力で

気持ちよく風に乗って走る時がくるのではないか、

来て欲しいな、とそんなふうに待っているといいですね。

・・・・・

(五木寛之さんは、この章の最後に、愛のエールを書かれています。

私はこの言葉がとても好きです。)

 

生まれつきというのは確かにあります。

だからと20才で早急に自分は意志が弱いと決めてはいけない、

40才・50才になってこんな自分もあったのかと、

自分にびっくりするようなことがあるかもしれない。

また意志の力だけではなく、後ろから風が押して、

意志の力をしのぐような大きな働きをしてくれるときがあるかもしれない。

まあ、そういうふうに考えて、

ゆったり構えていたほうがいい、というふうにぼくは思います。」

 

私は一昨日まで、会員の皆さんからのご相談で、

苦手なところを、がんばって努力して克服しましょう!と言ってきました。

それは、この20才の若者をこっぴどく叱った大人と同じことを私はしていたと反省しました。

幸せな結婚をしたい!いい出会いをしたい!

なぜ出会えないのか!?、どうしてお付合いにならないのか!?、

「あなたのそういうところを改善しましょう」というアドバイスは

その人にとって、わかっているけど苦痛の、なにものでもなかったのですね。

私も自分の苦手なことを努力しろ、頑張れと言われても、

三日坊主にもならない一日坊主で諦めていることが正直あります。

自分のことを棚にあげていたのは、私自身でした。

だから五木寛之さんの言葉はとても響き、反省の気持ちでひりひりしています。

事実、これまで会員の皆さん、さまざまな人が活動され、

いつか必ず良いご縁の人と出会える。と、ヨットの帆を上げて探してこられ、

それぞれ期間は違っても、帆を下ろさなかった方は結婚してこられました。

この本で、五木寛之さんは、

「逆境で落胆せず、成功で高慢にならず」という言葉を書かれています。

少し慣れてきた私は高慢になっていたのだと反省しました。

幸せな結婚をしたい!いい出会いをしたい!と願う方の気持ちを応援し、

風が吹いたときに、送り出せる大人でありたいと思いました。

婚活では、人よりも劣っていたり、苦手だったりするところが、

誰しも気になり凹みますが、

反対に人よりも良いところ、得意なところが必ずあります。

直接婚活で役に立つことではないかもしれないけれど、

そういう長所を伸ばし発揮していることが

ヨットの帆を上げていることになるのだと思いました。

ご相談に来られる方の、良いところを見つけていきたいと思います。

また新たな気持ちで皆様をお迎えします。

 

 


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