うんこのけむり

要点だけ言います。ただ、テストには出ません。

MFJ~2008年4月『私の営業術』~

2009-06-16 | Weblog

後輩が「今度営業にまわされたんだ。営業の上手なやり方を教えて欲しい」と連絡をよこしてきた。


 なぜか俺にはこの類の相談が多い。俺は別に「営業」で一旗上げたわけでもないし。実際俺が「営業してるとこ」見せたこともない。


 でも。いい機会だから。俺なりに学んだ事を書き連ねていきたいと思っている。

 先に言っておくが俺は「自営業の跡取り息子」であって。俺が今の職業に就いたときには親父とお袋と俺の3人で経営する「小さな店舗」だった。

 だから今から話すことが必ずしも「一般の会社の営業職の皆さん」に当てはまるとは限らない。


 まずは突然だが「嘘がうまくなくちゃいけない」


 営業というのは何パターンかがあると思ってる。「一流企業の看板で営業する人」。「まったく無名の零細企業の人」「会社は小さいがヒット商品を取り扱っている人」など様々だ。

 俺の場合「純粋に買ってくれる人」が欲しかったし。また「小売業」なので「嘘はつきやすかった」。


 じゃあ例えばどんな嘘か?


 俺は自分のうちの商品と名刺を持って行き。現在の店舗から少し離れたところに「飛び込み」で営業に行く。


 「口に入るもの」を取り扱ってるので。まずは「ごめんください」と入っていき。

 「お忙しいところ申し訳ありません。私こういうものです」と名刺を差し出す。

 ほとんどの確立でほとんどの人が「あ・・・売り込みか」と思う。そこで俺は間髪入れず「今日は売込みにではなく弊社にご協力いただきたくお邪魔いたしました」と言う。

 すると100発100中で特に事務員は「じゃあなんでしょう?」と聞いてくる。

 俺は待ってましたとばかりに「実は現在名刺にある住所で店舗を構えてるのですが」すると必ず名刺を見てもらえる。


 「そちらの場所でおかげさまで5000人のお客様に御来店いただいておりまして。そのお客様方から『お店の位置が遠い。だけどこの商品はお宅からしか買えない』というご要望の声が多いので。近々新店舗をオープンしようと考えております。そこで当店の商品を見たことも実際に味わったこともない市場のお客様方に『お試し』していただいて。そのご意見を参考に次の出店場所を決めようと思っているんです。


 私はこちらの自治体の担当の者でして。何とかこの近所にお店を出したいのです」


 と言ってやる。


 するとほとんどの人は。「あ・・そう。じゃあ味見して感想を言えばいいのね?」となる。

 第一回はそれで終わり。もちろんあの頃は「そんな計画」もなかったし。近所の各自治体を「同じ文句」で俺一人が回っていた。


 次に2回目は。「感想を聞きに行く」。営業が苦手だという人はほとんどが「売りたい。買って欲しいという理由」以外に「口実」がないからだと言われている。


 でもこの方法を取った場合。第一回目で「では機を見計らってまた感想を伺いにお邪魔いたします」と言い残していく。


 すると「きっかけと次回の口実」が同時に入手できるので次は堂々と入っていける。


 もし商品が「いい評価」を受ければ。「もし気に入って頂けたのなら。新店舗オープンまでには時間がありますので。それまではお電話にてご注文いただき配達で対応させていただきます」とやる。そこで初めてパンフレットや他の商品のサンプルの紹介となる。


 逆に「悪い評価」を受けた時には「何が嫌だったか」を聞く。純粋に「美味しくない」と言われれば「勉強し直してまいります」と。次回「違う商品サンプル」を持って行き最初からやり直せばいい。


 「嘘も方便」とはよく言ったもので。とにかく俺が考える「営業術」と言うのは。
「この方法が詰まったら行き先がない」という状況にしないことを第一に考えている。

 「どんなときでもあらゆる方向に逃げられる」そういう会話と方法を選んでいる。


 次に「見極め」。


 これはある程度上述したことを繰り返すとわかってくるのだが。「生きてる客」と「死んでる客」は確実に存在する。


 「死んでる客」にいくら売りこんでも「見返り」はない。仮にあったとしてもたかがしれていて。その数字は長続きしない。

 「買っていただきたい」という願望の元に希望をもつのは大切なことだが。持つ場所を間違えるといつまで経っても成長できない。


 「私が売ろうとしている商品は誰彼かまわず売るものではない」そういうプライドも大切だ。だがこのプライドを早く持ちすぎると「傲慢な営業マン」になってしまう。


 叩きに叩かれ「おおよそ数字が伴ってきた頃」にこの気持ちは持ってもらいたい。



 余談だが。主に「飛び込み営業」をしている人で。「結果を残せる人」というのは「ナンパがうまい」という説があるがこれは俺は本当だと思っている。


 見も知らぬ女性に声をかけ。その日のうちにベッドに誘い込むテクニックは非常に「営業」に似ている。仕事の「営業」は「商品」を売るが。「ナンパ」の「営業」は「自分を売る」。


 「自分を売れないやつ」に「商品は絶対に売れない」。


 学生時代や思春期に少しばかりのビジュアルのよさをいいことに「寄ってきた女だけに手をつける」そんな殺生なことをしてきた奴が営業に出ると大概は散々な目にあう。


 平気で馬鹿になれること。笑われること。そういったことに「抵抗感」を持ってるうちは「叩き上げ」で上には上れない。そういう奴は「まず自分を壊す」ことから始めなくてはならない。


 おかげさんでいい仲間に恵まれ「そういう経験」は嫌と言うほどしてきた俺には「そっちの抵抗感」は全くと言っていいほどなかった。


 それは本当にいいことだったと今でも思っている。


 若い頃「女のケツを必死で追いかける」という時間と作業と。そこで学んだ知識と経験は必ず生きてくる。ゆえにおおいに若いうちは「バカをやるべき」だと俺は思っている。



 最後に。「簡単にお客様になってくれた人には気をつけろ」


 言葉が悪いが「すぐにヤラセてくれる女」を思い浮かべればわかるだろう?「やりまん」を「自分の女」と思い「本気で愛してしまう」と「傷つくのは自分」だ。


 「すぐにお客様になってくれた人は他の業者に対してもそうである」ということ。


 「ものにしたから」と言って手を抜かず。新企画や新新商品の提案は抜かりなく続けるべきだと考えている。


 よく「釣った魚に餌をやらないような彼氏だった」と元彼女が憤慨してるシーンがあるが。あれと似ている。


 「簡単に連れた魚ほど大切にする」


 これは「営業」も「恋愛」も一緒だと思う。


 俺の場合は「大いに遊んだ自分の過去」を正当化したくて。それらの経験を「営業」に持ち込んだ所が多分にある。


 あくまで「飛び込み」の場合だが俺は9対1で「失敗」するもんだと思っていてちょうどいいと思っている。だからいちいちへこたれない「精神的タフさ」も必要だ。


 「駄目でもともと」その気持ちと「反省の気持ち」があれば。どんなシーンでも仕事で突破口が見えてくる。


 「人に『自分が』否定されてる」と思わないこと。


 自分自身にしっかりと「自信を持つこと」から始めるのがまずは最優先事項ではないかと思っている。


 「自信を持つためにはどうすればいいのか?」


 多くの人から学び。多くの人から否定され。多くの事柄を体験していく。


 つまり「売れない営業」を繰り返すことによって。最初はそれが「傷」になっても。やがて瘡蓋になり。それが剥がれその部分は「強く」なっていく。


 これでもかというほど。「自分をいじめる」。


 その連鎖がやがて「強靭な精神」を作り出し。やがて幾多の「逃げ道と突破口」を「作り出す源」となる。


 一石一朝で「ヒーローになった営業マン」など存在しない。皆「心に傷を持ちながら」それらを「経験と知識」に置き換え。やがて「結果」に繋げている。


 「負けることの重要さ」を覚えて初めて「勝ちにいける」そう俺は思っている。

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