一緒に飲むか？

「今、すごく悩んでるんです。１週間位どこか遠くへ行きたいっす。今度、酒の席で話しますよ。確実にまずい酒になりますけど」

先日、職場の後輩がこんな事を言ってきた。どうやらとても重大な問題に直面しているらしい。あえて、その場では聞かなかった。むしろ「あっそ」ってな感じでそっけなくその場は去った。

でもさ、ほっとけねぇわけさ。一応、俺も職場のとりまとめ役みたいなポジションだし、なによりかわいい後輩なわけで心配だもん。なんかとんでもない事に巻き込まれてるんじゃないか？とか身内になんかあったのかな？とか考えるわけ。

後日、別の人に「最近、○○が悩んでるらしいけど、なんか聞いてます？」って聞いてみたら、「あ～これ」小指ピ～～ンですよ。

「女かよ。。。」

おおまかな話を聞いて正直、脱力してしまったよ。でもよくよく考えりゃ、そいつは今年２１歳のヤングマンなわけで、女のことで喜怒哀楽の上限下限のリミットなんか簡単にオーバーしちゃうもんだよね。

俺も２１歳の時、大失恋をして飯が食えなくなっちまって、そんな俺を見かねた先輩が数日間、俺を晩飯に招いてくれた。なんて事もあった。その後、幾度となく出会いと別れを繰り返し、ようやくこんな俺を嫁が拾ってくれた。結婚して、そういうドキドキしちゃうような恋の話なんて、すっかり遠い過去の事になっちまった。これは寂しいことだと思った。自分に対して、嫁に対して、後輩に対して、女に対して。

だから、只今から悩める２１歳の恋愛話を３１歳ギンジが居酒屋にて存分に聞いてこようと思います。きちんと話を聞いて、３１歳の考えを２１歳の気持ちに混ぜたアドバイスの一つもしてやれれば、と思う。

それじゃ、行って来ます。