近々、べに~の家は不動産屋のものになります。
会社を経営するうちのお父んは、バブル崩壊後、莫大な借金を背負ってしまった。
あれから20年くらい経ったのか。
だいぶ借金は減ったものの、最近、取引先が低迷し、またもや苦しい状況に。
で、何もかも失くしてしまう前に、土地を売って、3年という条件付で、
この家には住まわせてもらう。もちろん家賃は払う。
3年の間に頭金をためて弟が買い戻す、という方法を実行することになった。
問題1、土地を売っても数百万は借金は残る。
問題2、3年後に買い戻せたとしても、35年ローンが終わる頃には築69年、
建て替えなければならなくなる年数である。
それでも買い戻さなければ気がすまない理由は、いねちゃんにある。
この家は、いねちゃんが寝ないで働いて買った家だからだ。
さらには、今まで何回か会社が危ない時には、
いねちゃんが貯めていたお金を貸したからだ。
だから、お父んにとっては、この家じゃなきゃダメなのだ。
いねちゃんは、このことを知らされずに、
特養老人ホームに入所させられる予定になっている。
と、いうのは、今、ヘルパーと、訪問入浴を頼んでいる料金より、安く済むからだ。
今のままでは家賃を払ったらとてもやっていけないのだ。
グルメになってしまったいねちゃんのために、エンゲル係数も高いわけで。
お母んは、いねちゃんを特養に入れるのなら、
この家に固執しすぎないほうがいいと言っていたが、
べに~はいねちゃんとお父んの因果関係を思うとそんなことは言えない。
だって、お父んにとっては、この家じゃなきゃダメなのだから。
べに~には、黙って見守ることしか出来ない。
べに~にとっても、この家は、安らげる場所であった。
人間関係で悩み続けていたあの頃、ひきこもりまではいかないが、
自分の部屋があるということでどれだけ助かったか知れない。
両親が離婚するときも、べに~を引き止めたのはこの家だった。
父親と、母親、どちらについていくかということより、
この家に住みたい気持ちが多かったような気がする。
いねちゃんが病気じゃなかったら、それはそれはショックに違いない。
だが、いねちゃんは、こうなることも考えていたに違いない。
これは残念なことだけど、目標を持って生きることはいいことだ。
だからこの家を買い戻すために働くのはいいことだと思う。
どんな状況でも幸せは見つけることが出来るから。
だからお父んはあまり自分を追い詰めないで欲しい。
お母んは身体を心配して言っているんだよ。
会社を経営するうちのお父んは、バブル崩壊後、莫大な借金を背負ってしまった。
あれから20年くらい経ったのか。
だいぶ借金は減ったものの、最近、取引先が低迷し、またもや苦しい状況に。
で、何もかも失くしてしまう前に、土地を売って、3年という条件付で、
この家には住まわせてもらう。もちろん家賃は払う。
3年の間に頭金をためて弟が買い戻す、という方法を実行することになった。
問題1、土地を売っても数百万は借金は残る。
問題2、3年後に買い戻せたとしても、35年ローンが終わる頃には築69年、
建て替えなければならなくなる年数である。
それでも買い戻さなければ気がすまない理由は、いねちゃんにある。
この家は、いねちゃんが寝ないで働いて買った家だからだ。
さらには、今まで何回か会社が危ない時には、
いねちゃんが貯めていたお金を貸したからだ。
だから、お父んにとっては、この家じゃなきゃダメなのだ。
いねちゃんは、このことを知らされずに、
特養老人ホームに入所させられる予定になっている。
と、いうのは、今、ヘルパーと、訪問入浴を頼んでいる料金より、安く済むからだ。
今のままでは家賃を払ったらとてもやっていけないのだ。
グルメになってしまったいねちゃんのために、エンゲル係数も高いわけで。
お母んは、いねちゃんを特養に入れるのなら、
この家に固執しすぎないほうがいいと言っていたが、
べに~はいねちゃんとお父んの因果関係を思うとそんなことは言えない。
だって、お父んにとっては、この家じゃなきゃダメなのだから。
べに~には、黙って見守ることしか出来ない。
べに~にとっても、この家は、安らげる場所であった。
人間関係で悩み続けていたあの頃、ひきこもりまではいかないが、
自分の部屋があるということでどれだけ助かったか知れない。
両親が離婚するときも、べに~を引き止めたのはこの家だった。
父親と、母親、どちらについていくかということより、
この家に住みたい気持ちが多かったような気がする。
いねちゃんが病気じゃなかったら、それはそれはショックに違いない。
だが、いねちゃんは、こうなることも考えていたに違いない。
これは残念なことだけど、目標を持って生きることはいいことだ。
だからこの家を買い戻すために働くのはいいことだと思う。
どんな状況でも幸せは見つけることが出来るから。
だからお父んはあまり自分を追い詰めないで欲しい。
お母んは身体を心配して言っているんだよ。