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東京大森のタイ料理店メーサイ

タイ料理レストランメーサイのオーナー、伊藤盛のブログです。

ラングナムの怪しい面々7 金欠男

2006年06月29日 | タイという国
いつものように(^^)・・唐突にバンコク滞在時代に戻る・・

バンコクでの生活も,慣れてくると色々な意味でだれてくる。

慣れてくる・・と,気楽に街を歩くようになり,
前は緊張して歩いた夜の街でも,のほほんと夜中まで飲んだりする
ようになるし,気軽にいろんなところに出かけていく。

舞踊酒場で飲む楽しみを覚えて,だんだんとバンコクの面白さも
わかり・・反面,繁華街のやらせ乞食やら,見せ物的奇形乞食に
この街の暗い面を見たり,アパートの近所の高架下に住み着く一家を
眺めて暗澹たる気持ちになったり。
そういう感受性も徐々にすり切れていって,ただの風景になってくる。

バンコクで暮らしたい,と云う日本人が多いけど,それはお金をある程度
自由に使えて毎日遊んでいられるなら,それは楽しいよ。
何か勉強とか仕事とか目的を持っている場合は,滞在時間が長くなってくると
飽きというか,だれるというか,中だるみを感じることも・・あるさ。

「あれ? 俺はここで何をやってんだろう・・」
などと思ってみたり。
とにかく暑いので日本と同じペースで動こうとすると,体がもたない。
ペース配分しないと。

同じアパートに住むユウイチ。
彼も丁度同じ様な状態になっていた。

彼の場合は,特にタイで何をしたいというよりも,とりあえず
行った事のある外国で暮らしてみたいと言うことだったらしい。
大学在学中にタイ語を第二外国語で選んでいたらしく,多少はタイ語に
馴染みもあった,というのがあったと思う。

ある日,ソーソートー近くのいつもの定食屋で,授業後の昼飯を食べていた。
イワさんが,
「今日,ユウイチさんいないでしょ。 なぜだか知ってる?」

・・・いや,知らないよ。 そういえば授業には出ていたね。

「彼,お金がなくなったみたいですよ。 実家に送金を頼んだみたいだけど。
 まだ届かないって。」

・・・え!! そういえば,もうお金がないとか言ってたね。
   そんなことになってたの。

でも,このあと彼とYWCA のタイ語学校では一緒のはずだ。
見に行きたいって言っていた。

YWCA に行くと,はたして元気のないユウイチがいた。

・・・なんか随分,ぎりぎりの生活みたいね。

「ええ,お恥ずかしいけど間違えちゃったみたい。
 こっちにきたら安く豪華な生活が出来ると思っていたんだけど,
 けっこう外国人にはお金がかかるねー。」

・・・大丈夫? とりあえずはなんとかなってるのかな。

ユウイチ,バックから食パンのでかい袋を取り出す。
「とりあえず,スーパーで激安のパンを買って,それでしのいでますよ。
 もうすぐお金が届くと思うから,それまでの辛抱ね。
 もう,あと数日分のバス代くらいしかないし。」

ユウイチが取り出したパンを,何もつけずに食堂の水で食べだしたので,
流石にこっちから切り出して,500バーツ札を渡した。
・・・とりあえず,よかったらこれでなんとかなるかな・・

「有り難うございます~」

後から聞くと,本当はこの時点でバンコクの東京銀行に,ユウイチあてで
送金は着いていたらしい。
ユウイチのタイ語がおかしかったのか,窓口の説明がおかしかったのか,
とにかく彼はまだ届いていない,とその時に思ってしまった。

「なんだっ,じゃあ窓口に行ったときに既にお金は着いていたんじゃないかぁ~
 眠れないくらいに落ち込んでたのに・・」

そうね・・タイでお金がないって悲しい状態だなぁ。
おそらく東京銀行の窓口タイ人の勘違いだったと思うんだけども。

自分だったらと思うと,なかなか笑えない。

「金貸して!」とも言い出さないで,安い食べ物持ち歩いて学校にも
来るんだから,良い根性してるなぁ・・
見直しました(^_^)




ぐるなびか、霊能力者か

2006年06月21日 | 独り言
うちには今、臨時のヘルプで霊能力者くんが働いてくれている。

もともとはウチの開店以来のお客さんなんだけども、かなり大事な友達に
いつの間にかなった。
で、カミさんが里帰りしていて、彼が仕事のインターバルで空白なので
「じゃ、うちでちょっとやる?」ってことで。

彼には特殊能力があって、逝ってしまった方々が見える。
で、そういう人たちのお手伝いもする。

ウチに来て、しばらくして、
「かなり汚れてるし(見た目じゃないですよ)、道を開けておかないと
 いけないからちょっと私が変な行動しても気にしないでね。」

・・あんたが変な行動するのは今に始まったことじゃないから、全然
  オッケーっすよ。

てなわけで、朝のガネーシャへの挨拶と、玄関周りのお清めと道付け?を
始めたらその日からお店がまともな売り上げ。
どれくらいかってーと、数値で言えば約4割増し。

やっぱりこの人、凄いのかな。
日頃、あっちの世界関係の悩みをタダで受けていて、時間を作っては
出かけて行く人なんだけど、はっきり言って信じていなかった・・
ちょっと見直したかな。

でも、ちょうどそのあたりでぐるなびも始めたし、その関係もあるかも・・

うーむ。
・・ま、いっか(^^)
好意で慣れない仕事して、疲れているだろうに、さらに色々やってくれてるんだから、
本当だろうと思いこみだろうと、その気持ちが嬉しいよね。
感謝であります。



タイの王様、60周年か・・

2006年06月18日 | タイという国
個人の望みを言うと虚しくなるだけなんだけど、タイの王様があと50年くらい
現役の王様でいてくれたらなぁ・・と(^^)
バンパイヤじゃないんだ、そりゃ無理だけど。

一体、この人がいなくなってしまったら、タイはどうなってしまうんだろうか。
激動期にこの人が王様でいてくれた事は本当に神様の配偶?
どうか、今しばらく元気でいて欲しいものである。
心から。

2000年の暮れ、バンコクのスカイトレインの工事はラストスパートを迎えていた。
王様の誕生日にどうにか開通の形を付けること、それを真剣に守ろうとしていた。

その一年前、スカイトレインの工事を年末つらつらと眺めた時・・
ラマ1世通りのスカイトレイン橋脚を見上げると、工事の人たちが橋桁に腰掛けて
足をぶらぶらさせて何か飲んでいた。
それは夕方近くだったけど、他の時間帯も多くの人が真面目に働いているところを
見たことがない。

ああ・・これは出来上がるのは後何年かかることやら、と思った。

それが2000年の暮れの工事ときたら、夜も不眠不休、いくつもの業者、電気工事屋、
配管、塗装屋、橋脚部の基礎仕上げやってる奴、周りの歩道の補修、
まるで蟻塚ふんだときの蟻全員出動状態。
その為に周りの道路の交通整理もおおわらわ。

ああ、タイ人もやるときはやるんだな。
王様の誕生日の為なら、エーンヤコーラ。
・・初めてタイ人の「真剣」を見たような気がした。

で、お正月に乗りましたよ・・スカイトレインにー

もう達成感でバンコク中お祭りみたいだったけど・・
スカイトレイン車内はあまり混んでいなくて・・
楽しいお二人に会えました(^^)





再び石臼

2006年06月13日 | タイ料理との関わり
しばらくブログに触る時間もなかった・・
てことで、前の話題の蒸し返し?(^^ゞ

以前にも書いたような気がするけど・・・

タイ料理はクロック(石臼)がないと,まともなものは作れない,と
言っても過言じゃない。

この現代に,根気よくコンコンコンコンとニンニクやらトウガラシやら
パクチの根やらを石臼で潰すのである。

むかーし,初めてタイ料理を教えてもらったとき,

「なんでこんな非効率な事をやんなきゃなんないんだろう・・」と
考えた。
今時,ジューサーやフードプロセッサーやらあるんだし,使えばいいじゃないか・・と。

実際に同じ材料を機械を使って作ってみた。
やっぱり同じ味に・・まったくならない。

ジューサーもフードプロセッサーも,刃の回転で材料を粉々に破砕する。
でも,完全に潰してペースト状にすることは出来ない。
破砕されたり切り刻まれた材料を使っても,食感も悪いし香りも出ない。

タイでこれを出来る機械が,以前は売られていたという。
でも,もう作られていない。
てことは,需要がない・・てことは使えなかった?

そんな機械を使うよりも,人件費の安いタイでは人がコンコンやる方が
好まれるわけだ。


ゲーンソム、ゲーン・ペッ、ゲーンキィオワーン、トムヤム、
カノムチーンナムギョウ、ガイヤーン、ソムタムのナムチン、
およそゲーンと名の付く数え切れないくらいのタイ料理が
このクロック(石臼)を使わないと美味しくは作れない。

ミャンマー料理もそうだ。
ミャンマー人の友達いわく・・
ミャンマーの家庭では、結婚相手の女性の家の台所の裏手に
こっそり相手の男が行って、奥さんになる人のクロックをコンコンする音を
聞いてからでないと、結婚しちゃいかーん、って教訓なのか冗談なのか
わからん話しがある。

それ、タイでも聞いた事があるぞー
まったく同じ内容だった(^^)

扱った経験のある人ならわかると思うけど、クロックの音を聞いていると
料理の上手、下手というか、経験度はすぐにわかる。
家庭でお母さんのお手伝いもろくにしない女と結婚するのはリスキーだぜ~と
いう教訓話しである。

でもこの作業、本当にきつい。
タイやミャンマーの料理屋さんの厨房では、若い下っ端が肘や肩の痛みを
我慢しながら大汗かきつつコンコンやってるわけです・・

もっとも、色んなインスタントペーストがタイでも日本でも出回っている
昨今、お手軽にそういうのを使っている店が大半・・
時代やね。


アオザイフォトコンテスト・・

2006年06月06日 | 独り言
今日、ある人からメールをいただいた。

なにやらアオザイフォトコンテストってなもんをやってると。

で、そこに懐かしい女性が載っていると。

http://forum.nifty.com/fworld/mekong/aodai/

おお~・・
ほんとに懐かしい人がアオザイを着てる!

写真では年をとらない、不思議な特技を持ってらっしゃるお方。
懐かしいなぁ。

パソコン通信、今は昔になりにけり。

病院事情いろいろ

2006年06月01日 | 独り言
特に暗くする気はないんだけども、のお話。
3日前の夜中、姉が脳梗塞らしき症状を自覚して、夜中に自分で救急車を呼んで
入院、となった。

翌日の朝、病院から電話があって、初めて知って、泡食って病院へ。
MRI検査の結果、軽い脳梗塞。
点滴でつまりを取る薬を入れていた。
2週間程度の入院が必要らしいが、明日からリハビリして、
特に後遺症が残ることもなかろう、とのこと。
・・一安心。

特に何かに文句があるわけではない。
しかし救急車呼ぶ前に電話くれてもいいじゃんか・・と言っても意味はないが。
気を遣ったのかもしれないし。

救急車の中で、隊員の方に聞かれたそうだ。

「どこか入りたい病院とか、おありでしたらそこに行きますよ。」

救急車ってタクシーなのか?(・_・?)
それだけ姉の様子に余裕があったってことなのかもしれないが・・

しかし、そういわれたからって、家からかなり離れた済生会中央病院に
連れていってくれって言う姉もかなりのもんである。

でも・・今回思った。
タイだったらどうなる?

脳梗塞や脳卒中やら・・緊急の時に救急車を呼んだら・・田舎だったら
どうなるのか。
どう考えてもこんな具合にはいかないだろうな。

家族がなんとかするだろう、と思う。
車を近所から借りるとかタクシー引っ張ってくるとか、
最悪バイクの後部座席にしばりつけて運ぶとかね(^^)

僻地は別にして・・日本って凄いなぁ、と思った瞬間でした。