せろふえ

チェロと笛(リコーダー)を楽しむおじさん

シューベルト アルペジョーネソナタ

2018年08月25日 | チェロ
 チェロを弾くというとアルペジョーネソナタを知っているかとよく聞かれる。もちろん知ってるけど、弾けませんよ。
 今はネットで検索すると、楽器としてのアルペジョーネのサイト(日本語)もあるし、画像が見える。「チェロの本」(E.カウリング 三木敬之 訳 シンフォニア)に載っているアルペジョーネの写真は間違って隣のと入れ替わっているようだ。30年以上前だろうか、シューベルトのアルペジョーネソナタが発掘されたのか、はやっていてやたらに耳にした。たいていはチェロでの演奏だったけれど、ヴィオラや、フルートの演奏も聴いたことがある。シュトルクというドイツのチェロ奏者が アルペジョーネで演奏した録音も現れたが、評判が芳しくなかったのをよく憶えている。(アルヒーフ、ネットで検索すると廃盤らしい)そのシュトルクを当時所属していた大学オケで、呼んで、ハイドンのチェロ協奏曲を共演(っていうか、伴奏ね)したのだ。チェロはなかなか良かったのだが、アルペジョーネは当然持ってきてなかった。
 ほとんどすべてのアマチュアチェリストにとって、アルペジョーネソナタ(シューベルト)はレパートリーじゃあないと思う。楽譜はベーレンライターの青い安いのが店に置いてあるので、見たことはあるかもしれないが。楽譜を見ると、いきなり、というか、ずっとト音記号だ。オクターブ下げたって、高すぎるし、やたらに密集したコードを弾くように書いてある。。アルペジョーネは6弦もあって、下からEAdgheとギターと同じ調弦が普通らしい。そうか、ギターと同じように、オクターブ高く記譜してあるのか。どちらにしたって、上にe線があるのだ、かなう(?)はずがない。
 鈴木秀美は5弦のチェロピッコロを使い、下の2本をEAにして(と言うことは上3本はdae)にして、弾いているらしい。AとEは特に3楽章で開放弦が何度も使われていて、効果的なのだと思う。(その後聴いた。3楽章の開放弦は特にCDで、ビンビンミシミシ(?)言っていて、面白かった。それにしても、開放弦の扱い。最初のaからもちろん開放弦なのだが、次の音に行く前に下の弦の共鳴を止める。この、共鳴をとめる動作がしょっちゅう行われるのだ。もうひとつは、弓の扱い。プロにはあたりまえだろうけれど、弾く場所の繊細なコントロール。指板の短い楽器の、広い駒と指板の間を幅広く押したり引いたり、移動している。ほぼ必ずアップボウは弓を向こうに直角に近く角度を変えて、ダウンよりたくさんの毛で弾いている。できない。できないけど、意識して練習しなければ、できるようになるはずがないよなあ。)
 5弦を買うこともないだろうし、やっぱり、僕には無縁、聞くだけの曲だ。