日本2-0カメルーン快勝オシム監督笑顔!先発3トップにも満足???
3万7240観衆の熱気が充満する会場に、歓声があふれた。まずはDF闘莉王だ。前半25分、MF遠藤の左FKを頭で合わせ、ゴール右隅に突き刺した。後半44分にはMF山瀬が日本代表通算900号の豪快ミドルでダメ押し。アジア杯代表からの落選組による2点で、オシム・ジャパンの対戦相手としては最強のFIFAランク16位のカメルーンを叩いた。
「カメルーンに勝ってしまいました」。会見の途中、突然おどけたオシム監督。その表情には充実感が漂った。
指揮官の笑顔は、勝利という結果だけが理由ではなかった。「3人の攻撃的なグループを別の3人と交代させる計画だった。しかし前半を見る限り先発の3人はかなりいいプレーをしていた」。前後半での完全交代計画を覆して、後半に継続起用を決断させた3選手の存在を口にした。
その3人とは、オシム・ジャパン初招集の大久保嘉、A代表初出場の前田、昨年6月以来の復帰の田中達からなる先発3トップ。「ある程度で交代の決断をしたが、代えた結果、少々残念な気持ちがあった」。3人が退いた後の試合展開は防戦一方。監督は、この3トップの効能を実感した。
3連覇を逃したアジア杯。決定力不足解消へ、日本が得意とする「組織」による戦いだけではなく、新たな『個』の登場が課題となった。「力をセーブせず、できることをやれ」と送り出されたのがこの3人。個性あふれる3人の個人技を生かしたスピードあふれる飛び出しは、決定機を何度も生み出した。「この試合は第2章。これまでとまったく違う本を書いたかのようだった」とオシム監督は表現した。
「カメルーンに勝ったから、日本が世界王者になったと錯覚するなら、振り出しに戻ったということ。CNNのような短いニュース速報で結果だけを見れば、錯覚するかもしれない。まだ十分ではない」。親善試合の勝利に浮かれてばかりはいられない。だが、2010南アフリカW杯へと向かうオシム・ジャパンの“第2章”は最高のストーリー展開だった。
ゴールを背にしながら、後ろが見えていたかのような技ありヘッドだ。闘莉王が前半25分に貴重な先制弾。身体能力の高いカメルーンの選手よりも高くジャンプして決めた。完全復活だ。
「自分は守りだけじゃない。攻撃も毎試合求められている。結果を残すことで進化できる。守るだけじゃ満足できない」
左ひざじん帯損傷で招集が見送られたアジア杯。準決勝・サウジアラビア戦での敗戦に「泣きそうになった」。苦しむ仲間をテレビで見ながら、何もできない自分を悔やんだ。
4月の代表候補合宿では調整方法をめぐってオシム監督に約8分間、説教されたこともあった。しかし信頼関係は崩れていない。オシム監督と話すたびに言われるのが「さらに上を目指せ」。その言葉を胸にリハビリをして、再び代表ユニホームに袖を通した。
「帰ってきたということをアピールしたかった」。守備でも、DF中沢と組んで完封ショー。攻守の核が、オシム・ジャパンの再始動を豪快に飾った。
サッカー=親善試合、日本がカメルーンに快勝 サッカー@エクスプレス
険しい表情でU―22世代のふがいなさを嘆く闘莉王 スポーツニッポン
闘莉王、復帰弾 A代表はカメルーンに快勝 キリンチャレンジカップ 中日スポーツ
J's GOAL- 日刊スポーツ
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