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このトチノキの果実は、昨年の晩夏に盛岡に行った際に、岩手県庁、盛岡地方裁判所前の通りの街路樹から落下していたもの。胡桃大の大きささで拾っておいたのだが、わたしは忘れかけていた。一部はカビが生えていたりぐじゅぐじゅになり、ままよと思い、庭の整理の際に鉢の中で土に埋めておいたら、急速にスッーと茎状のものが伸びてきた。その長さは20cm以上はある。上部に5枚の葉が掌状にひろがる(掌状複葉)。温帯の植物にとってこんな発芽の仕方も姿も珍しい。はじめはわたしも、目を白黒させて怪訝な気持ちでながめた。
トチノキと言えば、関東では外来品種の セイヨウトチノキ(マロニエ) が街路樹や公園でなんとなくピンクっぽいたいまつ状の花を鑑賞する樹木(ベニバナトチノキ)として植栽される。もちろん、トチノキはこちらの山林では自生せず、植生的には北の方になるだろう。
木の実として食べるには、相当程度、大木にならないとしょせん無理であるが、わたしはラフな樹幹、枝葉、樹形と、壮大な樹姿を想い起こしつつ育ててみようと思う。
撮影日時:平成26年 5月 9日(金曜日)
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