うざね博士のブログ

緑の仕事を営むかたわら、赤裸々、かつ言いたい放題のうざね博士の日記。ユニークなH・Pも開設。

面白い本と、悲惨な追想

2008年11月03日 06時19分18秒 | 活字中毒の日々、そして読書三昧
 ここ数日、秋冷の候が続く。庭にも常連の雀のほかに、派手な羽毛のジョウビタキを見かけるようになった。
 先日買いもとめた本、“日本共産党の戦後秘史” 兵本達吉 新潮文庫 になかなかにひき込まれて読んだ。記述の内容は荒っぽいが、日本共産党の内部の情勢が詳しく展開されていて、兵本さんの調査魔の気質で文章は進む。左翼政党のありえない無謬の体質と激しい政治闘争(理論闘争)と自己批判、除名問題、粛清。
 しかし、わたしが若い時から分からないままでいたことが、随分とわかってきた。気持の上で合点がいったものだ。
・日本共産党が触れられたくない武装闘争、交番襲撃、山村工作隊などの極左冒険主義の時代が朝鮮動乱時に北朝鮮を支援する後方撹乱戦術であったこと。
・なさけもなく党の活動方針は、戦前戦後を通じて外国であるソ連共産党中央委員会のコミンテルンの指示通りであったこと。そして、中共の毛沢東をはじめとする指導者の指示を鵜呑みにしていたこと。これはなんとも屈辱的な話である。現在、看板を掲げている、自主独立路線が性もなく最後に残された選択肢であったこと。
・現在の日本共産党は革命も前衛政党の綱領を捨て、市場社会主義を標榜していること。
・党組織の抜きがたい官僚的体質、民主集中制という言論統制が実態であること。
・日本共産党をはじめ左翼には要求することのみで、なんら産み出す苦労を感じずに推移してきたこと。ロシアの破たん・共産主義の終焉には、国内の革新都道府県、自治体の財政破綻にも共通する同根の問題があったこと。これは、マルクス経済学のみで判断してきた結果である。要するに無知だ。あるいは、芸術、哲学であれ文学であれなんであれ、カールマルクスの著作ですべて事足れりとする日本社会の風潮であったこと。

ちなみに参考資料として、極めて実証的なサイトはここ。
宮地健一のホームページ<共産党問題、社会主義問題を考える>

 難しい問題は素朴にとらえればいい。およそ100年間に、ロシア革命、ソビエト連邦共和国でレーニン、スターリンから崩壊までで国民6000万人を抹殺した。中国は特に文化大革命のころは2000万人を殺した。(余談だが、北朝鮮は朝鮮戦争時は別として金日成以後の食糧危機で多い年で300万人が飢え死にした。)
(ちなみに、またまた余談だが、太平洋戦争(正式には大東亜戦争)では日本人(軍人)300万人が戦死、沖縄上陸、本土への空襲、広島長崎への原爆投下で一般国民が30万人が死亡。)

 読了後の感想は、面白いけれど限りなく悲しい。

 ほかには、次のものがある。いづれ、感想を記していきたい。
  “六十一歳の大学生、父野口富士夫の遺した一万枚の日記に挑む” 平井一麥 文春新書
 “文藝別冊-総特集-吉本隆明-” 河出書房新社
 “論語と算盤” 渋沢栄一 角川ソフィア文庫
 “公明党・創価学会の野望” 平野貞夫 講談社+α文庫 
 “公明党・創価学会の真実” 平野貞夫 講談社+α文庫
 “虚像に囚われた政治家 小沢一郎の真実” 平野貞夫 講談社+α文庫
 “なにもかも小林秀雄に教わった” 木田元 文春新書
 “海馬 池谷祐二/糸井重里” 新潮文庫 
 文春単行本 ‘ゆらぐ脳’ で紹介されていた。これは現代の最先端科学である難しい脳科学の研究にまつわる話だが、未知の領域を率直でわかりやすく表現していこうとする跡がほの見える。
 
       
コメント
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