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萌えるゴミ

三丁目感想~淳之介と竜之介

2005年12月05日 | 舞台・映画・ツ氏
淳之介と竜之介

淳之介は大人の都合で振り回されて幸せとは言い難い日々を過ごして来たと思う。
普通なら当たり前に得られるものが得られなかった彼は感謝する心を持っている。
「ご飯を作ってくれてありがとう。」
「洗濯をしてくれてありがとう。」
10歳やそこらの子供からは到底出てこない言葉だと思う。けど大切なことだ。

はじめは厄介者だった淳之介に徐々に愛情を感じていく竜之介。
きっかけは彼が自分の小説のファンだから。
という単純なものだったけれど、淳之介の謙虚で純粋な心に惹かれたのだろうと思う。
家出をした淳之介に思わず平手が飛ぶも「赤の他人なんだから心配させるな」なんて意地っ張りを言うけれど、気持ちはしっかり彼に伝わっていたと思う。
淳之介は誰かにこんなに一生懸命怒られたことは無かっただろうな。

クリスマスに惚れた女に渡す指輪よりも(自分のことよりも。単純に指輪にはお金が足りなかったとしても)淳之介への贈り物を優先させ、サンタクロースまで演出してみせ、淳之介の喜ぶ顔を見て嬉しそうな顔をする竜之介。
万年筆と一緒にサンタクロースは居るんだ。
という子供らしい夢をプレゼントする所が竜之介の本来持っていた気質を垣間見たような気がした。

自分を主張することなく大人達に従ってきた彼が、あの父親の車から逃げ出す。
「何で戻ってきたんだ」
「お前を養うの大変なんだよ」
何度突き飛ばされても竜之介にしがみつく淳之介は知っていたんだ。
その台詞が竜之介の本心ではなく「自分の為」と思って言っている事を。
そして、誰が自分を愛してくれて必要としてくれているかを


早く3人でもう一度ライスカレーが食べられるとイイネ。


人と人との結びつきって心に心が触れ合う事だと思う。
男でも女でも大人でも子供でも。