ある「世捨て人」のたわごと

「歌声列車IN房総半島横断鉄道」の夢を見続けている男・・・ 私の残された時間の使い方など

私のメモ帳・・・映画「戦場のメリークリスマス」

2016年09月24日 | 映画

戦場のメリークリスマス - ウィキペディア

http://bit.ly/2d62oQT 

戦場のメリークリスマス
Merry Christmas, Mr. Lawrence
監督 大島渚
脚本 大島渚
ポール・メイヤーズバーグ
原作 ローレンス・ヴァン・デル・ポスト
製作 ジェレミー・トーマス
出演者 デヴィッド・ボウイ
坂本龍一
ビートたけし
トム・コンティ
配給 松竹、松竹富士、日本ヘラルド
公開 日本 1983年5月28日
イギリス 1983年8月25日
上映時間 123分
製作国  日本

日本英国オーストラリアニュージーランドの合作映画で、テレビ朝日製作の映画第1作でもある。1983年5月28日日本公開。

英国アカデミー賞作曲賞受賞。 

 Merry Christmas Mr Lawrence 1983
https://youtu.be/b7EZ3CWtunE

 FURYO (Merry Christmas Mr. Lawrence) FULL MOVIE FILM COMPLET FR
戦場のメリークリスマス フランス語字幕入り
こちらがオリジナル版より画質が良い
https://youtu.be/Ikl76VuS1ZY

日本語版があればいいのですが・・・。

概要

原作は、ローレンス・ヴァン・デル・ポストの『影の獄にて』 に収録された2作品、「影さす牢格子」(1954年)と「種子と蒔く者」(1963年)に基づいている。 作者自身のインドネシアジャワ島での、日本軍俘虜収容所体験を描いたものである。

第36回カンヌ国際映画祭に出品され、グランプリ最有力と言われたが受賞は逃した。

あらすじ

1942年日本統治下にあるジャワ島レバクセンバタの日本軍俘虜収容所で、朝鮮人軍属カネモト(ジョニー大倉)がオランダの男性兵デ・ヨンを犯す。日本語を解する俘虜(捕虜)の英国陸軍中佐ジョン・ロレンス(トム・コンティ)は、ともに事件処理にあたった粗暴な軍曹ハラ(ビートたけし)と奇妙な友情で結ばれていく。

一方、ハラの上司で所長の陸軍大尉ヨノイ(坂本龍一)は、日本軍の背後に空挺降下し、輸送隊を襲撃した末に俘虜となった陸軍少佐ジャック・セリアズ(デヴィッド・ボウイ)を預かることになり、その反抗的な態度に悩まされながらも彼に魅せられてゆく。

同時にカネモトとデ・ヨンの事件処理と俘虜たちの情報を巡り、プライドに拘る空軍大佐の俘虜長ヒックスリー(ジャック・トンプソン)と衝突する。東洋と西洋の宗教観、道徳観、組織論が違う中、各人に運命から届けられたクリスマスの贈りものが待っていた。

作品解説

第二次世界大戦をテーマにした戦争映画でありながら、戦闘シーンは一切登場しない。また、出演者はすべて男性という異色の映画でもある。撮影はクック諸島ラロトンガ島で行われた。

ハラ軍曹らに見られる当時の日本軍による捕虜に対する扱いや、イギリスなどにおける障害者への蔑視行為やパブリックスクール寄宿制名門校)におけるしごきなど、歴史の闇の部分も容赦なく描いている。

配役

当初、ハラ軍曹役には緒形拳勝新太郎がキャスティングされていたが、緒形はスケジュールの都合、勝とは脚本の変更を要求したため折り合いがつかず、ビートたけしに変更となった。ヨノイ大尉役も三浦友和沖雅也滝田栄沢田研二友川カズキらが予定されていたが、各々スケジュールなどが合わず、坂本がキャスティングされた。また、セリアズ役にもロバート・レッドフォードや、映画監督フランシス・フォード・コッポラの甥で当時高校生だったニコラス・ケイジ等にオファーをしていたが、両者とも断ったため、セリアズ役はデヴィッド・ボウイが演じる事となった。

演技

台本をまったく覚えずに現場入りした坂本は当然上手くセリフが言えず、絶対に監督から怒られるシチュエーションを自ら作ってしまったが、監督はなぜか相手役に「お前がちゃんとしないから坂本君がセリフ話せないんだろう!」と怒ったという。この監督の一種の配慮により、たけしと坂本は無事クランクアップを迎えることができた。

演技についてたけしは、「NGは監督からほとんど出されなかったけど、代わりにアフレコはさんざんやらされた」と語っている。これは、監督からオファーを受けた際「自分は漫才師であり、俳優でありませんから、きちんとした演技はできません」と前もって伝えていたことから、監督なりの配慮がされた結果と言える。加えてたけしがNGを出すと、代わりに脇にいた助監督が叱られたというエピソードが残っている。

当時、たけしと坂本は、2人で試写のフィルムを見て、たけしが「オレの演技もひどいけど、坂本の演技もひどいよなぁ」と語りあい、ついには2人でこっそりフィルムを盗んで焼こうという冗談を言い合ったという。また監督の大島渚はできない俳優を激しく叱責することで有名だったため、たけしと坂本は「もし怒られたら一緒にやめよう」と約束をしていた。

演出

作品の終盤、反抗的な俘虜長を処刑しようと日本刀を抜いたヨノイ大尉(坂本龍一)に、セリアズ英軍少佐(デヴィッド・ボウイ)が近づき頬にキスをするシーンで、画面が微妙に揺れ動いているが、これは意図して行った演出ではなく撮影機材の故障により偶然生じたものであった。その後に撮り直したものと比較して、画面が微妙に動く前者の方が心理描写を的確に表現できているとしてこれを採用した。後に大島渚監督は「奇跡だよ」と周囲に語ったという。

たけしがドアを開けるシーンで散々リハーサルするもタイミングが上手く行かず、ついに監督が怒り出し、「このタイミング!このタイミングがこの映画で一番大事なんだ!」と怒鳴るものの、本番直前にドアは壊れてしまう。仕方なくドアなしで撮ったが、直後にドアが壊れた件について監督が「え?何?ドア?あんなのどうでもいいんだ!」と答えて、たけしは呆然となったという。

反響・評価

試写会で自分の演技を見たたけしは、「自分の演技がひどすぎる」と滅入ってしまったが、共演の内田裕也やジョニー大倉は「たけしに全部持ってかれた」とたけしの存在感に悔しがったという。一方で、大島は周辺に「たけしがいいでしょう」と漏らし、同席した作家・小林信彦に、滅入っているたけしを褒めるよう要請している。後にたけしは「すぐれた映画監督というのは、その俳優が一番見せたくない顔を切り取って見せる人を言うんじゃないかな?」と、自分の演技を引き合いに大島監督の力量を絶賛した。

後日、ビートたけしは「坂本もオイラもこの映画に客観的に参加していた、映画がこけちゃえばいいとさえ思っていた。ほかの役者のように大島監督からエネルギーを吸い取られるようなことはなかった」と語った。

考察

日本人がメガホンを取った戦争映画ながら、表面的なメッセージ性は薄い。しかし、日本軍の捕虜への待遇と、その根底にある日本独特の「武士道」、「神道仏教観」や「皇道派二・二六事件」、明治以降の日本人が抱いた強い欧米へのコンプレックスと憧憬[6]、そして、英国人・欧米人にある「エリート意識・階級意識」、「信仰心」、「誇り」、「死と隣り合わせのノスタルジア」(弟の歌う 「Ride Ride Ride」の曲にのって描かれる、故国の田園居宅の「バラ」)などがより尊く描かれ、また、それを超えた友情の存在とそれへの相克がクライマックスにまで盛り上げられていく。

また、後期の大島作品に底流する「異常状況のなかで形作られる高雅な性愛」というテーマも、登場人物らの同性愛的な感情として(婉曲的ながら)描写されている。

エピソード

  • 資金集めが難航し、製作に漕ぎ着けるまでに時間を要した。
  • ビートきよしも俳優として撮影に参加しているが、すべてカットされた。これは、きよしが言う予定だった台詞を別の役者によって撮影してしまった為である。
  • 当時、坂本と同じ事務所に勤務し坂本の付き人をしていたピーター・バラカンが、捕虜役のエキストラとして出演している(「サウンドストリート」1982年放送から)。
  • 当時はまだ無名の俳優だった三上博史が日本兵役として出演している。
  • たけしは、スケジュールの関係でほかのスタッフらより早く撮影を終えてロケ地より帰国したことから、映画の情報をネタとして「ビートたけしのオールナイトニッポン」などで流布した。一例を挙げると、大島が撮影に使ったトカゲが演出意図どおりに動かないことに腹を立て「お前はどこの事務所だ!」と怒鳴りつけたことや、差し入れのうな重をたけしらが食べてしまったことに坂本が腹を立て、かわりにたけしが手配したうな重を涙を浮かべながら食べていた、などである(後に坂本とたけしの対談で、「あの時俺は泣いていなかった」、「いや泣いていただろ」といったやりとりがあり、あのような状況は食事の話題が異様になると結論づけた)。
  • カンヌ映画祭受賞作の発表前日に、スポーツ新聞社の記者が「明日の朝刊に間に合わないから、今、受賞したという前提で喜びの写真を撮らせて欲しい」とたけしを訪れた。翌朝、そのスポーツ新聞には、たけしの写真の横に大きな文字で「たけし ぬか喜び」と書いてあった。たけしは、自身がパーソナリティーを務める深夜放送ビートたけしのオールナイトニッポン』で、このことをネタに自嘲気味にトークをした。
  • ラストでたけしがアップになり「メリークリスマス、ミスターロレンス」と言うシーンについて、後に『オレたちひょうきん族』でたけしは「オレのあの顔で世界が泣いたんだぜ」と自慢した。しかし、片岡鶴太郎にはそのシーンをちゃかされ、明石家さんまには「世界は泣いたか知らんがな、オレは笑ったわ!」と言われ、ネタにされた。たけしが出演していた『オレたちひょうきん族』のコーナー、「タケちゃんマン」でも、「戦場のメリーさんの羊」というパロディコントが放送され、カンヌ映画祭で受賞を逃したところまでネタにしていた。
  • 撮影中、坂本龍一がたけしの部屋を訪ねると、真っ暗な部屋の中のベッドで、天井までとどくかというほど本を積み上げて勉強するたけしの姿に出くわすという場面があった。
  • メイキング映像の製作も企画されたが、デヴィッド・ボウイが拒否したことから、大島も許可しなかった。

関連項目

外部リンク


コメントを投稿