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ヘブライ語アルファベット

2015年03月13日 | 好きな歌

ヘブライ文字 

ヘブライ語アルファベット入門
日本語で解説

 講師

阿部 望
1991年ヘブライ大学人文学部ヘブライ語学科修士課程修了。
日本ヘブライ文化協会副理事長、「銀座ヘブライ語講座」「お茶の水ヘブライ語講座」「横浜ヘブライ語講座」等、多数のヘブライ語講座を主宰。
獨協大学国際教養学部言語文化学科非常勤講師。
著書に『現代ヘブライ語辞典』『ヘブライ語入門』『わかるユダヤ学』(いずれも共著)などがある。


出典 ヘブライ文字

現代ヘブライ文字の基本字母22字は、以下の通り。

(記号(ニクード)によって区別される子音の内、重要なものは、背景を黄色で示す。)

数価字母語末形音価名称
1 א   /ʔ/声門破裂音 alef アレフ
2 ב   /b/ 又は [v] bet ベート
3 ג   /g/ (又は [ɣ] gimel ギーメル
4 ד   /d/ dalet ダレット
5 ה   /h/ he ヘー
6 ו   /v/ vav ヴァヴ
7 ז   /z/ zayin ザイン
8 ח   /x/ chet ヘット
9 ט   /t/ tet テット
10 י   /j/ yod ヨッド
20, 500 כ -ך /k/ 又は [x] kaf カフ
30 ל   /l/ lamed ラメド
40, 600 מ -ם /m/ mem メム
50, 700 נ -ן /n/ nun ヌン
60 ס   /s/ samech サメフ
70 ע   /ʕ/有声咽頭摩擦音 ayin アイン
80, 800 פ -ף /p/ 又は [f] pe ペー
90, 900 צ -ץ /ʦ/ tsadi ツァディー
100 ק   /q/無声口蓋垂破裂音 kof コフ
200 ר   /r/ resh レーシュ
300 ש   /ʃ/(又は /s/ shin シン
400 ת   /t/ tav タヴ

注意

  • /q//k/ より奥の音である。
  • アインは多くの話者は無音、あるいはアラビア語よりも接近した喉頭音で発音する。

ベートカッフペーには二つの音が当てられており、これは文字の位置と母音による。母音記号が使われた時、硬音 /b/ /k/ /p/ダゲッシュと呼ばれる内部の点で示され、軟音 /v/ /x/ /f/ は点が無い。/x/ 音は普通ヘットと同音で、ベート/v/ 音はヴァヴと同じである。

シンの2音は同様には区別されていない。[ʃ] 音のほうが非常に一般的である。母音記号をつけた文章内では上の点で区別されている。[s] 音はサメフと同音である。

テトとタヴはともに [t] である。

コフはアラビア語に近い、古い [q] 音を保持する者を除き、[k] と発音する。

レーシュは伝統的には有声口蓋垂摩擦音だが、現代のイスラエルに移住する前に住んでいた地域により歯茎ふるえ音歯茎接近音などでも発音する。

ヘブライ文字には、ך ם ן ף ץという5つの語末形があるが、そのヘブライ語の語末形のことを「ソフィート」という。すなわち、ךは「カフ・ソフィート」、םは「メム・ソフィート」、ןは「ヌン・ソフィート」、ףは「ペー・ソフィート」、ץは「ツァディー・ソフィート」という。

記号(ニクード)

ヘブライ文字には、子音を区別したり、母音を表現したりするための、ニクード(ニクダー)と呼ばれる記号がある。これらは通常の表記には用いられず、教育・説明用のテキストでのみ用いられる。

主な用法を以下で説明する。

子音用

子音の区別に用いられるニクードは、2〜3種類程度あるが、現代の弁別において重要なのは、事実上、ダゲッシュと呼ばれる中点「ּ」のみ、それも「ב」(bet) と、「כ , ך」(kaf) と、「פ , ף」(pe) の3文字に付く場合のみである。

ダゲッシュ「ּ」がこれらの子音字に付くと、「破裂音」、すなわち /b/ /k/ /p/ をそれぞれ表す。したがって、付かない場合は、もう一方の /v/ /x/ /f/ を表すことになり、区別される。

字母ダゲッシュ「ּ」ありダゲッシュ「ּ」なし
ב (bet) /b/ /v/
בּ ב
כ , -ך (kaf) /k/ /x/
כּ , -ךּ כ , -ך
פ , -ף (pe) /p/ /f/
פּ , -ףּ פ , -ף

なお、子音区別の記号(ニクード)で、もう一つ特徴的なものとして、「ש」(shin) の左上や右上に付いて、/ʃ//s/ を区別する点がある。一応取り上げておくが、しかし、現代においてはこれらの区別はあまり意味を持たない。

字母左上点「ׂ右上点「ׁ
ש (shin) /s/ /ʃ/
שׂ שׁ

母音用

母音の表現は、形式上は長母音、短母音、最短母音などの区別があるが、現代においては、母音の長短は区別されない。/a/ /i/ /u/ /e/ /o/ の5母音の区別を押さえておけばいい。

表記の前後関係で細かな例外はあるが、基本的な記号の用法を以下に示す。大まかな傾向を書いておくと、横棒(ַ)はア /a/、点1つ(ִ)はイ /i/、中点(ּ)や斜め点(ֻ)はウ /u/、横2点(ֵ)はエ /e/、近左上点(ֹ◌)はオ /o/、といった格好になる。また、かつての最短母音は、それらの右脇に縦2点のシュヴァー(ְ)を添えて表現したので、現在でもそのような記号が見られる。

なお、下掲のように、母音の表現には、かつての長母音表記の名残りで、記号のみならず「י」(yod) や「ו」(vav) といった字母が、補助的に用いられることもある。

音価表記
長母音短母音最短母音shva
/a/ ָ ַ ֲ  
/i/ י ִ ִ    
/u/ וּ◌ ֻ    
/e/ ֵ (י ֵ) ֶ ֱ ְ
/o/ ֹ◌ (וֹ‌◌) ָ ֳ  
/-/       ְ

 


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