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疑似科学  ウィキペディア(4)・・・批判・疑似科学と悪徳商法

2015年09月17日 | 好きな歌

疑似科学への批判

疑似科学は学界・一般社会の双方に悪影響があるものとして批判されている。その一方で、疑似科学批判を行う者が十分な論証や検討(例えば1990年以降のアメリカにおける臨床比較実験に基く代替医療の吟味のように)を示さず、非科学的・非論理的な「批判」を行うことがあり、これは疑似科学批判としても問題があると指摘されている。それによれば、検証・論証を抜きにした頭ごなしの否定は、否定された疑似科学の主張があたかも真正ながらも不遇の学説であるかのように語られるという、批判者の側からすれば逆の反響を生むことがある。

学界における批判

疑似科学の弊害

疑似科学の存在によって、無名の研究者が新規性のある成果を発表した際に正しい評価を受けられず、「疑似科学」の一種として片付けられてしまうという弊害が指摘されている。

ソーカル事件

一部の学識者においては、自身の権威付けだけの為に科学的な専門用語をもともとの意味を無視して出鱈目に用いる傾向が指摘されている。

よく知られているのは、物理学者のアラン・ソーカルがこのような事態への批判として科学用語を敢えて出鱈目に使用した「疑似哲学論文」を作成し、ポストモダン系の人文学評論誌『ソーシャル・テキスト』に投稿したところ編集者がニセ論文と見抜けずに見事に載録されてしまった(1996年)ことに端を発する「事件」である。

ソーカルはその後数理物理学者ジャン・ブリクモンとともに『「知」の欺瞞』(原題:Fashionable Nonsense)を発表し、ポストモダンないしいわゆるフランス現代思想に対し、「用語の本当の意味をろくに気にせず、科学的な(あるいは疑似科学的な)用語を使って見せる」、「人文科学のあいまいな言説に数学的な装いを施して『科学的な』体裁をつくり出すための絶望的な努力」をしていると批判している。

これに対しポストモダンにおける科学は比喩に過ぎないという反論もあったが、ソーカル等はジャック・ラカンブルーノ・ラトゥールによる「自身の科学的記述は比喩でない」という趣旨の発言のある事を指摘し、同時に彼らの言っている「科学」や「数学」が「あまりにも荒唐無稽」である事を指摘している。

なお比喩に関しては、ソーカルらは比喩や詩的表現そのものは批判しておらず、「簡単な事を難しく言うために」こうした表現を用いることを批判している。

社会的な観点からの批判

疑似科学と悪徳商法

疑似科学は悪徳商法と親和性が高く、例としては金融工学ミクロ経済学に誤った文脈を与えて騙る詐欺やねずみ講連鎖販売取引(MLM)、あるいは「イオン」などの科学用語を誤用した、あるいはそうした語彙で意図的に粉飾した工業製品が販売されることがある。疑似科学を用いる者には法的には悪意の者(自分で説いている説明が科学的でないことを承知の上で非科学的な説明をして相手に何らかの不利益を与えようとしている者)もいれば善意の者(自らも信じており、それが非科学的とは思っていない者)もいる。

また同様に疑似科学は、偽医療の分野に親和性が高く、療法の根拠として使われることがある。世間に広く知れ渡っている医学的俗説の中には、医学的な正当性がないにも拘らず医師がこれを信奉しているものもあるため、不適切な医療行為の原因になる恐れが指摘されている。

「ニセ科学批判」

疑似科学の社会的な悪影響を問題視する場合に、ニセ科学という表現が使われることがある。

悪徳商法の手段となっている疑似科学を強く批判し、被害の発生阻止を企図する活動を「ニセ科学批判」と自称・呼称する者もいる。こういった活動の中には名誉毀損や営業妨害として法的紛争に発展するケースもあり、「ニセ科学批判」は一定のリスクを伴う行為であるといえる。 一般的に「学者」というと権威的なものと見がちであるが、専門誌などに学術論文を発表し、研究結果が実証されるのはごく限られた一握りで、大多数の学者や医者などは日々の単調な診療や研究の業務に忙殺されている。見解や討論になると職業的な立場から専門知識を用いた難解で無味乾燥な説明になる側面がある。

疑似科学とみなされる事が多いもの

科学者の不正行為によるもの

科学者による不正行為、例えばデータの捏造などによりデッチあげられ、科学雑誌・専門誌などで流布したウソの知識というのは疑似科学であるとマイケル・フリードランダーらによって指摘されている。

例えば、ジョン・ダーシーという医学研究者は、エモリー大学とハーバード大学の医学部に籍を置いていたが、ダーシーが基本的なデータを捏造していることに、同僚数名が1981年に気づいた。ハーバードの科学者たちは、ダーシーを傑出した才能の持ち主と考え、彼についてなされた告発を頭から否定していた、という。この件は『ネイチャー』において、ウォルター・スチュアートとネッド・フェダーによって告発された。別の事例では、スティーヴン・ブローニングは、知的発育の治療のための医薬品についての研究について連邦研究資金の申請を行った際にデータを偽造したことで訴追され、罪を認めた。実験室を訪問した者が、個別のテストの値がどれもあまりに一致していたことから疑問を抱き、国立精神衛生研究所(NIMH)の調査により、ブローニングが実験結果を自分ではよく承知していたうえで、データをねじ曲げていたことが突き止められた。

実際にはこのような事例が非常に多数存在するのである。

マーティン・ガードナーが1950年ころ『奇妙な論理』で挙げたもの

1952年の著書[26]で言及されているもの。近年における根拠に基づいた医療の提唱以前のものである点に注意が必要である。


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