ある「世捨て人」のたわごと

「歌声列車IN房総半島横断鉄道」の夢を見続けている男・・・ 私の残された時間の使い方など

「洞窟の女王」の記事の一部・・・第3章の「ギリシャ語」の部分

2013年11月01日 | 好きな歌

洞窟の女王(英語) The Project Gutenberg EBook of She
英語の原書の電子ブック(グーテンブルグ計画)
 

世界大衆文學全集第二十八卷『洞窟の女王 ソロモン王の寶窟』(訳:平林初之輔 (1892-1931年)改造社 (昭和三年七月一日印刷,昭和三年七月三日發行)

インターネット・アーカイブ


 「洞窟の女王」1935の抜粋(ハイライト)
http://www.youtube.com/watch?feature=player_embedded&v=kTi2pWzzHSU 

 SHE(1935)
アッシャとレオ(ハイライト)
http://www.youtube.com/watch?v=mqD7pkVyoOw&feature=player_embedded 

  She demonstrates her power
http://www.youtube.com/watch?v=MFFPYjsbt9A&feature=player_detailpage 


 こちらはオーディオブックです。

She by H. Rider Haggard (FULL Audiobook)
「洞窟の女王」の原文(英語)のオーディオブック 11時間36分13秒
She by H. Rider Haggard (FULL Audiobook)

オーディオブックはYouTubeサイトです。
音声は再生できますが、動く動画ではなく、静止画像に音声だけのファイルです。
Introduction(序)から最終章(第28章)まで、連続して音声を楽しむことが出来ます。再生時間:11時間36分13秒

 


 

 

 「洞窟の女王」第3章・・・アメナルタスの壺 THE SHERD OF AMENARTAS (2)

以下は「洞窟の女王」の記事の一部です。

ギリシャ語の他に、さまざまな文字が使われています。そのため、ブログへのコピーがうまく出来ません。

その箇所を世界大衆文學全集第二十八卷『洞窟の女王 ソロモン王の寶窟』(訳:平林初之輔 (1892-1931年)改造社 (昭和三年七月一日印刷,昭和三年七月三日發行)から、残りの文を、そのまま転記させて頂きます。文字の解決が出来た時点で、訂正します。

以下が 世界大衆文學全集第二十八卷『洞窟の女王 ソロモン王の寶窟』(訳:平林初之輔 (1892-1931年)改造社 (昭和三年七月一日印刷,昭和三年七月三日發行)からの転用です。

72. これで、署名も日附もない手紙はあわたゞしくもしまひになつてゐた。

 

「それをどうしますかね、おぢさん」とレオは手紙を卓子《テーブル》の上に置きながら言つた。 「吾々神祕をさがしてゐましたが、どうやら一つ見つかつたやうですね。」

 

「どうするかつて?かはいさうに、お前さんのお父さんは氣が狂つてゐたに決つてゐるぢやないか」と私は答へた。 「二十年前に、あの男が私の部屋にはひつて來た晩から私はさいぢやないかと思つてゐた。かはいさうに、 あの男が自分の死期をはやめたんだつてことはお前にもわかつたね。こりやもう全くの囈語《たはごと》だよ。」

 

「そのとおりでございますとも!」とジョッブは鹿爪らしく言つた。ジョッブは實際家の中でも模範的な實際家であつた。

 

「では兎に角壺の破片に何が書いてあるか見よう!」と言ひながら、レオは父親の自筆の飜譯をとりとり上げて讀みはじめた。

 

73. 「吾は埃及《エジプト》王家の出にて、神々にいつくしまれ、惡魔を從ふる、イシスの僧カリクラテスの妻アメナルタスなり、 死するの臨みて吾が幼な兒チシステネスに書きのこす。吾は、戀のために誓を破りたるおん身の父とネクタネベス王の治下に埃及《エジプト》を逃れ、 海を渡りて南の方に赴き朝日に面せるリビアの海岸を二年の間放浪せり。そこにはとある河の邊《ほとり》に、 エチオピア土人の顏に似たる巨巖あり。大河の河口より水上に流轉すること四日にして、或る者は水に溺れ、 或る者は病の爲に死したり。されど吾等二人は、蠻人につれられ、海鳥空をおほうて飛ぶ荒野又は沼地を過ぎて、十日の後、 とある空洞《うつろ》の山に着きぬ。この山は古昔《こせき》大都市のありしあとにて世の人のいまだ終端《はし》を見しことなき洞窟あり。 蠻人等は吾等を彼等の女王の前につれゆきたり。彼等はその時異國人の頭に壺をのせゐたり。 女王は全知全能の魔法使ひにて、永劫不死の生命と美しさとをもてり、女王はおん身の父カリクラテスの戀慕の眼差を送り、 吾を殺して彼を夫となさんとしたれど、おん身の父は吾を愛して女王を恐れて、命に從はざりき。ついで女王は、 氣味惡き魔術を用ゐて、吾等を恐ろしき道をとほりて巨大なる豎穴のそばへつれゆきたり。 その入口には年老いたる仙人死して横たはりゐたり。女王は吾等にうづまき燃ゆる不死の命の柱を指し示せり。 そのうづまく響は萬雷の如く耳を聾せんばかりなりき。女王が焔の中に立ちて、 出で來たる姿を見れば身に寸分の傷もなく却つて美しさを増せるかと思はれたり。女王は、 おん身の父もし吾を殺して女王になびけば、おん身の父をも女王と同じく不死の身となさんと誓へり。 そは吾は吾が國の魔法を知りて女王の魔法に逆らひたる故に女王は自ら吾を殺す能はざりし故なり。 おん身の父は手をのばしておのが眼をおほひ、女王の美しさを見えざるやうにし、なほも命に從はざりき。 女王は怒りて魔法をもつておん身の父を殺したれど、いとしさに堪へかねて泣きふし、今は悲しみに沈みをれり。 女王は吾をおそれて大河の入口に吾を送れり。そこは船着場なりしかば、やがて吾は船に乘せられ、 船中にておん身を産み、諸方を漂流せるのち、アテンに來れるなり。吾が兒チシステネスよ、いま吾おん身に言はん。 この女を探し出して生命の祕法を學び、能ふべくんば、おん身の父のためにこの女を殺すべし。 おん身若しこれをおそおれ、或は失敗するときは、吾はこのことをおん身の後に來る子々孫々に言ひのこすものなり、 やがてその中より勇敢なる人出でゝ火に浴し、國王《ファラオ》の位置に坐すまで。吾が言ふこと、信じ難く思はるれど、 吾はそれを知れり。吾は虚《いつはり》を言はず。」

 

74. 「勿體ない、神樣どうぞこの女の方を許して下さるやうに」と、口をあけてこの驚歎すべき文章をきいてゐたジョッブは呻いた。

 

75. 私は何も言はなかつた。はじめに、私はこれは、 あのかはいさうなヴィンシイが、氣が變になつたときにすつかりこんな話をつくりあげたのだらうと思つたが、 それにしては、こんな話は誰にだつてつくれさうにないやうに思はれた。あまりにそれは竒拔だつた。 私は自分の疑《うたがひ》をとくために、壺片をとり上げて、その上にぎつしり書いてある楷書體の希臘《ギリシヤ》文字を讀みはじめた。 それは埃及《エジプト》生れ人の筆になつた文章としてはその當時甚だ立派な希臘《ギリシヤ》文であつた。それから、 なほもよくしらべて見ると、英文の飜譯は、正確な名文であることがわかつた。

77. The general convenience in reading, I have here accurately transcribed this inscription into the cursive character. 

Ἀμενάρτας, τοῦ βασικοῦ γένους τοῦ Αἰγυπτίου, ἡ τοῦ Καλλικράτους Ἴσιδος ἱερέως, ἣν οἱ μὲν θεοὶ τρέφουσι τὰ δὲ δαιμονια ὑποτάσσεται, ἤδη τελευτῶσα Τισισθένει τῷ παιδὶ ἐπιστέλλει τάδε· συνέφυγον γάρ ποτε ἐκ τῆς Αἰγυπτίας ἐπὶ Νεκτανέβου μετὰ τοῦ σοῦ πατρός, διὰ τὸν ἔρωτα τὸν ἐμὸν ἐπιορκήσαντος. φυγόντες δὲ πρὸς νότον διαπόντιοι καὶ κʹδʹ μῆνας κατὰ τὰ παραθαλάσσια τῆς Αιβύης τὰ πρός ἡλίου ἀνατολὰς πλανηθέντες, ἔνθαπερ πέτρα τις μελάλη, γλυπτὸν ὁμοίωμα Αἰθίοπος κεφαλῆς, εἶτα ἡμέρας δʹ ἀπὸ στόματος ποταμοῦ μεγάλου ἐκπεσόντες, οἱ μέν κατεποντίσθημεν, οἱ δὲ νόσῳ ἀπεθάνομεν· τέλος δὲ ὑπ᾽ ἀλρίων ἀνθρώπων ἐφερόμεθα διὰ ἐλέων τε καὶ τεναλέων ἔνθαπερ πτηνῶν πλῆθος ἀποκρύπτει τὸν οὐρανὸν, ἡμέρας ί, ἕως ἤλθομεν εἰς κοῖλόν τι ὄρος, ἔνθα ποτὲ μεγάλη μὲν πόλις ἦν, ἄντρα δὲ ἀπείρονα· ἤγαγον δὲ ὡς βασίλειαν τὴν τῶν ξένους χύτραις στεφανούντων, ἥτις μαλεία μὲν ἐχρῆτο ἐπιστήμη δὲ πάντων καὶ δὴ καὶ κάλλός καὶ ῥώμην ἀλήρως ἦν· ἡ δὲ Καλλικράτους τοῦ πατρὸς ἐρασθεῖδα τὸ μὲν πρῶτον συνοικεῖν ἐβούλετο ἐμὲ δὲ ἀνελεῖν· ἔπειτα, ὡς οὐκ ἀνέπειθεν, ἐμὲ γὰρ ὑπερεφίλει καὶ τὴν ξένην ἐφοβεῖτο, ἀπήγαγεν ἡμᾶς ὑπὸ μαγείας καθʹ ὁδοὺς σφαλερὰς ἔνθα τὸ βάραθρον τὸ μέγα, οὗ κατὰ στόμα ἔκειτο ὁ γέρων ὁ φιλόσοφος τεθνεώς, ἀφικομένοις δʹ ἔδειξε φῶς τοῦ βίου εὐθύ, οἷον κίονα ἑλισσόμενον φώνην ἱέντα καθάπερ βροντῆς, εἶτα διὰ πυρὸς βεβηκυῖα ἀβλαβὴς καὶ ἔτι καλλίων αὐτὴ ἑαυτῆς ἐξεφάνη. ἐκ δὲ τούτων ὤμοσε καὶ τὸν σὸν πατέρα ἀθάνατον ἀποδείξειν, εἰ συνοικεῖν οἱ βούλοιτο ἐμὲ δε ὰνελεῖν, οὐ γὰρ οὖν αὐτὴ ἀνελεῖν ἴσχυεν ὑπὸ τῶν ἡμεδαπῶν ἣν καὶ αὐτὴ ἔχω μαγείας. ὁ δʹ οὐδέν τι μᾶλλον ἤθελε, τὼ χεῖρε τῶν ὀμμάτων προίσχων ἵνα δὴ τὸ τῆς γυναικὸς κάλλος μὴ ὁρῴη· ἔπειτα ὀργισθεῖσα κατεγοήτευσε μὲν αὐτόν, ἀπολόμενον μέντοι κλάουσα καὶ ὀδυρμένη ἐκεῖθεν ἀπήνεγκεν, ἐμὲ δὲ φόβῳ ἀφῆκεν εἰς στόμα τοῦ μεγάλου ποταμοῦ τοῦ ναυσιπόρου, πόδδω δὲ ναυσίν, ἐφʹ ὧνπερ πλέουσα ἔτεκόν σε, ἀποπλεύσασα μόλις ποτὲ δεῦρο Ἀθηνάζε κατηγαγόν. σὺ δέ, ὦ Τισίσθενες, ὧν ἐπιστέλλω μὴ ὀλιγώρει· δεῖ γὰρ τῆν γυναῖκα ἀναζητεῖν ἤν πως τῦ βίου μυστήριον ἀνεύρῃς, καὶ ἀναιρεῖν, ἤν που παρασχῇ, διὰ τὸν πατέρα Καλλικράτους. εἐ δὲ φοβούμενος ἢ διὰ ἄλλο τι αὐτὸς λείπει τοῦ ἔργου, πᾶσι τοῖς ὕστερον αὐτὸ τοῦτο ἐπιστέλλω, ἕως ποτὲ ἀγαθός τις γενόμενος τῷ πυρὶ λούσασθαι τολμήσει καὶ τὰ ἀριστεῖα ἔχων βασιλεῦσαι τῶν ἀνθρώπων· ἄπιστα μὲν δὴ τὰ τοιαῦτα λέγω, ὅμως δὲ ἃ αὐτὴ ἔγνωκα οὐκ ἐψευσάμην.

 79. 壺片の凸面には楷書體��c《ギリシヤ》文字のほかに、もと酒壺の口であつた一番上のところに、くすんだ赤色で、 吾々が小凾の中で見出した甲蟲形寶石にあつたのと同じ玉璽が記してあつた。但しそれは、蝋の上へおしつけたやうに、 中の象形文字或は符號が逆になつてゐた。これがほんものゝカリクラテスの玉璽であるのか、 それとも彼の妻アメナルタスの先祖の王族の誰かのものであるのか、私にはわからなかつたのみならず、 それが楷書體��c《ギリシヤ》文字を書きつけたときに描かれたものか、後に、一門の誰かが甲蟲形寶石から模寫したものかもわからなかつた。 そればかりではなく、文章の書いてある下に、同じくくずんだ赤色で、 二つの羽根をつけたスフィンクスの頭と肩との素描らしいものゝ輪廓があらはれた。 この羽根は王家のしるしであつて、神牛や神々の像によくつけてあるが、スフィンクスについてゐたのは私はまだ見たことがない。

 

それから壺の表面の右端の希臘《ギリシヤ》文字の書いてないところに、次のやうな不思議な文字が赤色でしるされて青い色で署名がしてあつた。

 

 

 

80. 地に空に海に
  不思議なるものぞあるなり。
     ドロテア・ヴィンシイ記す。

 

 


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