1960年から1990年迄の30年間は経済成長を続けて「経済大国日本」と言われた。①1962年・所得倍増計画 ②1964年・東京オリンピック ③1964年・新幹線開通 ④1970年・大阪万博 など国による投資が計画的にどんどん行われた。その結果、企業もこぞって将来への投資を行い、結果的に国民ひとりあたりのGDPは世界第4位となった。
ところが1990年以降の30年間はどんどん西欧諸国に追い抜かれて、なんと世界第25位。①1989年・消費税導入 ②1997年・緊縮財政政策 ③2010年・事業仕分け政策 ④1995年・大型量販店進出と商店街衰退 が行われて、その結果、消費をせずに貯金ばかりするようになり100円ショップが賑わい、商店街での買い物は激減。大型量販店が進出して大量仕入れ低価格販売を行うから、尚更小売店舗は倒産。公共事業予算削減ははなはだしく、1997年は年間40兆円の予算が2019年には20兆円にまで削減となり、各地で水風害を招く結果となる。公共施設(学校、役所、保健所、病院など)が経営統合されて、効率は良くなったかもしれないが、細かいところに対する「ケア」は失われていった。
1960-1990年迄の30年間は技術が日本を支えていたが、1990-2020年迄の30年間は技術優先よりも目先の利益(金融投資)に走ったために、日本の国力は甚だしく低下。かくして経済成長は停止。一人当たりのGDPで言えば、日本:24830→40255US$(1.6倍) イギリス:17650→42378US$(2.4倍) フランス:18236→41896US$(2.3倍) ドイツ:16232→46472US$(2.9倍) アメリカ:22814→65253US$(2.9倍) 中国:820→10522US$(13倍)となっている。ヨーロッパの諸国に比べて日本の成長がいかに停滞しているかがよくわかる。
1960年代のようにインフラ設備投資などを行って早く経済の活性化を図りたいものである。借金をしてインフラ整備したら孫子の代まで困らせることになる・・・・というのは本当ではない。なぜなら1960年代に、新幹線、高速道路、河川対策、等々の公共事業に投資したことで、一般企業も工場、機械、運輸、等々に投資を行い経済成長した。このときの借金が孫子を苦しめるといったことには至らなかったし、ハイパーインフレにもならなかった。そして1997年以降公共投資などはせずに緊縮財政に拘り、消費税でバランスをとる政策が20年以上続いた結果、長期に渡ってデフレ状態となった。金利はほぼゼロ。プライマリー・バランスが重要(財政収支を±0にして赤字国債を発行しない)・・・というのは、間違いではなかろうか。
日本とドイツに於ける名目GDP(要は平均年収)の比較
2019年 一人当たりの国別名目GDP 1989年 一人当たりの国別名目GDP