そうだったのか・・・でも泣かないよ

相変わらずの職人不足
ここは最後の切り札！と、かなり前に引退した職人さんに3年ぶり位に仕事を頼めないか連絡してみた
自分で良ければ、と、快く承諾してくれ現場で待ち合わせ
この人にはもう30年位一緒に仕事をしている相方さんがいる
自分も小僧の頃色々と世話になり、突貫工事などで随分と助けられた

だが今回来たのは1人
まずは近況を報告しあい、話は相方さんへ
「今日、相方さんは？もう70近いでしょ、さすがに体動かないのかね～、孫と遊んでんのかな～」
「死んだよ」

え！？

「病気ですか？」
「津波で孫2人と一緒に車で流されて、孫と一緒に死んじまった」
涙ぐみながら話す親方さん
込み上げるものを堪え、しばし絶句

「遺体は1月以上見つからなかったよ・・・」



年金貰ってるから、あんま稼がせんなよ～
おい！またこんなややこしい現場取ってきたのか！
孫が生まれてよ、孫孫うるさい奴をバカにしてたが、それが生きがいなんだ
色々な場面が蘇る

そして震災から1年以上たってから知った自分の不義理さに腹も立った

文句も愚痴も、とにかくいつもにこにこ恵比寿顔で話す人でした

幾万の絶句が繰り返され、それでも淡々と時間は過ぎて行きます