お母さんと読む英語の絵本

読み聞かせにぴったりな英語絵本から、米国の子どもたちの世界をご紹介
子どもをバイリンガルに…とお考えのお母さんに

魔法の10ポンド

2013-12-30 | from Silicon Valley

 
 ホリデーシーズンは「食べるのに忙しい」季節です。ハロウィンのチョコレートからはじまって、家族揃って一日中ご馳走を食べ続けるサンクスギビング、そしてクリスマスから新年まで続くパーティ!パーティ!パーティ!

 困ったことに、楽しいおしゃべりに興じながら大勢で食べるディナーでは、思わず知らずつい食べ過ごし・・・秋冬のホリデーシーズンにアメリカ人は平均10ポンド(4.8kg)太ると言われています。いつのまにやら気がつかないうちについてしまう‥‥というわけで「"魔法の"10ポンド("Magic" 10Lb)」。実はこれ、20年前には魔法の5ポンドと言われ、10年前には魔法の7ポンドと言われていたのに、年を追うごとに増加して、ついに10ポンドと言われるようになったもの。

 アメリカは肥満大国です。一般にはBMI25以上が肥満と定義されているのに、アメリカの肥満の定義はBMI30以上。そんなふうに基準を変えても、なお、国民の肥満率は諸外国よりも高い。とくに最近の20年間、1990年から今日までに、アメリカ人の肥満度は劇的なまでに急速に進みました。

 下の3枚の図は、CDC(米国連邦保健局)のHPに掲げられている年代別州別の肥満度マップです。それぞれの州のBMI30以上の州民の割合(推定)を、肥満度の低い州は薄いブルー、肥満度が上がるにつれて濃いブルーに、それからベージュからオレンジに、そしてワインレッドに近い赤に色分けして示しています。この20年間にブルーだった地図がだんだん赤くなり、ついには真っ赤に塗りつぶされる変化が一目瞭然。アメリカ人が「どんどん太ってきた」ことがわかります。







 肥満者の人口比率が高い州は明らかに糖尿病患者が多い、という統計資料もあり、同じくCDCのHPで公開されています。糖尿病に限らず、肥満がさまざまな病気の原因となることは今や常識。2014年に本格始動するオバマ大統領の医療改革オバマケアは明らかに予防医療を重視していますので、肥満問題への対応がアメリカの行政課題の焦点となる日も遠くないでしょう。すでに学校給食の改革がはじまり、学校の自動販売機からは甘いソーダ飲料やスナック菓子が退場し、ニンジンのスティックが登場しています。

 やがては絵本も見直されそうです。子どもたちの本に登場する "甘くておいしい" もの、たとえばアイスクリームにカップケーキそしてクッキーなどなど、そういう、伝統的に「子どもの好きなもの」(と信じられてきた)食べ物の扱いが再考され、新しいメっセージが盛り込まれた絵本が出てくるでしょう。

 セサミストリートの人気キャラクターのひとりクッキー・モンスターも、その名のとおりクッキーが大好き!しかも,あの声や態度で子どもたちの思いを代弁してクッキーを食べまくるので、子どもたちの人気者です。

 "No Cookies?" という絵本には、そのクッキー・モンスターとモンスターの甥が登場。ランチにはヘルシーなサンドイッチと果物がいいんだけど・・・と言い、クッキーはいらないの・・・と言う甥に、クッキー・モンスターはびっくり。

No Cookies? (Pictureback(R))
Random House Books for Young Readers



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