お母さんと読む英語の絵本

読み聞かせにぴったりな英語絵本から、米国の子どもたちの世界をご紹介
子どもをバイリンガルに…とお考えのお母さんに

絵本だいすき!の絵本えらび

2009-01-21 | from Silicon Valley

若い女性の恋する日々をまるでトレンディドラマのような都会的なタッチで詠んだ歌集「サラダ記念日」で一世を風靡した歌人、俵万智さんが息子さんとの絵本体験をつづったエッセイ集です。

友人の出産祝いに贈る絵本を探していた本屋さんの絵本コーナーで見かけ、「すてきな絵本の紹介が出ているかな?」と立ち読みを始めたのが出会い。ところが、読み始めたらおもしろくて止まらず、はっと気がついたら、その場で読み終わっていました。

五味太郎さんの豪放でカラフルなイラストも可愛くて、「これなら、お母さんが読んでいる間、お膝に抱っこした赤ちゃんはイラストを見て楽しんでいられそう!」と思い、さっそく出産祝いのギフトに加えました。

俵さんご自身がたくみん君(息子さんのニックネーム)に読み聞かせた実体験にもとづいて紹介された絵本は、さすがにプロの選択!たくみん君の発言やたくみん君と俵さんの折々の対話を折り込んだ、実感あふれる書評も読みごたえ満点!

たとえば、一時期たくみん君が凝っていたのは本屋さんごっこ。ありったけの絵本を床にならべて「まもなく開店ですよー」と開かれる本屋さんに、俵さんがお客さんになって買いにいきます。が、さすが、文学者の俵さん!手のかかるお客さんを上手に演じます。

・・・『桃太郎を下さい』ではストレートすぎておもしろくないので、「あの~、鬼をやっつける話を探しているんですけど」と水を向けると、「はいはい、これとこれね」と言って『いっすんぼうし』と『ももたろう』を出してきた。そういえば、『いっすんぼうし』も鬼をやっつける話だった・・・。『さんびきのナントカ・・・』を探してもらうと、今度は三冊『さんびきのくま』『さんびきのこぶた』『さんびきのやぎのがらがらどん』だ。

・・・簡単なリクエストが、意外と通じないこともある。「雨がふっているご本はありますか?」『あめのひのおるすばん』か『雷になったごろべえ』あたりを期待していたのだが、なかなか出てこない。「あの、にたようなものでもいいですか?」本屋のおじさんが、もじもじしながら差し出した一冊、それは表紙にペンギンの絵が描かれた『シャワー』という本だった・・・

ね?ちょっと、本屋さんごっこ、一緒にやってみたくなりませんか?

子育て最中のお母さんならではの視点は、たとえば「遠出のおともに」と題されたエッセイで、新幹線などでの長旅に持っていくための、コンパクトで軽くてかさばらず、且つ子どもが飽きず眺めて楽しめる絵本を紹介する書評にも光っています。

たくみん君のくちぐせは「つぎは、なに読もうか?」。その日の最初の一冊を読む時も「つぎは・・」と言うのがおかしい・・・と俵さんは書いていますが、親子そろって「大の本好き!」が頬を寄せ合って熱心に絵本を読んでいる、そんな温かな空気がどのページからも伝わってくる本です。




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