お母さんと読む英語の絵本

読み聞かせにぴったりな英語絵本から、米国の子どもたちの世界をご紹介
子どもをバイリンガルに…とお考えのお母さんに

クリスマスは今年も歌にのってやってくる

2009-12-24 | about 英語の絵本

A Treasury of Christmas Songs

クリスマス前の最後の週末はクリスマス商戦のピーク。今年、ニューヨークは数十年ぶりの寒波のために雪で閉ざされてしまいましたが、そんなニュースが信じられないくらい例年よりも穏やかで暖かい週末となったサンフランシスコ。ユニオンスクエアに特設された小型のアイスリンクは親子連れでいっぱい。リンクの周囲も、電飾きらめく広場のツリーを眺める人や写真を撮る人で押すな押すなの人出でした。

でも、実は、景気のバロメーターは人の数ではなく、行き交う人が持っている「買い物袋」の数。景気の回復ぶりははどうかな?と立ち止まって眺めてみると・・・まったく手ぶらの人もかなりいて、残念ながら、数も大きさも景気のよかった頃には遠く及びません。ショッピングモールでも、エスカレーターや通路、カフェには人があふれているのに高級デパートの売り場はがらがら。閑散とした売り場にジャズ風に軽妙にアレンジされた「赤鼻のトナカイ」の歌が陽気に流れていたのが実に印象的でした。

赤鼻のトナカイ、サンタが街にやってくる、ホワイトクリスマス、モミの木、ジングルベル・・・などなど、クリスマスソングはアメリカ人の国民的教養の一部ではないかと思います。日本人にもおなじみの曲からはじまって、セクシーな声で「ねえ、サンタちゃん、早く煙突から降りてきて!」とユーモラスに呼びかけ「プレゼントにはスポーツカーに、ヨットに、ティファニー・・・」と歌う曲もあれば(Santa Baby)、「プレゼントはいらない・・・欲しいのはあなただけ」という歌もあります(All I Want For Christmas Is You)。古い歌もすたれずに毎年歌われ、次々と新しい歌手によって歌い継がれ、愛唱されているところは絵本と同じ。そこに、毎年、新しい歌が加わっています。

その数たるや、サンクスギビングが終わるとクリスマスまでの一カ月間、一日中クリスマスソングだけを流すラジオ局ができるほど。ですから、この季節には、買い物していても、ヘアカットに行っても、街を歩いていても、運転していても、いつでもどこでもクリスマスソングが聴こえてきます。まさに、クリスマス気分は耳から脳に浸透するのではないかと思うほど。

アメリカ人は、こうして小さい時から毎年たくさんのクリスマスソングを聴き、それも、季節の間、毎日のように繰り返し繰り返し聴いて、いつの間にかおぼえてしまうのだと思います。まさに国民的教養。アメリカではクリスマスは歌に乗ってやってくるのです。

子どものためのクリスマスソングを集めたCDやDVDあるいは絵本もたくさん出ています。古典的な作品もたくさんありますが、毎年何かしら新しい作品が登場するのもクリスマスソングの人気のゆえ。

今日ご紹介するのは、そんな新作のひとつ、25曲のポピュラーなクリスマスの歌を集めた絵本。「A Treasury of Christmas Songs: Twenty-five Favorites to Sing and Play(クリスマスソングの宝物)」です。それぞれの曲に簡単な紹介と曲の由来などの解説がそえられていて、子どものための”クリスマスソング入門書”になっています。イラストも美しいと評判ですが、イラストが凝っているためもあって一つの曲が1ページに収めきれず、複数ページにわたっているのが不便との読者の声もあります。ですので、アメリカのクリスマスソング初心者の親子には、昨年ご紹介した小さい子に人気の Wee Singシリーズなどの永遠のヒット作もお薦めです。


コメント
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