お母さんと読む英語の絵本

読み聞かせにぴったりな英語絵本から、米国の子どもたちの世界をご紹介
子どもをバイリンガルに…とお考えのお母さんに

ラップミュージックの基礎は絵本?

2009-03-12 | about 英語の絵本

Jake Baked the Cake

英語では、同じ響きの音を繰り返して「韻を踏む」表現方法がよく使われます。この表現方法、いまの若い人の間では、きっとヒップホップやラップミュージックの歌詞の表現方法としてポピュラーではないかと思いますが、源をたどっていくと古典文学に行き着きます。

日本では、日本語の構造にあまり合わないのか、たとえばダジャレや早口言葉などでは見かけても、一般にはあまり韻を踏む表現は定着していませんが、英語の文学では、この「韻を踏む」表現は、子どもの絵本にもしばしば登場します。韻を踏んで調子をそろえたフレーズの繰り返しは、いかにも調子よく、テンポとリズムがついてだんだん弾んできて、読んでいるだけで自然に歌になってしまうような軽快さです。

"Jake Baked the Cake"もそんな絵本の一冊です。タイトルの"Jake Baked the Cake"(カタカナで発音を表記すると、ジェイク・ベイクト・(ザ)・ケイクになります)のすべてのake(エイク)の音が韻を踏んでいます。声に出して読むと、いかにも軽快で調子がいいのですが、このフレーズ:Jake Baked the Cakeが、この絵本の全編通して、ページが変わるごとに繰り返され、リズムをつくっています。

今日は結婚式。お菓子職人のジェイクは、大きな大きなウェディングケーキを作っています(Jake baked the cake)

花嫁は・・・
でも・・・Jake baked the cake.
花婿は・・・
でも・・・Jake baked the cake.
式に出る子どもたちは・・・
でも・・・Jake baked the cake.
親たちは・・・
でも・・・Jake baked the cake.

各ページには、結婚式の当時者たちの準備のあれこれがユーモアたっぷりに描き出され、皆の準備がドタバタと進行するのと並行して、対照的に静かに、着々と進行していくジェイクのケーキ作りの様子が描きだされ、Jake Baked the Cakeのフレーズが繰り返されます。

ページを追うごとに皆の喧騒は高まってゆき、やがて、その喧騒が結婚披露宴の場に集まると・・・見事なケーキの登場!

読み聞かせが終わる頃には、きっと、親子一緒に各ページの最後でJake Baked the Cake!と声をそろえていること請け合いです。



コメント
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