お母さんと読む英語の絵本

読み聞かせにぴったりな英語絵本から、米国の子どもたちの世界をご紹介
子どもをバイリンガルに…とお考えのお母さんに

クラスのみんなにバレンタイン

2009-02-11 | from Silicon Valley

日本では、バレンタインデーには、なぜか、女性だけが男性にチョコレートやプレゼントを贈ることになっています。その昔、私の若い頃には、こんな風にまことしやかに言われていました。曰く、愛の告白はそもそも女性の方からすべきではないのだけれども、バレンタインデーだけは例外で、女性から男性に「好きです」って告白していいのだよ、と。

アメリカではバレンタインデーに男女の隔てはありません。また恋人同士にも限定されません。あなたの好きな人、誰にでも、それぞれに向けて「大好きです!愛してます!」とカードを送り、プレゼントをあげます。親子の間でも、同僚にも、もちろん恋人同士も、夫婦も。

ですから、アメリカではバレンタインデーにはクリスマスに次いでたくさんのカードが交わされているそうです。「誰にでも」というアメリカ流平等主義のバレンタインデーのコンセプトは、アメリカ商業主義の発明でもあるのでしょうね。

そういう慣例ですから、学校では、特に幼稚園とか小学校の低学年のうちは2月14日のバレンタインデーには、ホームルームの時間にクラスメートが全員でカードを交換し合うのが年中行事。そのため、バレンタインデーに先立って担任の先生から「うちのクラスはXX人です。カードの数が足りなくならないように気をつけてください」という通知が名簿と一緒に家に送られて来るのが常でした。

小さなクラスでも20人程度の生徒がいますので、幼稚園生がクラス全員にもれなくカードを渡すには、それなりに準備が大変。もちろん大変なのは親なのですが、小さなカードに宛名を書かせ(漏れ落ちのないように渡すには、ひとりひとり名前を書くのが一番)、それをまた小さな封筒に入れて、封筒にも一人一人宛名を書き(やれやれ!)、さらにこの日のために探し歩いた小さなおもちゃやチョコレートを一緒に封筒に入れて、こぼれないように封をして、さらに全部を、なくさないように大きな袋にまとめて入れて・・・。当日持たせるまでが、楽しいながら、ひと苦労でした。

ちなみに、子どもが配るカードは、お金がかからないように安価な印刷の24枚つづりなどの専用のものが売られていますので、それを買えばすみます。時間に余裕があれば、コピーペーパーをカード型に折って絵を描いたり、シールを貼ったりして手作りカードにしたり、既成品のカードにマーカーで色づけして個性を出したりして使います。昨今はさまざまなカードのテンプレートがネット上にありますので、それにちょっと手を加えて私流にアレンジしてプリントアウトする、というのが一般的かもしれません。

想い出ついでに書きますと、当時(90年代の話ですが)子どもたちに人気があった小さなギフトは日本の文房具で、なかでも「消しゴム」が大人気でした。アメリカの消しゴムはなぜか質が悪くて、なかなか消えないばかりか、だんだん紙が真っ黒になって切れてしまったり・・・なのに、日本のプラスチックの消しゴムは、紙も傷めず、素晴らしくよく消えて、書き損じばかりする小さな生徒にはまさに宝物!でした。

さて、というわけで、アメリカでは、女も男も、大人も子どもも同じバレンタインデーにカードとギフトを交換しますので、日本の「ホワイトデー」に当たる日はありません。こちらは、日本の奥ゆかしい「おかえし」の伝統に則った、日本流商業主義による発明のようです。



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