ウェネトさまの館

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YUMEJI展 大正浪漫と新しい世界(東京都庭園美術館)

2024年06月20日 20時50分50秒 | 展覧会・美術関連

東京都庭園美術館「生誕140年 YUMEJI展 大正浪漫と新しい世界」を観たのでございます。
https://www.teien-art-museum.ne.jp/exhibition/240601-0825_yumeji/
(一部写真撮影可)

竹久夢二の生誕140年記念展、初公開資料を含む約180点の展示。
夢二の現存する油彩は約30点と少のうござりますが、本展で多数観られるとの事で、楽しみにしておったのじゃ。

構成は以下の通り。
★プロローグ
★1章:斬新な写生と「夢二のアール・ヌーヴォー」
★2章:大正浪漫の源泉 ―異郷、異国への夢
★3章:日本のベル・エポック ―「夢二の時代」の芸術文化
★4章:アール・デコの魅惑と新しい日本画 ―1924-1931年
★5章:夢二の新世界 ―アメリカとヨーロッパでの活動 ―1931-1934年

展示空間を生かした構成ゆえ、出品リストと展示順は激しく異なっておりまする。
なので気になった作品はリスト順ではなく観た順に、展示のお部屋も書いておくぞよ(作品名の前の数字は出品リストの番号じゃ)

【大広間】
70-1《アマリリス》1919(大正8)年頃 油彩、カンヴァス
最初にお出迎えしてくれる初公開の油彩。
長らく行方知れずになっておったが、近年の調査で発見されたのでございます。
暗い色調の着物の半襟と帯締めが赤。花瓶の赤いアマリリスが髪飾りのようじゃ。
本展のメインビジュアルで、これは外のパネルの写真じゃよ。

【小客室】
41《『夢二画集 旅の巻』》1910(明治43)年 再版 / 1910(明治43)年 初版
横長の画面に様々な国の7人の男女。踊ってたり楽器を弾いてたり猫を抱いてたり、カラフル楽しい。

【大客室】
151《星まつ里》昭和初期 絹本着色
大客室の窓側に5点並ぶ掛軸のうちの1点。
華奢な2人の少女、ひとりは空色の振袖で笹に提灯をかけ(横顔と首が綺麗)、もうひとりはピンクの振袖で膝をついて提灯に明かりを灯していて、華やかな雰囲気。

【大食堂】
ここは写真撮影OK。こんな感じじゃよ。

せっかくじゃから7点載せようかの。
109《憩い(女)》昭和初期 絹本着色


 
81《宝船(やなぎや版)》1920(大正9)年 木版、紙


 
79《一座の花形(みなとや版)》1916(大正5)年頃 木版、紙


 
139《雪の風 雑誌『婦人グラフ』第1巻 第8号 表紙》1924(大正13)年 木版、紙


 
140《霜葉散る 雑誌『婦人グラフ』第3巻 第10号 口絵》1926(大正15)年 木版、紙


 
138《秋のしらべ 雑誌『婦人グラフ』第1巻 第7号 表紙》1924(大正13)年 木版、紙


 
141《山・山・山 雑誌『婦人グラフ』第4巻 第2号 口絵》1927(昭和2)年 木版、紙


 
【喫煙室】
54《歌時計》1919(大正8)年 初版
喫煙室には、夢二が手がけた初版本が並んでおりまする。
花の都ロンドンの白猫、ドレスを着てボンネットを被り、手にはバッグと日傘でオシャレ可愛い。

ささ、お次はお2階へまいるぞよ。
【二階広間】
このバナーは写真撮影OKじゃ。

【若宮寝室・合の間】
3《稲荷山》明治末期・大正初期 紙本着色
ウェネト的にツッコミ所満載でグフフと笑うてしもうた(失礼)
千本鳥居を背景に立つ、一見5頭身の振袖少女、左手に日傘をさし、右手の扇子も日傘がわりにかざし、振袖の柄が波に千鳥だけでなく、どう見てもサーフィンするウサギと猫(?)がおる。

【書庫】
61《初恋》1912(大正元)年 油彩、カンヴァス
現存する夢二の最初期の油彩画。暗い書庫に1点だけ浮かび上がっておりまする。

【殿下居間】
65《女》1918(大正7)年 油彩、カンヴァス
濃いグリーンの背景、濃いグリーンの着物の女性の油彩画。おっとり優しい表情。

【殿下寝室】
66《青いきもの》1920(大正9)年 油彩、カンヴァス
砂浜のような場所に、青い着物の女性がぺったりと力なく座っておる。
思わず「大丈夫ですかぁぁぁ!?」と声をかけてしもうた。

68《男 第一回夢二作品展覧会ポスター》1912(大正元)年 水彩、紙
展覧会のお知らせポスター。赤いカタカナで縦書きで、
「トクニコドモノタ
 メノヱモアリマス」
と書かれておる。何ゆえそこで改行?(こらこら)

【妃殿下寝室】
58《生ける屍》大正中期 絹本着色
トルストイ原作の戯曲の一場面。
お部屋のカーテンやマーシャの肩掛けが夢二じゃ。

【妃殿下居間】
32《半襟「椿」「馬蹄」》大正前期 描絵、絹
手描きの半襟、贅沢よのぅ。「椿」は青い絹地に赤い椿の花と緑の葉。

19.20.21《封筒「どくだみ」》《封筒「つりがね草」》《封筒「菜の花」》大正期 木版、紙
二階広間のバナーがこれじゃよ。

【北の間】
75《落日》大正初期 絹本着色
ふくよかな母親と金太郎チックな幼児、夢二のイメージとかけ離れた作品でびっくり。

【姫宮寝室】
写真撮影OK。

33《帯「いちご」》大正前期 油彩、絹
黒の絹地に油彩で描かれた帯。こちらは6月30日までの展示じゃよ。

【姫宮居間】
写真撮影OK。

28《千代紙「桜草」(みなとや版)》大正前期

31《千代紙「きのこ」(みなとや版)》大正前期

ここから再度1階へ。
【小食堂】
写真撮影OK。

152《湖畔舞妓図》昭和初期 紙本着色

お次は新館じゃ。
【新館 ギャラリー1】
83、84、87『セノオ楽譜』1918(大正7)年~1924(大正13)年 ペン・水彩、紙
『セノオ楽譜』は、夢二が作詞を手がけた作品も24点入っており、特に「宵待草」が有名じゃの。
この額装の3点の他、ガラスケースに初版の『セノオ楽譜』も5点ございます。

106《上澤謙二 著『動物愛読本』》1930年 初版
箱付きの本どれも可愛く、こちらは真ん中に猫の顔がド~ン。グッズにもなっておった。

135《化粧の秋 雑誌『婦人グラフ』第1巻第6号 表紙)》1924(大正13)年 木版、紙
メイクするモガのお顔のアップ。アール・デコな雰囲気。

144《晩春 雑誌『グラフィック』第1巻第1号 口絵原画》1926(大正15)年 鉛筆・ペン・水彩、紙
着物で正座の女性が読みさしの本を置き、隣でそっぽ向いて毛繕いする猫を優しい表情で見ておるが、女性もどことなく猫っぽい。
着ている着物と吊り下がってる着物の柄がいかにも夢二。

158《自画像》昭和初期 紙本墨画淡彩
シルクハットかぶって傘を小脇に抱え、猫背で歩く晩年の夢二。

157《人形(男)》昭和初期 布、針金、紙ほか
椅子にもたれて眠る男性ドール。黒ジャケットに蝶ネクタイ、茶色の縞のシャツとズボン。

164《西海岸の裸婦》1931-32(昭和6-7)年 油彩、カンヴァス
金髪の外国人の裸婦の油彩はこの1点のみで、最後の美人画だそうな。
画面を斜めに寝そべる裸婦と、平行する斜めの紺、緑、黄土色の縞模様。

202《日本の夜》1932-33(昭和7-8)年頃 紙本着色
ターコイズブルーの着物の女性と、モノトーンのような背景。
空に描かれた金色の線は雲かと思うたら、花火なのじゃった。 

176~194《正木不如丘旧蔵外遊スケッチ》1931-32(昭和6-7)年 鉛筆、紙
晩年の2年間、欧米各地を巡り、滞在中の出来事を多数のスケッチに残したのじゃ。
その一部のスケッチ帖が本展で初公開。興味深うござりました。

159《立田姫》1931(昭和6)年 紙本着色
新館はこの作品のみ写真撮影OKなのに、コンデジのダイヤルがずれていてボケボケ(涙)


 
こちらのバナーは写真撮影可。

ごめんくださいまし~。一緒にお茶を頂いてもよろしいかの?

《アマリリス》をはじめとする油彩や、初公開の晩年のスケッチもたくさん展示され、観応えござりました。
何と言っても、アール・デコ様式の旧朝香宮邸の各部屋で夢二作品を観られた事がたいそう良かったしの。

新館ショップも、レトロ可愛い夢二グッズが色々ございます。
特に、箱入でレターブック付の図録が素敵アイデアで、夢二デザインの「桜草」「若草」「青い小径」「猫」の4種類の箱から選べるのじゃ。

観終わって、新館カフェでコラボメニューのクラシックプリンを食べようと思うたら、満席な上に数組がお待ちの状況で、涙の断念。
先にカフェに行ってから展示を観ればよかったと後悔したのでございます。

会期は8月25日まで。
今はまだ空いておったが、今後混み出す気配濃厚ゆえ、ご興味ある方はお早めにの。

ランチは庭園美術館のすぐ近くのインドネシア料理店、チャベに初潜入。
以前から通りかかるたびに気になっておったが、なかなか入る機会がなかったのでございます。

インドネシア感ありありな店内。

ナシチャンプルのセット(スープ、紅茶付きで1100円)をお願いいたしまする~。

ナシは「ご飯」、チャンプルは「混ぜる」の意味で、ご飯とおかずを混ぜて食べるのじゃ。
おかずは日替わりで、本日はチキンのスパイス煮、テンペと小松菜炒め、シュウマイ(大きい!)のピーナッツソースがけ、豆腐の天ぷら、ピクルスじゃった。
スープも美味しい。

+110円で付けられるデザートも勿論お願いしたぞよ。

何が来るかと思うたら、緑豆とココナッツミルクのお汁粉じゃった。
え~い、バケツで持ってまいれ~!(こらこら)

この後もうひとつ観た展覧会の話は、また後日。