例えば、「注文が入って忙しい」というのはとても良い表現で、「人気がある」とか「売れている」という商品というイメージになりますし、とても魅力的なものだという印象を与えるものです。中には、わざわざ使うようにしている人もいるかと思います。
ただ、何か失敗したときや納期に間に合わなさそうなときなどには避けるべき表現になりますね。
「忙しかったから失敗した」というと、小学生レベルになってしまいます。失敗の原因をきちんと考えて、「連絡ミス」とか「手順書の不備」などの根本的な原因を考え、それを改善していくという話にして、結果的には「忙しくても失敗しない方法」を相手に伝えるべきかと。
「忙しかったから」という理由だと、「忙しくしないようにします」という話になりそうですよね。そうすると同じことを繰り返してしまいます。
また、「納期に間に合わない」というような場合には、「納期は1週間後になります。人気商品なので申し訳ございません。増員して対応しております。」等と具体的に言った方が相手に対して失礼がないかと。
「忙しいから納期は遅れます」というと、「やり方がうまくないから時間がかかっているのかな?」などと人によっては思われるかもしれません。言い訳としての表現は、あまり良い印象ではないかと思います。
尚、「忙しい」というのは今の状況を言い、「忙しかった」は過去の話になりますよね。「今、忙しい」という状況を説明するのはまだいいかもしれませんが、お客様にとってはこちらの状況というのはあまり知りたい内容ではありません。「いつできるのか」「対応してもらえるのか」というところが大事で、それに答えるだけで今の状況を伝える必要はない可能性があります。
また、「忙しかった」という過去形は、あきらかに「言い訳」なんですね。よく「いい若けぇもんが言い訳」とか言いますが、「言い訳」は意外に言う必要はありません。お客様が知りたいのは、やはり「いつできるのか」とか「再発防止はできるのか」というポイントだったりします。
「言い訳は必要ない」と相手に直接言われた経験のある人もいるかもしれませんが、お客様が聞きたいのは「言い訳」ではなかったりします。「忙しい」や「忙しかった」という言葉を使いそうになったときには、慌てずに他の表現を探してみたほうが人間関係がスムーズにいく場合が多いかもしれません。
言葉ってかなり感情の部分もありますから、本当に気を付けないと親しい仲に亀裂を生じさせる結果にもなります。
折角いい年であっても、最後に嫌な思いをしたら一年を棒に振りますから、残り僅かな日々気を付けて行きたいものです。
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