海猫の宝物

人生を豊かにする冒険を求めて

カンボジア旅行記 No.13 ニャック・ポアン 2011.6 

2014-11-12 23:44:57 | 海外旅行


次の遺跡に向かう前にランチタイムがやって来ました
中華料理

北京で食べた料理によく似ている気がします。
美味しかった



っと、レストラン入るまでは晴れてたのに
えええーーーー!!!
出たら嘘のような大雨!
これが一日・・いや、ほんの一時間の間に同時体験出来る
気候の変化カネ。



気を取り直して雨季に訪れた観光客全員にもれなく配られるカンボジアン・レインコート
(薄くて大きくて通気性が良い)に着替え、カラフルてるてる軍団に変貌を遂げた一行。

(しかし私は初日午後のスコール遭遇時に使用中、早速自分のカッパの一部を破いてしまった!)


ニャック・ポアン
年代:12世紀末
創設者(王):ジャヤヴァルマン7世



この先を歩いて行くと待ち受けているのが、一風変わった構造を持つ
ニャック・ポアンという遺跡。
ここは造りが特徴的で中央の人口池の上に中央祠堂が浮かぶような
構成になっている。

遺跡の見取り図と、その後ろに写るのが四角い人口の中央池と
丸い基壇の上に建つ中央祠堂です。
見取り図の真ん中の一番大きい四角(□)が指し示す位置。
その中央に祠堂がドンと佇んでいるのです。



ニャック・ポアンとは”絡み合う大蛇”という意味で、2匹の大蛇が
中央祠堂の基壇を取り巻いています。

以下の写真の基壇の左側にナーガ(蛇神)の頭が見えます。
そしてそれに向かい合っているのが左側に写るヴァラーハ(神馬)。



ヴァラーハは観世音菩薩の化身とされていて、ある興味深い伝説が語り継がれています。



昔、シンハラと言う名の男が航海中に難破し、
人食い女ラークシャシーの夫にされてしまう。
ある日の夜、シンハラは部屋にあったランプから
”危険が迫っている、海辺に待っている馬に乗って逃げなさい”という
声を聞き、その忠告通り海辺に出ると、本当に馬が待っていた。
彼を乗せた馬は天高く駆け上がり、彼を助けた。



という神話で、その馬こそ観世音菩薩の化身であるヴァラーハであったと言われています



なんだか可愛い馬の像で気に入っちゃった

そしてこの中央池は時期によっては完全に冠水してしまうのですが、
この時はまだ中央祠堂への道が浮かび上がっていたので、
階段を降りて中央まで行ってみましょう。



イェいっ



冠水した時の中央池の水位は随分と高くなり、
先ほどの馬の像のお腹辺りまで水位を上げます。

豊富な水に蓮の花が浮かび、その水面に写る祠堂と正方形の縁は非常に美しいです

見たかったですが、まだ道があるこの時期はそれはそれで中央祠堂に立てるという
特権がある。

中央祠堂





中央祠堂から見たお馬さん、ヴァラーハ
やはり前足が可愛いです
水位が上がって支えの木が見えなくなると
神秘的でしょうね



さて、中央祠堂の階段を降りて池の周囲に戻り、
このように縁を歩いて池の周りを一周出来るのですが、、



中央池を取り囲む4辺のそれぞれの中間地点付近に、このような建造物が設置されています。
これは一体何でしょう



先ほどの以下の見取り図にもあるように、
実はニャック・ポアンの構造は中央池の周りを4つの四角い小池が
取り囲んでいるのです。



こちらは北側にある小池。
奥に中央池の中央祠堂と左手にヴァラーハが見えます。



このような小池が東西南北に1つずつ設置されており、
中央池と小池は先ほどの謎の建築物の下にある樋口から繋がっていて、
四方の小池に水が流れ出る仕掛けになっているのです。



上の写真の暗い出口の中にある樋口から水が流れ込みます。

んんんっ
中に何か像のようなものが写っていませんか?
中を覗いてみましょう。



何か祀られているようです。



これはライオン(シンハ)の頭部の形をした樋口。
どうやらこのライオンの口の穴から水が流れ出す仕掛けのよう・・



中央池と4つの小池の間に夫々設置された樋口は
このライオン像のように、

北:象
東:人間
南:ライオン(獅子)
西:牛

の頭をかたどっているのです。

北の象の樋口。
これは象さんの長いお鼻がよく分かりやすいです。
笑っているみたいですね。




東の人間の樋口。
バイヨンとはまったく違う菩薩の印象を受けます。



そして西の牛の樋口。
これは私ずっとナンディン(聖牛)だと思っていたのですが、
他の方のブログを見ると馬と書かれていたりします。



実際、形も馬っぽいと言えば馬っぽいか。。



だけど、ある本にはやはり牛と書かれていたりもして、、
個人的にナンディンが大好きなので、牛さんだということに
決定~~~ ちゃんちゃんっ
(勝手に決定するなぁ~



一見こじんまりとした地味な印象を与えるが
良く見てみると12世紀アンコール地域の治水の技術を象徴する
興味深い遺跡なのです。



~ カンボジア旅行記 No.13 ニャック・ポアン 2011.6 終わり ~