昼食の後、一旦ホテルに戻る。
お部屋で午後からの外出の支度をしていた、その時。
ザザーーーーーー!!!!!!!
来た来た来た 来たーーーーーーーー!!!!! スコール!
なんて可愛いものではない。
辺りが暗雨雲に包まれたかと思うと、午前中の晴れた空が嘘みたいに
普段日本で使う傘などは到底意味を成さない豪雨がアンコール地方を襲う。
6月のカンボジアは雨季真っ最中。
いつスコールが来ても大丈夫なようにツアー客は到着初日に薄手のカッパを渡され、
ツアーバスには全員分の巨大な傘が常備されている。
カンボジアの雨季はスコールのような一時的な豪雨の為、
時間さえあれば止むのを待っていられるのだが、
3日間の限られた時間内でのツアー日程。
もちろん次の遺跡に向かってバスは走り出す。
アンコール・トム
年代:12世紀
創設者(王):ジャヤヴァルマン7世
次なる遺跡は、”大きな町”という意味の、
周囲12kmのラテライトの城壁と環濠に守られた巨大な都城、アンコール・トム。
十字に配備された主要道路があり、その中央にバイヨン寺院がある。
私です。
全員照る照るぼーずです。
いよいよバイヨン寺院の外壁(第一回廊)までやって来ました。
アンコール・ワットの回廊のレリーフがご紹介した通りの宗教色の強い題材を
テーマにした浮き彫りであるのに対し、ここバイヨン寺院では庶民や貴族達の
日常生活を描いたものが多い。
アンコール・ワットを作ったスールヤヴァルマン2世の後、
1177年にベトナムのチャンパ軍によって一時王都を略奪される。
度重なるチャンパ軍との戦いの末、この略奪からアンコール地方を解放したのが
クメール史上で偉大なジャヤヴァルマン7世である。
国を取り戻した王は祭祀を行うバラモンの権威の強まった行政事情を
大胆に改革する必要があった。
(当時、何かと行政に口出しし、私腹を肥やしていたのである。)
その為に大乗仏教を取り入れ新たな官僚システムの形成を図ったのがジャヤヴァルマン2世。
アンコール・ワットとバイヨン寺院では、宗教観の違いはもちろん、
そういった王の行政改革への意向が強く感じられる。
城壁の内側に入ってみよう。
中央祠堂に向かって伸びる階段。
中央祠堂は一段と高くなっている為、最終的に進む方角は分かるが、
参拝経路が明確でないこの寺院内は横道に逸れて進むと
自分の位置を見失ってしまいそうな迷路のような構造である。
50塔近くの四面仏がこの寺院内の聖域を見守っており、
仏教的世界観がより強く伺える。
急な階段をいくつか登った。
雨で滑りやすい為、私のようなおっちょこちょいな女は
足元に特に注意が必要なのである。
第二回廊内、中央祠堂と尖塔には50面を超える四面仏が刻まれており、
どこに居ても観世音菩薩像の太陽のような眼差しを感じる。
(スコールも吹っ飛ぶね )
綺麗な顔の像のある撮影スポット
顔だけではなく、微妙に表情も違うのである。
斜めから見た顔もどこか優しい表情で包まれている。
若しくは余裕の笑みのようにも見える。
おそらくこれは中央祠堂から見える尊顔の口。(だったと思う・・)おい!
古代インド神話で神々が住むとされるメール山を象徴化して造られたのがこのバイヨン寺院で、
アンコール・トムの東西南北に延びる道路はメール山から世界へ向かう道を、
城壁はヒマラヤの霊峰を、
そしてそしてそれを取り巻く環濠は大海を象徴したものです。
この中心の祠堂は神が降臨するのに相応しい場所であったに違いない。
長い長い世紀を超えて、今でもその神々しい空間を保ち続けている。
こうやって祀られている仏陀のシルエットだけ見ていると
本当に生きた仏陀のようだね。
(想像の域を出ないが・・)
無宗教な私でもただならない神々しい空気を感じる。
一通り参拝し、寺院北面に出てきた。
この方角から見ても塔に浮かび上がる観世音菩薩像の顔は
言葉では言い表せない神秘のロマンでした。
アンコール・トム内 他エリアの散策
【像のテラス】
同じく王ジャヤヴァルマン7世により造られ、
凱旋するカンボジア軍を眺望する基壇として使われた
王宮前の像のテラス。
300m以上もある壁に像のレリーフ。
そして壁を支えているのはインド神話に登場する妖鳥ガルーダです。
ガルーダは黄金の翼を持つ、ヒンドゥー教の太陽の神である
ヴィシュヌ神の乗り物として描かれる聖なる鳥。
頭・嘴・翼そして爪は鷲の形で表現されるが、体は人間の姿をしており、
テラスの壁を支える様はちょっと可愛げがある。
ちなみに蛇神ナーガはガルーダの宿敵だそうで、
壁面彫刻に彼らの格闘シーンが多く描かれている。
【ライ王のテラス】
像のテラス北側に位置する高さ約6mのテラス。
中を通り抜けた
【南大門】
大きな町アンコール・トムは北大門、西大門、死者の門、勝利の門、
そしてこの南大門の5つの城門に囲まれている。
南大門に続く陸橋の両端には夫々、神々と阿修羅が蛇神ナーガの胴体を引き合う像が
ずらりと設置されており、その姿は圧巻!
上写真の右側の阿修羅は厳めしい顔をしていますね!
~ カンボジア旅行記 No.4 アンコール・トム 2011.6 終わり ~
お部屋で午後からの外出の支度をしていた、その時。
ザザーーーーーー!!!!!!!
来た来た来た 来たーーーーーーーー!!!!! スコール!
なんて可愛いものではない。
辺りが暗雨雲に包まれたかと思うと、午前中の晴れた空が嘘みたいに
普段日本で使う傘などは到底意味を成さない豪雨がアンコール地方を襲う。
6月のカンボジアは雨季真っ最中。
いつスコールが来ても大丈夫なようにツアー客は到着初日に薄手のカッパを渡され、
ツアーバスには全員分の巨大な傘が常備されている。
カンボジアの雨季はスコールのような一時的な豪雨の為、
時間さえあれば止むのを待っていられるのだが、
3日間の限られた時間内でのツアー日程。
もちろん次の遺跡に向かってバスは走り出す。
アンコール・トム
年代:12世紀
創設者(王):ジャヤヴァルマン7世
次なる遺跡は、”大きな町”という意味の、
周囲12kmのラテライトの城壁と環濠に守られた巨大な都城、アンコール・トム。
十字に配備された主要道路があり、その中央にバイヨン寺院がある。
私です。
全員照る照るぼーずです。
いよいよバイヨン寺院の外壁(第一回廊)までやって来ました。
アンコール・ワットの回廊のレリーフがご紹介した通りの宗教色の強い題材を
テーマにした浮き彫りであるのに対し、ここバイヨン寺院では庶民や貴族達の
日常生活を描いたものが多い。
アンコール・ワットを作ったスールヤヴァルマン2世の後、
1177年にベトナムのチャンパ軍によって一時王都を略奪される。
度重なるチャンパ軍との戦いの末、この略奪からアンコール地方を解放したのが
クメール史上で偉大なジャヤヴァルマン7世である。
国を取り戻した王は祭祀を行うバラモンの権威の強まった行政事情を
大胆に改革する必要があった。
(当時、何かと行政に口出しし、私腹を肥やしていたのである。)
その為に大乗仏教を取り入れ新たな官僚システムの形成を図ったのがジャヤヴァルマン2世。
アンコール・ワットとバイヨン寺院では、宗教観の違いはもちろん、
そういった王の行政改革への意向が強く感じられる。
城壁の内側に入ってみよう。
中央祠堂に向かって伸びる階段。
中央祠堂は一段と高くなっている為、最終的に進む方角は分かるが、
参拝経路が明確でないこの寺院内は横道に逸れて進むと
自分の位置を見失ってしまいそうな迷路のような構造である。
50塔近くの四面仏がこの寺院内の聖域を見守っており、
仏教的世界観がより強く伺える。
急な階段をいくつか登った。
雨で滑りやすい為、私のようなおっちょこちょいな女は
足元に特に注意が必要なのである。
第二回廊内、中央祠堂と尖塔には50面を超える四面仏が刻まれており、
どこに居ても観世音菩薩像の太陽のような眼差しを感じる。
(スコールも吹っ飛ぶね )
綺麗な顔の像のある撮影スポット
顔だけではなく、微妙に表情も違うのである。
斜めから見た顔もどこか優しい表情で包まれている。
若しくは余裕の笑みのようにも見える。
おそらくこれは中央祠堂から見える尊顔の口。(だったと思う・・)おい!
古代インド神話で神々が住むとされるメール山を象徴化して造られたのがこのバイヨン寺院で、
アンコール・トムの東西南北に延びる道路はメール山から世界へ向かう道を、
城壁はヒマラヤの霊峰を、
そしてそしてそれを取り巻く環濠は大海を象徴したものです。
この中心の祠堂は神が降臨するのに相応しい場所であったに違いない。
長い長い世紀を超えて、今でもその神々しい空間を保ち続けている。
こうやって祀られている仏陀のシルエットだけ見ていると
本当に生きた仏陀のようだね。
(想像の域を出ないが・・)
無宗教な私でもただならない神々しい空気を感じる。
一通り参拝し、寺院北面に出てきた。
この方角から見ても塔に浮かび上がる観世音菩薩像の顔は
言葉では言い表せない神秘のロマンでした。
アンコール・トム内 他エリアの散策
【像のテラス】
同じく王ジャヤヴァルマン7世により造られ、
凱旋するカンボジア軍を眺望する基壇として使われた
王宮前の像のテラス。
300m以上もある壁に像のレリーフ。
そして壁を支えているのはインド神話に登場する妖鳥ガルーダです。
ガルーダは黄金の翼を持つ、ヒンドゥー教の太陽の神である
ヴィシュヌ神の乗り物として描かれる聖なる鳥。
頭・嘴・翼そして爪は鷲の形で表現されるが、体は人間の姿をしており、
テラスの壁を支える様はちょっと可愛げがある。
ちなみに蛇神ナーガはガルーダの宿敵だそうで、
壁面彫刻に彼らの格闘シーンが多く描かれている。
【ライ王のテラス】
像のテラス北側に位置する高さ約6mのテラス。
中を通り抜けた
【南大門】
大きな町アンコール・トムは北大門、西大門、死者の門、勝利の門、
そしてこの南大門の5つの城門に囲まれている。
南大門に続く陸橋の両端には夫々、神々と阿修羅が蛇神ナーガの胴体を引き合う像が
ずらりと設置されており、その姿は圧巻!
上写真の右側の阿修羅は厳めしい顔をしていますね!
~ カンボジア旅行記 No.4 アンコール・トム 2011.6 終わり ~