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画像は昔の少女雑誌「マイバースデイ」の中の付録の、
北欧神話の神々とルーン文字のカードの説明ページ
です。
また同誌の別の機会において、北欧神話に登場する
女神「シグルドリーヴァ」が、ルーン文字の護符について
シグルズに伝えたとされる言葉を元に、少々改編した護符と
使用法が紹介された事もありました。
その神話が伝えるのは、未だ神と人間が共に地上に住まって
いた時代における事ですが、以下そのページおける「シグルズと
シグルドリーヴァの伝承」の紹介です。
+++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
【シグルズとシグルドリーヴァの出会い】
昔むかし、まだ地上に神様がいらっしゃり、神様と人間が
共に暮らしていた頃の物語です。
北欧のフラグランドという国に、4人の王子がおりました。
中でも末っ子のシグルズは頭も良く、武芸も達者で、
その上とても勇敢な若者でした。
シグルズは成人になると、武芸の修行と勉強のために
北欧の国々を一人旅して歩きました。
そんなある時、彼がヒンダルフィアという山の頂きに立つと、
目の前の岩陰からまばゆい光が放たれているのを目撃
しました。
シグルズは不審に思ってその光を確かめようと、恐る恐る
岩陰をのぞいてみたのです。
するとそこには、一人の戦士が倒れていました。
そしてその妖しい光は、彼の着た鎧から放たれていたの
でした。
「何と素晴らしい鎧だ。
これほどのものを身につける戦士は、さぞ名のある英雄に
違いない。」
シグルズはそう思うと、早速戦士を抱き起こし、そっと兜を
脱がせて顔を覗き込みました。
するとどうでしょう。
名のある英雄だと思ったその戦士は、なんと見目麗しい
女性だったのです。
彼女は微かですが、未だ息がありました。
彼は彼女を介抱しようと、彼女のまとった鎧を脱がせた
のです。
すると、今まで輝いていた鎧の光はたちまち消え、それと
同時に彼の腕の中の彼女が眼を覚ましたのです。
「鎧を切ったのは誰。
どうして眠りから覚めたのでしょう。
青ざめた呪いを私から解いてくれたのは誰なのですか。」
シグルズの腕の中で、彼の瞳を見つめる彼女に、彼は
そっと告げました。
「心配は要りません。
私はフラグランドの王子、シグルズです。
あなたをこのような目にあわせたのは一体誰なのですか。」
【幸運の女神シグルドリーヴァ】
「私の名前はシグルドリーヴァ。
私に眠りのルーネ(魔法)をかけたのは、勝利と栄光の神
オーディンなのです……。」
彼女の話によると、彼女はオーディンに仕える戦いの女神、
ヴァルキューレで、昔この地で二人の王が戦ったおり、
オーディンはグンナルという年老いた王に味方し、彼を守る
ために彼女を送ったのですが、彼女はもう一人の若き王
アグナルに恋してしまい、オーディンを裏切ってアグナルを
勝たせてしまったのです。
そしてその報いに、オーディンの呪いによって永い眠りに
ついたという事でした。
「若き英雄シグルズよ、あなたは強さばかりでなく、優しい
人の心を持っていらっしゃる。
助けて下さった御礼に、わがヴァルキューレ族に伝わる
ルーンの魔法を御教えしましょう。
そして戦いの女神ヴァルキューレとして、私があなたを守って
差し上げましょう。」
シグルドリーヴァはシグルズにそう告げると彼の腕の中から立ち上がり、
傍らの岩の上に立って両手を天に差し伸べ、何やら呪文を唱え始め
ました。
「栄えある日、栄えある日の子ら、栄えある夜と姉妹らよ。
優しい目でこの私達を見、私達に勝利を与え給え。
栄えあるアース神、栄えあるアース女神よ、栄えある豊穣なこの
大地よ、誉れ高い私達に、勇気と英知の心得を与え給え。」
彼女は呪文を唱え終えると、傍らのシグルズに歩み寄り、愛と
勇気と英知のルーン(魔法)を教えました。
「信じている恋人に裏切られたくなかったら、愛のルーネを知らなく
てはなりません。
恋人の手の甲に、爪でナウズのルーネを印しなさい。
そしてナウズの護符を、恋人の形見と共に大切にもっている
のです。
そうすれば、恋人は生涯あなたを裏切る事は無いでしょう…」
++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
このシグルドリーヴァがシグルズに魔法を伝えたとされる言葉は、
歌謡エッダの「シグルドリーヴァの歌」と呼ばれるものですが、
その抜粋はこちらに掲載されています。
http://www5b.biglobe.ne.jp/~moonover/2goukan/north-s/rune4.htm
………………
「戦の樹(「戦士」のケニング)よ、力と名声の混ぜられた麦酒を
お持ちしましょう。
その中には呪文と医療のルーネと効目の強い魔法と愛のルーネが
いっぱい入っているのです。
勝利を望むならば勝利のルーネを知らねばなりません。
剣の柄の上に、あるいは血溝の上に、また、剣の峰に彫り、
二度チュールの名を唱えなさい。
信じている女に欺かれたくなかったら、麦酒のルーネを知らねば
なりません。
角杯の上に、手の甲の上に彫りなさい。
爪にナウズのルーネを記しなさい。
角杯を清め、災いに対し身を守り、飲み物の中に韮を投げ入れなさい。
そうすれば、あなたの蜜酒に災いが混ぜられる事は決してないのを
私は知っている。
妊婦の分娩を助けたければ安産のルーネを知らねばなりません。
手の平にそれを彫り、関節を伸ばし、それからディースたちの加護を
願いなさい。…(以下、略)」
………………
わたくし自身、ロールプレイングゲーム(RPG)の類を体験した事は
ありませんが、そうしたゲームの中で「ルーン文字(魔法)」という
ものがしばしば登場するという事を知り、驚いてしまいました。
この文字はただ記したりするだけでは何の効力も発揮しないとは
言われていますが、それでも「オーディン神の大犠牲の上に
得られた」とされるルーンを、ただのゲームの道具として扱って
しまうのもどうかと、個人的には思います。
画像は昔の少女雑誌「マイバースデイ」の中の付録の、
北欧神話の神々とルーン文字のカードの説明ページ
です。
また同誌の別の機会において、北欧神話に登場する
女神「シグルドリーヴァ」が、ルーン文字の護符について
シグルズに伝えたとされる言葉を元に、少々改編した護符と
使用法が紹介された事もありました。
その神話が伝えるのは、未だ神と人間が共に地上に住まって
いた時代における事ですが、以下そのページおける「シグルズと
シグルドリーヴァの伝承」の紹介です。
+++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
【シグルズとシグルドリーヴァの出会い】
昔むかし、まだ地上に神様がいらっしゃり、神様と人間が
共に暮らしていた頃の物語です。
北欧のフラグランドという国に、4人の王子がおりました。
中でも末っ子のシグルズは頭も良く、武芸も達者で、
その上とても勇敢な若者でした。
シグルズは成人になると、武芸の修行と勉強のために
北欧の国々を一人旅して歩きました。
そんなある時、彼がヒンダルフィアという山の頂きに立つと、
目の前の岩陰からまばゆい光が放たれているのを目撃
しました。
シグルズは不審に思ってその光を確かめようと、恐る恐る
岩陰をのぞいてみたのです。
するとそこには、一人の戦士が倒れていました。
そしてその妖しい光は、彼の着た鎧から放たれていたの
でした。
「何と素晴らしい鎧だ。
これほどのものを身につける戦士は、さぞ名のある英雄に
違いない。」
シグルズはそう思うと、早速戦士を抱き起こし、そっと兜を
脱がせて顔を覗き込みました。
するとどうでしょう。
名のある英雄だと思ったその戦士は、なんと見目麗しい
女性だったのです。
彼女は微かですが、未だ息がありました。
彼は彼女を介抱しようと、彼女のまとった鎧を脱がせた
のです。
すると、今まで輝いていた鎧の光はたちまち消え、それと
同時に彼の腕の中の彼女が眼を覚ましたのです。
「鎧を切ったのは誰。
どうして眠りから覚めたのでしょう。
青ざめた呪いを私から解いてくれたのは誰なのですか。」
シグルズの腕の中で、彼の瞳を見つめる彼女に、彼は
そっと告げました。
「心配は要りません。
私はフラグランドの王子、シグルズです。
あなたをこのような目にあわせたのは一体誰なのですか。」
【幸運の女神シグルドリーヴァ】
「私の名前はシグルドリーヴァ。
私に眠りのルーネ(魔法)をかけたのは、勝利と栄光の神
オーディンなのです……。」
彼女の話によると、彼女はオーディンに仕える戦いの女神、
ヴァルキューレで、昔この地で二人の王が戦ったおり、
オーディンはグンナルという年老いた王に味方し、彼を守る
ために彼女を送ったのですが、彼女はもう一人の若き王
アグナルに恋してしまい、オーディンを裏切ってアグナルを
勝たせてしまったのです。
そしてその報いに、オーディンの呪いによって永い眠りに
ついたという事でした。
「若き英雄シグルズよ、あなたは強さばかりでなく、優しい
人の心を持っていらっしゃる。
助けて下さった御礼に、わがヴァルキューレ族に伝わる
ルーンの魔法を御教えしましょう。
そして戦いの女神ヴァルキューレとして、私があなたを守って
差し上げましょう。」
シグルドリーヴァはシグルズにそう告げると彼の腕の中から立ち上がり、
傍らの岩の上に立って両手を天に差し伸べ、何やら呪文を唱え始め
ました。
「栄えある日、栄えある日の子ら、栄えある夜と姉妹らよ。
優しい目でこの私達を見、私達に勝利を与え給え。
栄えあるアース神、栄えあるアース女神よ、栄えある豊穣なこの
大地よ、誉れ高い私達に、勇気と英知の心得を与え給え。」
彼女は呪文を唱え終えると、傍らのシグルズに歩み寄り、愛と
勇気と英知のルーン(魔法)を教えました。
「信じている恋人に裏切られたくなかったら、愛のルーネを知らなく
てはなりません。
恋人の手の甲に、爪でナウズのルーネを印しなさい。
そしてナウズの護符を、恋人の形見と共に大切にもっている
のです。
そうすれば、恋人は生涯あなたを裏切る事は無いでしょう…」
++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
このシグルドリーヴァがシグルズに魔法を伝えたとされる言葉は、
歌謡エッダの「シグルドリーヴァの歌」と呼ばれるものですが、
その抜粋はこちらに掲載されています。
http://www5b.biglobe.ne.jp/~moonover/2goukan/north-s/rune4.htm
………………
「戦の樹(「戦士」のケニング)よ、力と名声の混ぜられた麦酒を
お持ちしましょう。
その中には呪文と医療のルーネと効目の強い魔法と愛のルーネが
いっぱい入っているのです。
勝利を望むならば勝利のルーネを知らねばなりません。
剣の柄の上に、あるいは血溝の上に、また、剣の峰に彫り、
二度チュールの名を唱えなさい。
信じている女に欺かれたくなかったら、麦酒のルーネを知らねば
なりません。
角杯の上に、手の甲の上に彫りなさい。
爪にナウズのルーネを記しなさい。
角杯を清め、災いに対し身を守り、飲み物の中に韮を投げ入れなさい。
そうすれば、あなたの蜜酒に災いが混ぜられる事は決してないのを
私は知っている。
妊婦の分娩を助けたければ安産のルーネを知らねばなりません。
手の平にそれを彫り、関節を伸ばし、それからディースたちの加護を
願いなさい。…(以下、略)」
………………
わたくし自身、ロールプレイングゲーム(RPG)の類を体験した事は
ありませんが、そうしたゲームの中で「ルーン文字(魔法)」という
ものがしばしば登場するという事を知り、驚いてしまいました。
この文字はただ記したりするだけでは何の効力も発揮しないとは
言われていますが、それでも「オーディン神の大犠牲の上に
得られた」とされるルーンを、ただのゲームの道具として扱って
しまうのもどうかと、個人的には思います。