「安西先生、ありがとうございました。」
「いい試合でしたよ、仙道君。次は負けませんよ。」
「楽しみにしております。」にこり。
「牧君を倒してこそ、神奈川県一です。頑張ってください。」
「はい。」
「ありがとうございました。」
湘北のメンバーが田岡に頭を下げる。
「三井。」
「あ!?」
三井の眼は、今にも涙で溢れそうである。
「膝冷やしておけ。お前には、この先もある。」
(あいつには、この先もバスケをやらせたい。)
「あぁ。ありがとうよ。」
三井は、面倒くさそうに答えた。
だが、数日後、三井は、安西、田岡の推薦状が、決め手の一つとなり、県内の大学から推薦をもらうこととなる。
「宮城君、新キャプテンとして、初めて挑んだこの大会。みんなを引っ張ってきてくれてありがとう。」
「先生、負けてしまい申し訳ありませんでした・・・。」
安西は、宮城の肩を軽く叩く。
「三井君、君のあきらめない心が、チームを何度でも蘇らせた。3年間、お疲れ様でした。」
「先生・・・、3年間お世話になりました。」
三井の眼から、大粒の涙が流れ落ちた。
宮城が小声でボソッと言う。
「実質、半年だけどな。」
「何だとーー!こらーー!」
湘北ベンチは、笑いで包まれた。
「流川君、君にはまだやらなければならないことがあります。もっと練習しなさい。努力は裏切りません。」
「うす。」
流川は、崩れるように椅子に腰掛けた。
安西は、その後、選手の一人ひとりに声をかけた。
そして、最後に言う。
「負けたのは、至らなかった私の責任です。君たちはよくやってくれました。お疲れ様でした。」
「おまえらーー!よくやったぞ!!」
歓喜に溢れる陵南ベンチ。
「福田、ナイスプレーだったぞ!」
「越野、植草、山岡もよく頑張った!」
「仙道、お疲れ様!!」
田岡もコートから戻ってきた選手に声をかけ、勝利の余韻に浸る。
隣で、福田も浸る。
「・・・。」ダブルぷるぷる・・・。
「俺、何もしなかった・・・。せっかくのデビュー戦だったのに・・・。三井さんの前だったのに・・・。」
山岡は泣いた。
「あいつがいたら、この結果も変わっていたかもしれないな。」
「それは、どうだかな。」
「自慢の後輩たちだろ?俺は、自慢の後輩たちだ!!」
「ふん!たわけが。」
「素直じゃないな。」にこり。
魚住と赤木の会話に、笑いながら小暮が交じる。
「ハルコちゃーーん!うちらは、帰るよ!駅前のパチンコ屋、今日は回るんでね。」
「うん、頑張ってね!私は、控え室に行ってくる。」
流川親衛隊、仙道親衛隊、三井応援団は消え、代わりに、ベンチ入りできない海南、翔陽両選手が座る。
そして、海南応援団、藤真応援団も位置についた。
「決勝の相手は、陵南か。再び、仙道と対決だな。牧。」
「えぇ、相手にとって不足ないです。だが、もう一人倒しておかなければならないやつがいる。」
「おぉ、そうだったな。さぁ、思いっきり、やってこい!!」
「はい!!!!」
高頭が快く選手を送り出した。
「牧を、海南を倒すのは、うちだ。最後の大会で、うちが優勝し、有終の美を飾る!ゴール下は、頼んだぞ、花形!」
「おう、任せておけ!」
「よし。行くぞ!!」
「シャー!!」
-----------------------------------------------
選抜神奈川県予選、準決勝
湘北×陵南
湘北 88
陵南 89
【湘北】赤 88
#4 宮城 10P 10A
#5 安田 4P
#6 潮崎 0P
#7 流川 36P 7A 11R
#8 角田 8P
#9 三井 30P(3P7本)
【陵南】白 89
#4 越野 11P
#5 植草 6P
#6 菅平 8P
#7 仙道 35P 13A 10R
#8 福田 29P
#12 山岡 0P
-----------------------------------------------
IH最強の王者山王工業を破る偉業を成し遂げた湘北高校バスケットボール部は、
選抜神奈川県予選、準決勝で陵南に破れ、敗退する。
天才エース仙道彰率いる陵南高校が決勝進出を決めた。
この日、中学MVP 湘北高校の三井寿は、本日を持って、高校バスケ界から引退した。
#01 陵南 選抜編 終了
#02 翔陽 選抜編 に続く。
「いい試合でしたよ、仙道君。次は負けませんよ。」
「楽しみにしております。」にこり。
「牧君を倒してこそ、神奈川県一です。頑張ってください。」
「はい。」
「ありがとうございました。」
湘北のメンバーが田岡に頭を下げる。
「三井。」
「あ!?」
三井の眼は、今にも涙で溢れそうである。
「膝冷やしておけ。お前には、この先もある。」
(あいつには、この先もバスケをやらせたい。)
「あぁ。ありがとうよ。」
三井は、面倒くさそうに答えた。
だが、数日後、三井は、安西、田岡の推薦状が、決め手の一つとなり、県内の大学から推薦をもらうこととなる。
「宮城君、新キャプテンとして、初めて挑んだこの大会。みんなを引っ張ってきてくれてありがとう。」
「先生、負けてしまい申し訳ありませんでした・・・。」
安西は、宮城の肩を軽く叩く。
「三井君、君のあきらめない心が、チームを何度でも蘇らせた。3年間、お疲れ様でした。」
「先生・・・、3年間お世話になりました。」
三井の眼から、大粒の涙が流れ落ちた。
宮城が小声でボソッと言う。
「実質、半年だけどな。」
「何だとーー!こらーー!」
湘北ベンチは、笑いで包まれた。
「流川君、君にはまだやらなければならないことがあります。もっと練習しなさい。努力は裏切りません。」
「うす。」
流川は、崩れるように椅子に腰掛けた。
安西は、その後、選手の一人ひとりに声をかけた。
そして、最後に言う。
「負けたのは、至らなかった私の責任です。君たちはよくやってくれました。お疲れ様でした。」
「おまえらーー!よくやったぞ!!」
歓喜に溢れる陵南ベンチ。
「福田、ナイスプレーだったぞ!」
「越野、植草、山岡もよく頑張った!」
「仙道、お疲れ様!!」
田岡もコートから戻ってきた選手に声をかけ、勝利の余韻に浸る。
隣で、福田も浸る。
「・・・。」ダブルぷるぷる・・・。
「俺、何もしなかった・・・。せっかくのデビュー戦だったのに・・・。三井さんの前だったのに・・・。」
山岡は泣いた。
「あいつがいたら、この結果も変わっていたかもしれないな。」
「それは、どうだかな。」
「自慢の後輩たちだろ?俺は、自慢の後輩たちだ!!」
「ふん!たわけが。」
「素直じゃないな。」にこり。
魚住と赤木の会話に、笑いながら小暮が交じる。
「ハルコちゃーーん!うちらは、帰るよ!駅前のパチンコ屋、今日は回るんでね。」
「うん、頑張ってね!私は、控え室に行ってくる。」
流川親衛隊、仙道親衛隊、三井応援団は消え、代わりに、ベンチ入りできない海南、翔陽両選手が座る。
そして、海南応援団、藤真応援団も位置についた。
「決勝の相手は、陵南か。再び、仙道と対決だな。牧。」
「えぇ、相手にとって不足ないです。だが、もう一人倒しておかなければならないやつがいる。」
「おぉ、そうだったな。さぁ、思いっきり、やってこい!!」
「はい!!!!」
高頭が快く選手を送り出した。
「牧を、海南を倒すのは、うちだ。最後の大会で、うちが優勝し、有終の美を飾る!ゴール下は、頼んだぞ、花形!」
「おう、任せておけ!」
「よし。行くぞ!!」
「シャー!!」
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選抜神奈川県予選、準決勝
湘北×陵南
湘北 88
陵南 89
【湘北】赤 88
#4 宮城 10P 10A
#5 安田 4P
#6 潮崎 0P
#7 流川 36P 7A 11R
#8 角田 8P
#9 三井 30P(3P7本)
【陵南】白 89
#4 越野 11P
#5 植草 6P
#6 菅平 8P
#7 仙道 35P 13A 10R
#8 福田 29P
#12 山岡 0P
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IH最強の王者山王工業を破る偉業を成し遂げた湘北高校バスケットボール部は、
選抜神奈川県予選、準決勝で陵南に破れ、敗退する。
天才エース仙道彰率いる陵南高校が決勝進出を決めた。
この日、中学MVP 湘北高校の三井寿は、本日を持って、高校バスケ界から引退した。
#01 陵南 選抜編 終了
#02 翔陽 選抜編 に続く。