endy's teapot

今朝のSKshow!

今どきの産経抄(10/11)「腐食した日本人」

2004年10月13日 | skshow
原文はこちら

論理構造タイプ: 落語枕型
出現テクニックさげ 落語枕 一部の人 といえば 事例紹介
インプレッション:産経らしさ ◎ 構造の魅力 ◎ 読みごたえ △

●分析前の一言
変わらぬ主張の数行以外はすべておまけなのですが,
そのおまけがおもしろいかどうか.
パラグラフごとにばらして書くとテンポがでないので,ここでまとめてしまいます.
台風-(といえば)→台風一過
台風一過-(といえば)→東京五輪の時の天気
東京五輪-(といえば)→大量生産,消費,廃棄の始まり
大量生産-(といえば)→腐食のはじまり
故に,東京五輪-(といえば)→腐食のはじまり
腐食-(といえば)→日本人の魂と精神をむしばむ
という推移(といえば)が続いている.なるほどと思うかどうか読者次第.
蝕んだという主張をして

・敗戦国病と自虐史観は、海の砂の塩分
・周辺諸国の「反日」や「侮日」の仕掛けにも、はれものにさわるようなあんばい。
・多くの文化人や評論家は、複眼思考も平衡感覚もない反米論で世間に迎合する。
・政治家は政治家で確かな国家観も歴史観も吐露しない。
と持論を例示

短いといえばを繰り返し,飛躍につぐ飛躍をして,
最後に
“憂国の台風は“一過”とならない”
冒頭の台風の比喩を持ってきてキュッと下げる.

個人的にはおもしろいので今日はこれを取り上げます.
しかし,台風から書き起こして,大量消費が精神を蝕んで,国家感を失ったっていう推移律はりっぱ.鰯の頭も国家感って感じ.


●分析結果

・第1パラグラフ
 [概要]  話題の提供
 [論理構造]
 [中心人物]
 [分析] 小さな「といえば」をたたみかけることに一気東京オリンピックへ
台風22号→台風一過→40年前のオリンピック
→第2パラグラフ
 [概要] 事例紹介
 [論理構造]
 [中心人物]
 [分析] 東京オリンピックの紹介

→第3パラグラフ
 [概要] 筆者の主張
 [論理構造]
 [中心人物]
 [分析] 天気は晴れて明るい話へ行くのかと思いきや、「弔鐘」というキーワードを放ち暗い話への予兆としている

→第4パラグラフ
 [概要] 事例紹介 筆者の考察
 [論理構造]
 [中心人物]
 [分析] 大量消費の例としてコンクリ
「塩」を腐食の象徴として用いる

→第5パラグラフ
 [概要] 筆者の主張
 [論理構造]
 [中心人物]
 [分析] 「塩の腐食といえば」
→日本人の魂の腐食
ここがいつもの主張で核の部分

→第6パラグラフ
 [概要] 筆者の主張 さげ
 [論理構造]
 [中心人物]
 [分析] 台風22号から始まった連鎖は
「憂国の台風は“一過”とならない。」
でさげとなる



●今日のあとがき