トレインタッチ

徒然なる想いを31文字に添えて

陽だまりの 路に咲いてる ひなげしの

2018-05-18 22:04:44 | 日記



     陽だまりの 路に咲いてる ひなげしの
       隠れ美にして 凛とたたずむ










 蒸し暑さが今日も続いてる
 初夏なのだろう
 6月に見頃になるはずの紫陽花も
 最早準備万端だ
 
 暑がりの僕にとっては
 半分嫌で 半分楽しみな
 その半分は勿論ビールかアイスクリームか
 スイカや桃も大好きだ

 もう
 夏なのかしら

 北から涼しい風が
 吹いてはいるけど

 去り逝く人も
 四季を感じているのだろうか


    初恋亭夢中

トレインタッチ 小説風1

2018-05-12 23:03:28 | 日記

 こうも当たらない天気予報は 正直ウンザリだ
 けど どちらかと言えば優しい雨は嫌いじゃない
 正面の窓に流れる水滴の筋を見ながら
 さて今日はどうしようかと思い悩んでいた

 鉢植えのパンジーや先輩の奥さんに貰ったシクラメンには
 自然に掛かる当たり前の水滴は
 僕が与える水道水よりも もしかするとウレシイ事なのかもしれない
 優しい雨はキレイに咲いた花にとってかけがえのない
 大切な人のようなものなのかもしれない

 ピーピーとガスコンロのやかんが鳴り始めた
 やかんの口を上に開けて 2、30秒間
 沸騰させるのが常だった
 そこまで神経質にならなくても大丈夫だよ 
 と言われた 過去の記憶を思い出す

 見かけより繊細なのは後天的なものだろうし
 全てにおいてこういった性格ではないけど
 何かの拍子に固まってしまったルーティンは
 そう簡単には戻らなくなっていた
 
 会社に勤めてた頃には
 毎日の流れの中にそこかしこと決め事があった
 駅までの途中に小さな駐車場がある
 車道を通っても5秒と違わないのに
 そこの間をすり抜けないと気が済まなくて
 それも一番右の車止めブロックの左を
 必ず通っていた


     初恋亭夢中
 

伝言板 届かぬ想い 書き記す

2018-05-04 23:45:45 | 日記



     伝言板 届かぬ想い 書き記す
       13字詩の トレインタッチを











 しとしととよく降る雨だった
 ホームにすべり込んだ電車を降りると
 僕は しばらく近くのベンチに腰掛けて
 降りた乗客が階段を上って改札口へ
 通り過ぎるのを待っていた
 人影が少なくなったところで
 やっとのこと僕は階段を上り
 改札口を出て
 左側の伝言板のところへ行くのだった
 いつものようにそこには
 拾得物の連絡や待ち合わせの合図のような
 時間を連想させる暗号数字や
 省略化された場所の頭文字が
 昭和を醸し出すように描かれていた


 伝言板
 ほとんどと言っても良いスマホの時代に
 それが置いてある駅は珍しく
 かえってそれが創造の意欲を掻き立てるのだった
 伝言板が過去のものとしてでは無く
 立派にその役目を果たしている
 大概は落とし物の連絡やチョットしたイタズラ書き
 誰かが描いた微妙な絵が載せられていた


 いつもスペースが埋まってしまう事は無く
 空いた二行分は僕には十分だった
 恥ずかしさが先に立ち
 ささっと描いてすぐに立ち去った最初の頃より
 今は後ろを通り過ぎる人をやり過ごす程に
 気持ちは座って来た

 
 こんな事をしてどうなる訳でも無いのは解っている
 好きなら好きと直接言えばいいものを
 わざわざ小道具らしきものを使って
 そして何よりも
 彼女がこの詩を見やる事が有るのかどうか
 朝の忙しい時には素通りされ
 帰りにはもう黒板には消されて無くなってしまい
 元の木阿弥に

 それでもこんな事を続けるのは
 いつか叶うと信じた
 自分自身の夢物語の為だけなのかも知れない


 12時を過ぎると伝言板は消されていたが
 次の日もその次の日も
 消されないで残されていた
 どういう風の吹き回しか
 優しい駅員さんの粋な計らいなのか
 感謝しながら
 僕は帰りの電車に乗り込んだ
 
   初恋亭夢中 

雨の日の 淋しさ包む 珈琲の

2018-05-02 22:39:56 | 日記



     雨の日の 淋しさ包む 珈琲の
       やすらぐかほり 遠い日の夢












 これから関東は大雨と強風になるとの予想

 雨は嫌いじゃないけど

 やっぱりしとしとと降る雨がいいかも

 ベランダのその先の公園を眺めながら

 珈琲を燻らせるのも良いもんだ



 ついでに想い出の香りも引き出して


    初恋亭夢中