ちょっとポカポカした日になると
とても懐かしく思い出すシーンがあります。
子どもの頃、春になると、私はふらふらと近所へ出かけました。
田んぼの土手周りの草が
長い冬の間、雪の下で枯れ果てて
雪が解けてしばらくたつと、いい具合の柔らかさになるのです。
地面はすでに乾いているので、お日様の光を受けながら
その枯草のベッドで昼寝をすると、最高!!なのです。
その期間は限られていて
新しい草が生えはじめると、寝ていてもじめじめしてくるのでアウト。
小学校入学前の私が、なぜかその場所と期間をリサーチしてあって、
天気が良くなると、それらの場所へ行ってはひたすら、昼寝をしていました。
はたから見ると、変な子どもです。
ある日、母に
と言って、叱られてしまいました。
でも、たぶん私は止めなかったと思います。
本当に至福の時間 だったのです。
小学校に入学して、仲の良い友達を通学途中で見つけた枯草ベッドに誘いました。
友達は、何が面白いんだ??
という顔。
自分の至福は、他の人の至福にはならないのだと、
その時悟ったのでした。
秋や春のポカポカした日になると
枯草のにおいとともに思い出します。