以前彫刻シンポジムに参加した時。「君ほどここで楽しんでいるもんは居ないね。」とある先輩彫刻家から言われた事が有った。毎年蛭川の「石彫のつどい」で、私は一人その場でしか出来ない釣りを楽しむ。鮎釣りなのだが、ここでの短い日々は既に非日常であって、一般の人から見たらそれだけでかなり楽しんでいるように見えるだろうと思う。毎日同じ宿に皆で泊まって夜遅くまで宴会をし、自分達で思い思いの食材を作りもてなす。私はこの期間一日鮎釣りをして、釣れた鮎を皆に振る舞う。塩焼き、鮎めし、天ぷらに味噌田楽。・・・ある作家がこんな事をしている私に対して、「村の人たちが作家を招いているのに、そんな風に遊んでいてもいいのか!?」と厳しく言ってきた事が有った。酒の席でもあったのだが、私は「招き入れられた以上の仕事をして、作る物で納得させれば、その間なにをしていても良いじゃないか。ここでしか味わえない非日常を楽しんで何が悪いのだ?」と応えた。その後かれは口をつぐんだのだが、生きている上でその場その場を楽しみ、人との交わりを大切にしている事は私にとっては物を作っている事と同じくらいに大切な事なのだ。彼には彼なりの生き方が有って、私の奔放さが目に付いたのだろう。
普段の生活でも私はどんな状況でも自分のスタンスを崩さずに生きている。日記彫にしてもその日を楽しむ事の一つになった。
人生を楽しむという事をそんなには簡単な言葉で片付けられないかもしれないのだが、自分から何かアクションを起こさない限り生きる事は楽しめないのかもしれない。
日記彫 NO,93
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