藤枝晃『文字の文化史』 岩波書店 1972/12/30 2刷
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この本は文庫本にすべきではないと力説しておく。理由は、插図が102枚と豊富なことである。すべての插図が著者にとって重要な意味を持つ。文庫版ではサイズが縮小されて著者の意図がその分半減してしまうと考える。
藤枝晃氏の遺した書籍はこの一冊だけのようである。(他に『敦煌学とその周辺』というブックレット?が出ているようだ) なるほどと思うほど文章がよく練られている。この一冊だけが一般向けとして刊行されたのであろう。それまでは学者さんですから、学協会誌の論文となるのであろうが、残念ながら国会図書館あたりでしか読めない。藤枝晃の名を知ってから、薮内清『支那の天文学』(恒星社 1933/10/15)を再読した。薮内の本で藤枝学士として登場するのが、この藤枝晃のようである。
いい本です。わたしの不詳分野(書道、金石文など)が含まれるために、目次を転載して紹介とさせていただきます。
目次
- 殷人の絵文字
象形から文字 部族標識 動物の図象 組み合わせ図像 原始的象形文字 - 神々との対話
甲骨の出土とその解読 亀の甲の占い 神への問いかけと返答 神と人との間柄 - 饕餮(トウテツ)の背面
饕餮文様 殷周の青銅器 金石古文学 殷の金文 周の金文 - 皇帝の文字
始皇帝の天下統一 文字改革 篆書 石刻 度量衡 篆書のその後 - 政治の文字
木簡の発現 木簡の現状 木簡のかたち 隷書 居延筆 木簡の内容 木簡の年代 木簡の出土地点 長城のまもり 破磔の権威 刀筆の吏 政治の文字 - 印章
印の古さ 古璽 漢印のかたち 綬 印の使い方 印の遺品 後代の印章
- 絹
絹の書き物 文字を書いた絹布の発見 楚の帛書 「楚の帛書」シンポジウム 帛書の展観 - 紙の出現
偉大なる発明 楼蘭文書 木簡と紙との接点 李柏文書 李柏文書の解釈 李柏文書の用紙 敦煌烽ホウ址出土のソグド語文書
- 巻物の尊厳
木簡から巻子本へ 巻子本の遺品 巻子本のかたち 巻物の尊厳 楷書 隷から楷へ 北鹿南兎の説 楷書の極相 秘書省 - 古文書
古文書と古文書学 敦煌文書 トルファン文書 唐の公文書 - 新しい書物のかたち
折本と貝葉 冊子本 敦煌におけるペン書き - 漢字の周辺
中国の周辺 突厥文字 ウイグル文字 チベット字 日本の仮名 契丹文字 西夏文字 女真文字 - 印刷のはじまり
書物の革命 印から印刷へ 百万塔陀羅尼 東大寺のおふだ 敦煌の印刷物 - 不滅への願い
石刻 碑誌の文書 石碑の文字 拓本 石経 - 木版印刷
石経から印刷へ 一切経の印刷 宋版 明朝体の実現 - 活版印刷
畢昇の活版法 王禎の『農書』 木活字 現存最古の活字本 洋式の活版
(参考までに)
ブログにしては、目次の打ち込みに難儀しました。表示を見易くするために、ソースは相当に詰まって見難い状態です。
「おれは、カリスマだ、権威者だ」と自分から言い出す、お年寄りが見受けられますが、顰蹙を買うだけです。明晰な頭脳と、確固とした業績を持ち、廻りから尊敬を得て、権威となるのでしょう。
そんなことを考えながら...藤枝晃は敦煌学の権威と想います。後の研究によって、だったが付くのは、世の習いで致し方ないのですが、現在の敦煌学ではまだ、だったは付いていないようです。
2005/05/01 ものずき烏 記
文庫本を愛して頂いているみなさまにすこしでも「文庫OFF」を知って頂ければと思い始めた試みでしたが、私どもの配慮がかけておりました。
「文庫OFF」は、本を愛するみなさまに「インターネットを使って、安くて良質な本が読める」環境を提供し、日本の活字文化の興隆に貢献できるよう、これからも一生懸命に努めて参ります。
このブログは、本日をもって閉鎖させて頂きます。
この度は、多大なご迷惑をおかけしましたこと、重ね重ね、深くお詫び申し上げます。
わたしは、著者(藤枝晃)の意向を尊重して、「この本は文庫にすべきではない」と書いているのですよ。
文庫の記事に対してのトラックバックなら、判るような気もしますが...本を知らぬ書店は、利用したくない気持ちになりました。
Linux MP3 Sharing
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ロシア?
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ロシア (RU) !!!!!!