’68頃、日本グラモフォンかポリドールで出ていたと思うのですが、長いこと入手できませんでした。これは80年代末か90年代初頭、徳間ジャパンでプレスした、たぶん最後のLPでしょう。このあとは当然の如くCD。
CROYDON CONCERT: Ornette Coleman
"An Evening With Ornette Coleman" ( Croydon Concert ) Freedom(JPN)25BLL-3008/3009 Sounds And Forms For Wind Quintet (Movement 1~10) * Sadness / Clergy man's Dream Falling Stars / Silence Happy Fool / Ballad / Doughnuts Ornette Coleman (as,violin,tp) David Izenzon (b) Charles Moffet (ds) * Virtuoso Ensemble Edward Walker (fl) Derek Wickens (oboe) Sidney Fell (cl) Cecil James (bassoon) John Burden (horn) 1965/08/29徳間といえば『オハイオ・ユニオン』という幻の名盤を復刻したので、わたしには有名です。この『クロイドン・コンサート』の盤は、シングル・ジャケットに内袋にいれたレコードが二枚重ね。お手軽ではと思いますが、そのうち投稿予定のアンソニー・ブラックストンの『フォー・アルト』の英国盤がこの形態でしたので、オリジナルを尊重したものでしょう。ということは’68に出た国内盤は、ジャケットでモディファイがあったことになりますが、当時その盤は、SJ誌のジャズ・ディスク大賞の銀賞だか金賞だったんですよ。まぁ、ジャケットを気にするのは、それだけわたしの浸透が浅いということなんですがね。SPレコードを御覧なさい、内袋だけでジャケットなんかありません。それで録音がダイレクト・カッティングという優れものでLPよりいい音で再生できるんです。
『タウン・ホール 1962』には弦楽四重奏という、ジャズという庶民的な音楽とはかけ離れた、高級そうなものが入っていました。このアルバムには管楽五重奏(音学ではなんとよぶ?→これでいいみたい。Wind Quintets)が、のっけから入っています。オーネット・コールマンが入っていない演奏を短いけど10曲も続けられます。このクラシック指向の現代音楽風の不気味ともいえる音楽をイントロダクションにして、なにが始まる。怪談映画のドロ・ドロみたいだね。
前座の管楽五重奏を引き継ぐように、ベースのアルコ弾きが、またもや不気味な前奏。オーネット・コールマンのアルトが出てきて、ほっと一安心。やっぱし、リズムを強く打ち出して貰わんことには、楽しめない。
Falling Stars ではオーネット・コールマンがヴァイオリンを弾きます。弦楽四重奏でなくて管楽五重奏を前座にしたのは、この都合もありそうです。尚且つトランペットも吹きますが、かつてのメンバーのドン・チェリー(tp)に似ています。このトラックだけでも面白い。
このアルバム。トータルで1時間18分02秒、時間が許せるときに、管楽五重奏をふくめて通しで聴くべし。(言っておくけど、ラジオ放送にリクエストしたって、かかりっこないよ。)
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2006/02/02 ものずき烏 記
(参考記事)
2005-06-12 オーネット・コールマン:チャパクア
2006-02-01 オーネット・コールマン:タウン・ホール 1962
ネット・サーフィンしていましたら徳間ジャパンがフレッシュ・サウンド(スペイン)から著作権で訴えられているのを見つけました。この『クロイドン・コンサート』も復刻のシリーズのようです。裁判の内容はチンプンカンプンですが、創作活動をした演奏家は蚊帳の外じゃないかな...。そしてジャズ・ファンにも係わり合いがなさそ~。アブストラクトを転載し、URLをつけておきましたが、リンクはさせておりません。「甲が乙を...」という文体で、読む気も起きない。
1999年9月9日 ジャズレコード事件
大阪地裁/判決・請求一部認容、一部棄却
スペインの音楽レコード会社とレコードの輸出入販売会社は、徳間ジャパンコミュニケーションズ他が、アメリカのジャズ・レコード製作会社からライセンスを得て製作販売しているレコードが、著作隣接権を侵害し、かつそのジャケットが著作権を侵害するだけでなく、不正競争防止法に触れるとして、レコードの販売差し止めと謝罪広告を求めた。裁判所は、著作隣接権については平成8年改正法施行前に製作されたものには及ばないとした。ただ、4枚のレコードのうち、1枚のジャケットのみ原告の著作物と認め、その販売を禁じたが、他は原盤ジャケットの複製として請求を却下、また謝罪広告も認めなかった。
http://www.translan.com/jucc/precedent-1999-09-09a.html
2000年7月28日 ジャズレコード事件(2)
大阪高裁/判決・控訴棄却
レコードの輸出入販売会社は、徳間ジャパンコミュニケーションズ他が、アメリカのジャズ・レコード製作会社からライセンスを得て製作販売しているレコードが、著作隣接権を侵害し、かつそのジャケットが著作権を侵害するだけでなく、不正競争防止法に触れるとして、レコードの販売差し止めと謝罪広告を求めた。裁判所は、著作隣接権については平成8年改正法施行前に製作されたものには及ばないとした。ただ、4枚のレコードのうち、1枚のジャケットのみ原告の著作物と認め、その販売を禁じたが、他は原盤ジャケットの複製として請求を却下、また謝罪広告も認めなかった。この事件は平成8年法改正によって、著作隣接権の新法以前に遡及することとの関係もあり、原告は差止めを求めて控訴したが、裁判所は、被告は平成9年2月13日以降、商品の販売を中止していて、新たに複製して販売するおそれがないとし、また他の請求もみな棄却した。
http://www.translan.com/jucc/precedent-2000-07-28.html