初期オーネット・コールマンのベーシストであったチャーリー・ヘイデンです。チャールス・ミンガスやマックス・ローチの場合は人種の問題で主張したのですが、この人は鯨の問題で主張しています。わたしは、この点だけが気に入らない。LIBERATION MUSIC ORCHESTRA /
堅いことはおいて置いて、この作品はカーラ・ブレイの特徴がよく出た作品だと思います。この時代のピンク・フロイドの『原子空母』も引っ張りだして聴いたのですが、ブラスのアンサンブルがよう似ている。ピンク・フロイドも、カーラ・ブレイも時代を反映した音楽を作っていたんだ。
前作から十二年も経過しているのには、サウンドが変わり映えしていません。この編成はプロジェクト(一時的なもの)ですから、制服着用の給与が保障された恒久的軍楽隊(警察、消防、自衛隊)とちがってコンダクターが絶対権力を持ちづらい、民主的な音色です。下手に聴き間違えると、ジンタ(『天然の美』)を演奏すサーカスの伴奏。でもこの『リベレーション・ミュージック・オーケストラ』はこのジンタ風なサウンドが持ち味です。ブラス・バンドで哀愁が漂うのも不思議ですが、その哀愁からソリストの表現が展開されます。
さて、政治的テーマですが、輸入盤で日本語解説がついていません。曲のタイトルから類推する方法もあるのでしょうが...、わたしはスペインを想起しました。フランコ政権末期のこの時代で、フランコと、民衆の苦悩そして闘い。違うかな...違ってもいいもんです。聴いた人の持つ記憶で、筋立てを組み立てればいいんです。
この作品のテーマは何でしょう。夢を視つづける(Dream Keeper )。その夢が、いまいちわたしには、わかりません。クリスマス・コーラル風のメロディーも入っているし、息が続く限りのアルト・ソロも入っている。終わり近くで、アコースティック・ギターとベースのピチカットでのデュエットで、またしてもスペインを連想してしまうアホなわたし。(解説、読んでみっか...。)今のところ、コーラスが重要な働きをしていると感じました。
ディスク・ユニオン配下のマイナー・レーベルでの発売です。この手の音楽は売り難くくなったのが、時代の風潮ですかね。第一作はSJジャズ・ディスク大賞(金賞)だったと思います。根強い人気があるので、もう少しマーケットが広いといいですね。別にDIWが悪いというのではありませんが、国内盤だから割高で、売り場で手を出し難い。
この三枚、参加人数が多い分、収録時間も、51分54秒、51分51秒、48分38秒と長めになっています。
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2006/02/04 ものずき烏 記
(投稿済みのチャーリー・ヘイデン)
LIBERATION MUSIC ORCHESTRA /
THE BALLAD OF THE FALLEN /
DREAM KEEPER: Charlie Haden
"Liberation Music Orchestra" Impulse(USA)MCA-39125 The Introduction / Song Of The United Front / El Quinto Regimiento / Los Cuatro Generales / Viva La Quince Brigada / The Ending To The First Side Song For Che / War Orphans / The Interlude / Circus '68 '69 / We Shall Overcome Perry Robinson (cl) Gato Barbieri (ts,cl) Dewey Redman (as,ts) Don Cherry (cornet,indian wood & bamboo fl) Mike Mantler (tp) Roswell Rudd (tb) Bob Northern (frh,hand wood blocks,crow call, bells,military whisle) Howard Johnson (tuba) Paul Motian (perc) Andrew Cyrille (perc) Sam Brown (g,tanganyikan guitar,thumb piano) Carla Bley (p,tamboutine) Charlie Haden (b,violin) 1970/04/27 28 29カーラ・ブレイに発表の場を提供するということではゲーリー・バートンが先駆けだったのです。『葬送』の場合は一つの作品として完結していたのですが、『リベレーション・ミュージック・オーケストラ』は政治的主張を含みますので、いまだに継続していることになるのでしょう。その第一作は’68のシカゴ民主党大会に触発されたと解釈します。このシカゴ民主党大会で何があったか、残念ながらわたしは未詳です。でもこの事件に触発された若者は、音楽で主張を始めたのです、ロック・グループのシカゴしかり、そしてこの『リベレーション・ミュージック・オーケストラ』です。ラストで演奏される「ウイ・シャル・オーバーカム」。これは闘うフォーク・ソングですよ。ベトナム戦争を忌避し始めた時代だったんです。日本も学生運動がいたるところで巻き起こっていた時代です。結果は赤軍派事件が象徴するように、行動しても敗れる、そして政治に対してはシラケという風潮ですね。政治家には悪い奴がなりたがるのが常ですので致し方なし。
堅いことはおいて置いて、この作品はカーラ・ブレイの特徴がよく出た作品だと思います。この時代のピンク・フロイドの『原子空母』も引っ張りだして聴いたのですが、ブラスのアンサンブルがよう似ている。ピンク・フロイドも、カーラ・ブレイも時代を反映した音楽を作っていたんだ。
"The Ballad Of The Fallen" ECM(GRM)1248 Els Segadors / The ballad Of The Fallen / If You Want To Write Me / Grandola Vila Morena / Introduction To People / The People United Will Never Be Defeated / Silence Too Late / La Pasionaria / La Santa Espina Charlie Haden (b) Carla Bley (p,glockenspiel) Don Cherry (pocket trumpet) Sharon Freeman (frh) Mick Goodrick (g) Jack Jeffers (tuba) Michael Mantler (tp) Paul Motian (ds,perc) Jim Pepper (ts,ss,fl) Dewey Redman (ts) Steve Slagle (as,ss,cl,fl) Gary Valente (tb) 1982/11『リベレーション・ミュージック・オーケストラ』の二作目。タイトルに、『リベレーション~』と打ってないが、チャーリー・ヘイデンとカーラ・ブレイのブラス・バンドは『リベレーション・ミュージック・オーケストラ』。
前作から十二年も経過しているのには、サウンドが変わり映えしていません。この編成はプロジェクト(一時的なもの)ですから、制服着用の給与が保障された恒久的軍楽隊(警察、消防、自衛隊)とちがってコンダクターが絶対権力を持ちづらい、民主的な音色です。下手に聴き間違えると、ジンタ(『天然の美』)を演奏すサーカスの伴奏。でもこの『リベレーション・ミュージック・オーケストラ』はこのジンタ風なサウンドが持ち味です。ブラス・バンドで哀愁が漂うのも不思議ですが、その哀愁からソリストの表現が展開されます。
さて、政治的テーマですが、輸入盤で日本語解説がついていません。曲のタイトルから類推する方法もあるのでしょうが...、わたしはスペインを想起しました。フランコ政権末期のこの時代で、フランコと、民衆の苦悩そして闘い。違うかな...違ってもいいもんです。聴いた人の持つ記憶で、筋立てを組み立てればいいんです。
"Dream Keeper" DIW(JPN)8045 Dream Keeper / Rabo De Nube Nkosi Sikelel'I Afrika / Sandino / Spritual Carla Bley (cond) Charlie Haden (b) Dewey Redman (ts) Joe Lovano (ts,fl) Branford Marsalis (ts) Ken McIntyre (as) Tom Harrell (tp,flh) Earl Gardner (tp) Sharon Freeman (frh) Ray Anderson (tb) Joe Daley (tuba) Amina Claudine Myers (p) Mick Goodrick (g) Paul Motian (ds) Don Alias (perc) Juan Lazzaro Mendolasd (pan pipes,wood flutes) The Oakland Youth Chorus Elizabeth Min (dir) 1990/04/04 05『リベレーション・ミュージック・オーケストラ』の三作目。コーラス・グループが参加しています。続けて聴くと、初期のメンバーで欠けてしまった人が目立ってきましたね。でもジンタ風のサウンド構成は維持しています。
この作品のテーマは何でしょう。夢を視つづける(Dream Keeper )。その夢が、いまいちわたしには、わかりません。クリスマス・コーラル風のメロディーも入っているし、息が続く限りのアルト・ソロも入っている。終わり近くで、アコースティック・ギターとベースのピチカットでのデュエットで、またしてもスペインを連想してしまうアホなわたし。(解説、読んでみっか...。)今のところ、コーラスが重要な働きをしていると感じました。
ディスク・ユニオン配下のマイナー・レーベルでの発売です。この手の音楽は売り難くくなったのが、時代の風潮ですかね。第一作はSJジャズ・ディスク大賞(金賞)だったと思います。根強い人気があるので、もう少しマーケットが広いといいですね。別にDIWが悪いというのではありませんが、国内盤だから割高で、売り場で手を出し難い。
この三枚、参加人数が多い分、収録時間も、51分54秒、51分51秒、48分38秒と長めになっています。
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2006/02/04 ものずき烏 記
(投稿済みのチャーリー・ヘイデン)