50のひとり言~「りぷる」から~

言葉の刺激が欲しい方へ。亡き父が書きためた「りぷる」(さざ波)を中心に公開します。きっと日常とは違った世界へ。

「閨房、寝間だけだねそれは」

2015-12-28 00:22:35 | 小説
「閨房、寝間だけだねそれは」
冗談にしろ藪蚊には気をつけようと思った。
「夏子さんには勝てません、所詮は」
幸男はそう言って従うことにしたものだが、夏子に、おなかをこわしたのねと言われそうだった。皮肉には長けている夏子だからだ。

(つづく)

「しょっちゅうパチンコにきているわけでもない。・・・

2015-12-26 10:02:46 | 小説
「しょっちゅうパチンコにきているわけでもない。今日は道江とカルチュアセンターにでかけないそうだな。タマにはって、ぼくは言われて、許可を得てきている」
「三十すぎは危険なお歳ごろ。私にかくさなくてはいけないことでも」

(つづく)

知りあいにそうされた気がした瞬間後、幸男と・・・

2015-12-24 20:53:38 | 小説
知りあいにそうされた気がした瞬間後、幸男とわかってぽかんとし見守ってみる。
「パチンコか、まさか、とするとデートか」
薄らとぼける幸男でパチンコ店にまぎれこめば、よかったのだと幸男はすぐ後悔する。夏子は店内にはいることはないだろうし・・・・・・。

(つづく)

一つの確信に近く、一度そうなるとゆるぎそうになくて・・・

2015-12-23 06:44:15 | 小説
一つの確信に近く、一度そうなるとゆるぎそうになくて始末がつかなくなった。で母に子供たちを託して飛びだしてきている。
「今以上に何を望んでどうなると言うのよ」
と幸男向けに呟いてみる。
「よっ」
と言われて肩に触れられ、夏子はまさか本人だとは思わなかった。

(つづく)