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数学が苦手な人ほどオススメの一冊

2006-02-03 | 愛すべきモノ
久々に小説を買って読みました。数年前は年間で60冊近くの本を読んでいた時期もありましたけど、最近ではそんな生活から遠ざかっていました。

読んでいたのは、『博士の愛した数式』。映画化もされたり、文庫で100万部売れたりと最近何かと話題の一冊です。

どのような話かというと、事故で記憶が80分しかもたなくなってしまった「博士」と、その家にきた「家政婦」、そしてその息子の「√(ルート)」による日々のふれあいの物語。
特別何があって、こんな事件が起きてという物語ではなく、3人が送る日常を綴ったものなんですけど、とても暖かい物語です。そして、どこか淋しい物語でもあるという印象を受けました。

映画では「博士」を寺尾聰が、「家政婦」を深津絵里が演じているようですが、その予告を見たせいか、本を読んでいてもその二人が出てきます。でも、その二人がぴったり合っている感じでまったく違和感はありません。

「博士」が、いろいろな数式や数字にまつわる話をしてくれるシーンがたくさん出てくるのですが、どれも数学の世界に止まらない「真理」を教えてくれているような感じがします。
そしてそこに出てくる数式や数字を読んでいても、「数学」という感じではなく、一つ一つが物語りのようにさえ感じられます。だから、「数学が苦手な人ほどオススメの一冊」なんです。

数式や数字の話もさることながら、私の印象に残っているのが「家政婦」の息子の「√」。「博士」に頭のてっぺんが平らだからということで「√」と名づけられた少年の心の描写がとても好きですね。「博士」とのやりとりや母親との会話の中で、10歳の少年の心の動きがとても伝わります。「博士」を信用しなかった母親に対して悔しくて泣いてしまう場面なんか、こちらもウルウルしてしまいます。
そしてもう一つ。「博士」の何か心配事があったときの慌てっぷりと、子どもに向けられる無条件の愛情。これは、記憶に障害があるにもかかわらず、これらの行動が現れるというのは、「博士」の持って生まれた優しさなのかなぁと感じました。

「誰よりも早く真実に到達するのは大事だが、証明が美しくなければ台無しだ。」と「博士」が言う場面があります。その「博士」の言葉通り、出てくる数式や数字には美しさが感じられます。もっと早くこの本に出会っていたら、今より数学が好きになっていたかもしれないんですけどね。

暖かい優しい文章で、簡単に読み終えてしまい、読んでしまうのがもったいない本に出会えました。数学が得意な人も苦手な人も、ぜひ一読をオススメします。

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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
TBありがとうございます (としちゃん)
2006-02-03 20:52:13
TBありがとうございます。

ほんとに素敵な本でした。

まるで美しい詩が奏でられてるような・・・って、こっちまでロマンティックな気分になってしまう。

映画観てないけど、予告を見た感じは、ほんとに違和感ないですね。映画もよさそう・・・

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コメントありがとうございます (tuoa)
2006-02-03 20:55:30
としちゃんさん>

こちらこそコメントありがとうございます!

そう、としちゃんさんがおっしゃるように、詩を読んでるような感じもしますね!

映画は、予告をHPで見たところ少し内容を変えてあるみたいです。でもキレイな映像が期待できそうですよね☆
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TBありがとうございました (5656)
2006-02-04 22:42:30
とても優しさにあふれた作品でした。

それにしても、頭が平らだからルートとは・・・よほど平らなんでしょうね?ルートは!
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こちらこそ! (tuoa)
2006-02-04 23:04:28
5656さん>

コメントありがとうございます!

文章から情景から登場人物から、いろんなものが優しい作品ですよね!

どれだけ平らだとルートって呼ばれちゃうんでしょうね(笑)思わず自分の頭を触ってしまいました^^
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