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DRAPE~ドレープブログ~

Pen and message.のちょこっと情報ブログです

発掘万年筆、修理した結果

2019年03月07日 | ひとりごと
昨年の夏、親戚の家の片づけ応援に行きました。

誰も住んでいない家のカーテンを閉めた室内は薄暗く、電気を付けての作業でした。
片付けながら、処分するものをどんどんゴミ袋に入れて行きます。
職業柄文房具は気になってしまう方なのですが、あちこちにペン立てが置いてあるのが気になっていました。ふと見ると、千代紙で作られたペン立ての中に、1本のペンがささっていました。

薄暗いのでよく見えませんでしたが、全体に汚れていて、ペン先はインクで錆びて固まっている状態でした。
親戚・家族・関係者一同、誰も興味がないようで、「欲しいならあげるよ」と言われました。




明るいところで見てみると、醸し出すオーラというか、すごみがありました。
店主に見せると、「これ、パイロットがまだ並木製作所の時代の蒔絵万年筆じゃない?」と驚いている様子。
レバーフィラーはさすがに機能しておらず、ゴムチューブは溶けていました。
それでも使えなくても磨き直して持っていたくなる万年筆でした。

と言っても自分達ではどうしようもないレベルだったので、修理に出してみることに。
大人の事情で特殊ルートで修理をしてもらうと、3か月後に見違えるような姿で戻って来ました。



なんという事でしょう!!





インクでコテコテ、ボロボロだったペン先も、真っ黒だったペン芯も、金色のピッカピカ!

何と書いてあるかよく読めなかったペン先の刻印もバッチリ。
昔のペン先は、表からもサイドがカットされていてちょっとカッコいいです。
さすがに吸入機構は直りませんでしたが、見惚れてしまう蒔絵の美しさです。

ぼんやりしていた鳥の表情もはっきりしました。




万年筆は私が目を光らせているので皆がチェックしてくれていましたが、他にはありませんでした。
インクをつけるのも怖い(洗えない)ので使いませんが、その時代のモノとして大切に持っておこうと思いました。

これがもし自分だったら・・・と思うと「どれだけあるの!!」と叱られそうでちょっと怖かったりします。

たまにはリセット

2016年05月16日 | ひとりごと
最近は、あれこれやらなくちゃと思う自分に何となくストレスを感じていました。

一日があっと言う間で、何もしていなかったわけではないのに、何も進んでいないような気がする。
ひとつひとつの積み重ねで仕上がる仕事をしている場合は特に、一日かかってもこれだけか・・とつい思ってしまったり。
大きな結果を出すまでには、いくつもの細かい仕事の積み重ねがあります。
でも何となく焦る気持ちも否めず・・。
色々考えて考えて、小さな頭の中でくしゃっとなった時には・・「やっぱり奈良でしょう!!」となる。


私のまったりゆったりプレイスは、自分の住んでいる場所からはちょっと離れた自然がある「奈良」!
自宅との距離は、そのまま仕事や日常生活との距離だと思います。
離れれば離れるほど、忘れられるし考えなくなる。神戸から奈良は、車で1時間ちょっとで日帰りも楽々。

今回は、チケットをいただいたので奈良国立博物館の「信貴山縁起絵巻」を観に行くという名目もあり、出かけてきました。
4月29日から仏像館もリニューアルしたそうなので、これもまた見てみたい。
国立博物館は9時30分からなので、早めに出かけて辺りを散策することにしました。

観光地に行きながらなんですが、人が多い場所が苦手なので、散策はできるだけ人のいない場所へ向かいます。
車を奈良県庁前の駐車場に停めて、東大寺~正倉院辺りを歩きます。

寺院のオープン時間前なので人もおらず、裏道だけあって、静か・・。



自然を求めて、池の近くをぶらぶら。





鹿せんべいを食べていない鹿や、木陰でゆったりとしている鹿。風景の中に、自然に鹿がいました。
同じように呼吸して、緑色の酸素をたくさん吸います。意識して深呼吸。



ハワイに行ったとき、辺りにあるマンゴーの木を見て「生まれ変わったらハワイの野良猫になる」と思った私ですが、今はもう一つ「奈良の鹿」への憧れも芽生えました。人恋しくなったら思い切って町に出ればいいし、一人になりたい時は森へ帰る。ん?これは現実逃避なのでしょうか。

でも緑をたくさんと、静かな静かな時間を過ごして、やっぱり人間も動物だなあ、と思います。



まあこの後、会場内で長蛇の列に1時間以上並び、昼食をとってまた戻り、仏像館を見るという全4時間の行程を過ごしたわけですが・・・。
人気あるんですね、さすがに日曜日ですから混んでました。
仏像館で近くにいた修学旅行の男子生徒が、ぼそっと「・・・飽きた・・・」ってつぶやいたのが印象的でした。
うん、確かに仏像の良さに目覚めるにはあと数十年かかるかな。

私は仏像の横顔を見るのが好きです。
目と口の角度を横から見ると、同じに見える表情も違っていて面白いのです。
それと、仏像の背後に光背(こうはい)がある場合は、ちょっとかがんで仏様の頭と光背がぴったり重なる場所を探します。するとありがたさが倍増します。
彼に教えてあげれば良かったな。






博物館で見つけた気になる催し物が、こちら。



「大妖怪展~土偶から妖怪ウオッチまで~」です!!土偶って妖怪だったのか?とか気になる!
これはあべのハルカス美術館で9月10日からということですが、楽しみです。

今回、博物館で美術ポストカードを買おうと思い、一番面白そうだった「地獄絵」のを選ぼうとして連れに止められました。
こういうのは暑中見舞いにぴったりなんですけどね!ダメ?

最後になりますが、チケットを下さったS谷様、ありがとうございました!

標本ペンケース

2016年03月04日 | ひとりごと
皆さんは、万年筆を何本持っていますか?それは公式記録でしょうか。(公式記録?)

それはさておき、私の場合数年前から40本くらいを行ったり来たりしています。
と言っても恋したペンを本能の赴くままに入手してきたので、全体を見渡した時に「さて何かが足りないが何だろう」と思う事もありました。
全員揃っていると思うのに、確信が持てない。
そういうモヤモヤと決別すべく、モンテベルデの36本ペンケースを入手しました!

40本と言っても、手帳に挟んで持ち歩いたり、M300は専用のケースに入れるので実際は36本でまあ大丈夫。カタログを見て取り寄せましたが、実際見てそのパッケージにちょっと驚きました。



まず、外箱。まだ、普通。


開けたところ。気のせいか?既視感。
・・・・しばし考えて気付く。「バスタオル」!!


大丈夫、ちゃんとペンケースが入ってます。それにしても薄い!


これでホントに入るのかな・・。ちゃんと間に仕切りもついてますね。


ということで、早速入れてみました!意外と広がるので充分収納できます。あ、でもクリップはサイドにしておく方が安心ですね。



そしてテプラでラベルをペタペタ。標本のようなモノが仕上がりました・・。
一応、覚えている限りの情報を入れたのですが、中には「ディプロマット。」としか書けないものや、「昔のデッドストック」というモノまで・・。

こうしておくと使った後に元の場所に戻せるし、何がお出かけ中か一目瞭然です。
「全てのモノに場所を作ってあげる」収納術の本にも書いてましたし。
まあ、ここまでしないと管理できないことはないと思いますが・・。



サファリ・カリグラフィペン数本は別にまとめています。あ、数量は別カウントです・・すいません。

でもこうやって一覧にしてみると、自分の趣味趣向、それぞれ万年筆を買った時のエピソードを思い出したりして、なかなか迫力です。

同じシリーズをたくさん持っている方や、色で集めている方、やっぱり一覧できるのは強いです。
あ、多少出し入れが面倒ですが。

ホームページには今のところ掲載していないので、興味のある方は、メールでお問い合わせ下さい!ちなみに5,400円(税込)となっております。

*お問い合わせはこちらから*
penandmessage@goo.jp

ありがとうございました!

2016年01月26日 | ひとりごと
1月23・24日の東京代官山蔦屋書店での「2016ステーショナリーサロン」イベントに参加してきました。

お越し下さった皆さま、道中の大雪の心配をして下さった皆さま、本当にありがとうございました。
イベントに参加していた店舗も有名な所が多く、告知されていた効果もあって連日大勢の方が来て下さいました。

ホームページでお買い物をして下さっていて、お名前だけよく存じ上げていたお客様にお会い出来たり、8年ぶりにお会いすることができたお客様もいて、感謝ばかりの二日間でした。

東京在住の大学生のM手木さんが臨時スタッフとしてお手伝いしてくれて、4人体制はちょっと多すぎるかな、と思っていたのですが、実際スタートしてみると正に激流に巻き込まれたように全員が必死に動いていました。
いきなりの初めてのお手伝いだったM手木さんは、まさに顔を紅潮させての必死での奮闘、本当に助かりました。
12月に入ったばかりのスタッフMも、先頭に立っての接客、一日中立ちっぱなしでしたが笑顔を絶やさず、頑張ってくれていました。

初めての試みでしたが学ぶことがとても多く、また頑張ろうと思えた二日間でした。これからのPen and message.というあり方を模索できた気がします。

個人的には榛原さんでこっそりノートや小箱を買ったり(最終日の閉店30分前なのでお許しを!)、こっそり蔦屋書店の中をぐるぐる見て回ったり、戦利品もあったりします。

帰りの道中、岐阜羽島SAで大雪の中、「雪だ!!!!!」と飛び出して行き、誰もいない新雪の中をキャッキャ走り回るスタッフMを大人3人は「若いな・・」と見守っていたのでした。




ベスト・オブ・カタカナ

2015年07月13日 | ひとりごと
実はこっそりと「トラベラーズノート」に手を出しています。

ノートの表紙にスタンプを押すのがたまらなくお気に入りなのですが、ある日スタンプが入っている箱を開けて愕然としました。
カタカナのスタンプセットが・・・バラバラになっていました。

小さい「ぁ」とか「。」とかもあったから、結構な数ではないだろうか。

一度静かにフタを閉めて、「見間違いであれ」と念じてもう一度フタを開ける。・・・やっぱりバラバラ。
気を取り直して全部を机の上に取り出し、仕方なく最初から並べ直すことに。

カタカナって、あまり普段使わないけど、改めて「ア」「イ」「ウ」・・・って文字を探していると、色々思う事がありました。
それはいつの間にか「ナニムメモ」・・・って探していたり、「フ」を探して手に取ったのが「ウ」「ヲ」「ラ」だったりして、イライラし始めて最後に手に取ったのが「レ」。・・・ここに、「フ」はないのですか。どこにいったのですか。お客様の中に「フ」はおられませんか。
そして隅っこにあった「フ」を確保。

考えてみなかったけど、「フ・ウ・ラ・ワ・ヲ」はちょっと上から見るとわかりにくい。

そして思う。私の「ベスト・オブ・カタカナ」はどれだろう・・・。探してみるけど、これと言ってピンとこない。
勝手なイメージだと、こんな感じ。

ア行は50音のリーダー的存在。
カ行はてきぱきと仕事をしそう。
サ行は仕事をさぼりがち。
タ行は職人気質。
ナ行はグルメ。
ハ行はお笑い。
マ行はお色気担当。
ヤ行は精鋭部隊。
ラ行は歌が上手い。
ワ・ヲ・ンは実は裏のボス。

あ、いや説明とか無理です。誰か分かってくれるかなあ。

そうやって色々考えながら並べて行き、「ァ」「ャ」など小さいのも並べる。最後に「。」「!」「?」のどれで締めるかしばし考えて、静かに「。」で終わることにする。
(画像では違ってますが・・)

最初の目的を見失いそうになりながら、何とかできたノートがこちら。
読書記録&旅の記録です。





トラベラーズノートについてはまた後日。

どうでもいい話、たまにこういうのやります・・。


どうでもいい話だけ

2015年05月23日 | ひとりごと
このブログを始める前に個人的なブログをしていました。

同じブログをリニューアルしたのですが、その中に「どうでもいい話」が蓄積されていて、「あの記事も消しちゃったの?」と言われたことがありました。

読み返してみたらやっぱりどうでもいい話でしたが、もう一度アップしてみました。
「ひとりごと」に格納しております。

ぼちぼち読んで、つながりがあるお話は少しずつ増やしていくと思います。(結構古いもので・・・)
もしよろしければご一読ください。

*お店とも万年筆とも関係のない話が殆どなので~ご了承下さい!

2本組みにする

2011年08月23日 | ひとりごと
持っている万年筆は全て、お店に置いてある。それは常にお客様との話でお見せすることになった時困らないように・・。そして家庭円満のために。

でも、家に帰っても万年筆は使う。そして迷うのがどの万年筆を持って帰るか、だ。
入っているインクの色、微妙に全部違う細字具合、最近のお気に入り、など。

持って帰る万年筆は多くても3本。それ以上は持って帰らない。だから後悔しないように慎重に選ぶ。いつもオリジナルペンレスト付きの万年筆ケースアイリスを使っているけど、そこに入れ込んでいく。

しばらく新しい万年筆には手を出してないな~と自分を褒めていると、委託の万年筆で期限が来たものがあった。色々な人が見ていたけれど、結局残って帰っていくことになった。
ふと見ていると、このエンジ色のモンブラン、手元の146のエンジと似ているなと思った。
持ってきて比べてみると、おお!全く同じ。年代は違えど、普遍のエンジ色、素晴らしい。

それは昔の私なら絶対に選ばないであろうエンジ×ゴールドという組み合わせのモンブラン74だ。このペン先は人気があって何回も見てきたけれど・・。
試しに書いてみる。なにっ!この極細さは何だ~~!それでいて滑らかな感触。どうしよう。
見た目の「年齢高」そうなイメージはあるけれど、今の私にはいいと思える感じがある。まあ、相応の年齢になったということでしょうか??

146は細字だけど太め。手紙を書いたり封筒の表書きをするのにぴったり。
74は細字だけど細め。ずっと探していた手帳用にぴったり。

そして何より、2本並べてみると~なんかいい感じ。

し、仕方ない~~~。もう帰って行くんだから今決断しなければ~。

と、言う訳で。来てすぐじゃないよ。帰り際だよ。だから横取りじゃないよ。
(誰に言い訳・・)

使ってみると、やっぱりいい!!意味も無く手帳に書き込む事が増えた。いいわ~。
たくさんあるんだから、似た書き味があるだろうと思ったけど、違うんだね。
一応この書き味、この細さを他の手持ちの万年筆でも探してみたんだけどなかったし。

相棒が、ゴールドの万年筆の良さが分かる年齢になったと自分の事を言っていた。
それと同じことが同年代の私にも起こっているということか。

認めたくないけど~いいと思う。こうやって、また本数が増えていくわけです・・。

どうでもいい話・7

2011年06月21日 | ひとりごと
はい、久しぶりにどうでもいい話・・。本当にどうでもいい話なのでご注意下さい。

お茶会が終わって、洗濯できるものは洗濯して、やっと乾いたかな~という時。
その日は雨だったので、お風呂場に干して出かけました。

家に帰るとすでに連れが入浴していて、洗濯物を片付けてくれていた。

ありがと~と思ってふと、和室を覗くと、きもの用のお腰(襦袢の下に着るもの)がふわっと置いてある。ああ、たたみ方が分からなかったよね。後でたたもう。
その上に大きなパット(補正用)も置いてあった。私は胸板が薄いので、肩の下にパットを詰める。腰まわりも補正しているので、そういうパーツはわりとある。

そして翌日。

朝、さ~着替えよう、と思って下着の入っている引き出しを開けると。
そこにしっかり「補正用パット」が2つ入れられていた。

む?・・・む・・・む!

これはそこに入れるものじゃな~いい!バカモノ~!!
なぜか無性に恥ずかしかった~。こんな大きいパット入れたら巨乳よね!!

すでに出勤している連れにブツブツ思いながら、あえてそこへ残した私。
今日は大きく独り言を言いながらパットを片付けるとしましょう。

「あ~探してたきもの補正用パット、こんなとこにあった~」かな。

さて、久しぶりのどうでもいい話、もうやらないと思ってたけど時々家では起こるので、続きます・・。

ちょっとショックだったこと

2011年06月13日 | ひとりごと
ちょっと、というか結構落ち込んだ瞬間がありました。

それは日曜日。

父の日の先行で実家に集まっていた弟夫婦と私たちは、見るともなく、アタック25を見ていました。
司会者の児玉清さんが亡くなって、なくなったのかと思っていたら、アナウンサーの人が司会をして新たに始まっていたのです。

ほうほう、と問題を聞いていると。

「最近、手書きの良さが見直されて、万年筆が人気です。」

おっ!家族全員の視線が私に集まる。

「それでは、モンブラン、ラミー、ペリカン、はどこの国のブランドでしょう?」

ええええ。これ、問題になるわけ?と思いつつ、「は~い!ドイツ!」と答えた。

するとテレビの中では・・・沈黙が。

カッチ、カッチ、カッチ、カッチ・・・おいおい~本当に??

そしてついに!一人の男性がボタンを押した!よし、行け~!

「・・・フ、フランス・・」な、何っ?!

もちろん、ブブ~!!タ~タラッタ~ン、と言って立たされる男性。

「正解はドイツでした!」司会者さん。
「こ、こんなことが・・・!立ってろ~!!」逆ギレする私。


「へ~~~~~。知らなかった」家族全員の反応。

そんなものなんですね・・・ちょっとショックな出来事でした・・。







テトリスの8分目

2011年02月11日 | ひとりごと
あれ?奥歯ちょっと虫歯かも。そう思って、先日近くの歯医者さんに行ってきました。

この歯は確かセラミックで、自己負担治療で結構高かった記憶がある。

だけどどうなんだろう、これはちょこっと削って治るかな・・。
で、で、でもそんなポジティブに考えていたらもし「こりゃだめだ、抜かなくちゃ」なんて言われた時に私耐えられないかもしれない。
もう少しネガティブに考えておいて、ちょっと悪くてもああその程度で良かった、って思えるようにしなきゃ。

と、一連の葛藤を前夜にしながら、考えうる最悪の事態をあれこれ考えながら初めての歯医者さんに出かけました。


色々と話しをした後に、「ではレントゲンを撮りましょう」と言って全体のと部分のと2枚撮り、再度診察台へ。
あ~ん、と口を開けてしばし、「はい、起きて下さい」と言われる。

さあ、どうなの~と思っていると。

「そうですね、おっしゃっている歯はちょっとだけ虫歯ですね。それはいいんですけどね。」

(・・・それはいい??)

「問題はその反対側の奥ですよ。そこはもう神経すれすれに虫歯がありますから、もう今痛くなっても全然不思議ではないですからね。」

(!!!は、反対??)

当然ながら、どこにも全く痛みはなく、その「反対側の奥」と言うのは数年前に数十万円をつぎ込んで治したブリッジの歯でした。(金と高級セラミック←あえて書く)

その治療法とは!!

「そうですね、まず後ろから2本を切って奥歯の治療をしてから、再度3本を被せることになりますね。」

その時点で、私の想定外の事ばかりで、目の前がくらくらしてきた。
先生の目も、どこか「気の毒な目」をしている。

「そ、それではこの歯は・・?」
「ええ、使えませんねえ」

「・・・・・・・・・・・・・・そ、そうで、す、か。」

しばらく放心状態。

勝手に、金とセラミックは永遠(ダイヤモンドのように)とか思っていた。
すると先生は
「口の中のもので、永遠、というものはありませんよ」とおっしゃる。
なぜ、前の歯医者さんは私にそのことを教えてくれなかったのか・・(無茶ぶり)

一生物だと思って、思い切った選択をしたのに、それは消耗品だった。
もちろん、虫歯にさえならなければいい話しだけど、その金に完全に守られていると思っていた私にはそういう思考は全くなかったのです。


保険を使うと、ブリッジ3本とも、銀色になります。とも言われた。
セラミックの歯も、自己負担治療で1本5万円くらいした、と思う。先生に、「何年前?いくらくらい掛かったの?」と確認されるほどに、「も、もう辛くて思い出せません・・(涙)」という私。
初対面の先生も慌てたように、「ああ、ごめんごめん~」と質問をストップ。
一度、よく考えてみて下さい、と丁寧に説明して下さったあと、時計を見ると45分が経過していた。ごめんなさい、先生。


打ちひしがれて斜め45度になりながら、かばんを引きずるように持ち、出て行く私に、看護婦さんが口々に「お大事に」と言ってくれた。(更に気の毒そうな顔をしていた)

でもその言葉は、絶対「精神的」なところに対しての言葉だと思えた。
3人の看護婦さんに、会釈しながらふらふらと待合室へ向かうのが精一杯だった。(笑顔はひきつっていたはず)


ちょっと予定より遅れて店に着いて、顛末を相棒に伝えると、
「俺はブリッジ、保険で1本は白でできたで」というではないか~~!何で~~?

次回、この一筋のほそ~い光りを胸に、先生の所へ行こうと思ったのでした。


私の口は、ついてない。電動歯ブラシでシャクシャク歯も磨いているし、デンタルリンスだって夜しているし、フロスだって使う。必死なのにどうしてだろう。
でも、「専門家によるクリーニングが必要」という話しを聞いて、「それでも虫歯になる人はなる」とも聞いて、やっぱりついてない、と思うのであった。

白にこだわった私だけれど、今の心境はテトリスを8分目まで組み上げてしまった気分に近い。「もういいや」みたいになりそうで怖いのです。

これからは「ほほほほ」って笑うことになるかも。