<お知らせ>
前々からお知らせしておりましたが、公瑾×花のアンソロ本『都督艶聞譚』に参加させていただいてました。
遅くなりましたが私の書きましたお話『風楼に満ちて花咲くを知る』のサンプルをUPします。
いや、もう他の方のサンプルを拝見させていただきましたら、その色っぽさにうわ~!!と慄きました。
あ、もちろん嬉しくてです。
で、振り返って自分の書いた話を見れば、ぬるい!とってもぬるいです(苦笑)
あはは、まあ私の別館を読んだことがある方は、これが精いっぱいだと皆さんなら納得ですよね?
でも他の方々の作品は文句なく艶っぽいので、存分にお楽しみいただけることと思います。
本は18禁ですが、このサンプルは18禁部分は載せておりません。
ただちょっと艶やな表現が出てきますので、苦手な方はご覧にならないでください。
適当に抜粋してますので、読みにくいかもしれません。
あとブログにのせるため、書式等は変更になっております。
ではつづきからどうぞ。
『風楼に満ちて花咲くを知る』(公瑾×花)
**
「なぜ、あなたがそんな格好で、こんな場所にいるのですか?」
公瑾は目の前にいる少年に厳しい声をかけた。
呼びかけられた少年は、自分の足元を見つめるようにじっと俯いていたが、意を決したように顔を上げる。
つい大きくなりがちな声を、公瑾は必死に押さえて険のある目で見た。
もともと玲瓏な美貌で定評があるから、そんな顔できつい目で見られれば、たいていの者は萎縮して俯くか、さりげなく目を逸らす。
なにしろ絶対零度の冷たい視線は、幾人もの敵を倒してきた歴戦の武将の肝を冷やし、黙らせる効果があるのだ。
しかし、彼の恋人であるはずの少女花は、なぜか少年のような装束と態度で、気まずそうな顔をしながらも視線は逸らさなかった。
**
公瑾は意地になっている花の様子を、表情には出さず試すように意地の悪い思いで見つめていた。
花は羞恥心が強く、滅多に自分の方からこういう触れ合いを仕掛けて来る事はないから、実際楽しみに思ったのは紛れもない事実だ。
「公瑾さん、目を閉じてください」
「わかりました」
一流の武人である公瑾は、外出先のまして妓楼の中で不用意に人に言われて目を閉じたりはしない。
だから花の願いに目を閉じたけれど、ふわりと空気が揺れた気配にうっすらと目を開けた。
建前は武人としての当然の心得であり、警戒するため。
本音は花の表情を見たかったからだ。
間近に花の顔が迫ってくると、柔らかな花の香りがして睫毛が緊張に震えているのが目に入る。
まるで水蜜桃のようなまろい頬は、羞恥の為に薄紅に染まっていた。
そして、ただ柔らかく唇が重なった。
触れ合うだけの行為はひどく幼い。
こんな拙い口付けに、果たして自分は初めての時でもこんなに胸を高鳴らせただろうか?
公瑾は苦笑半分、目を閉じると離れていこうとする花の腕を引っ張ると胸に抱きこんだ。
「それでは全然なっていません」
花は逞しい胸に倒れ込んだまま、恨めし気に公瑾を見上げる。
「だって、これ以上は無理です」
「これくらいで音をあげるのですか?困った方ですね」
「そんな……」
「今だけお手本を見せてさしあげます」
次の瞬間、公瑾は膝に抱いた花の小さな顎を指先で持ちあげると、始めは柔らかく、次に角度を変えながら唇を重ねていく。
唇を軽く食まれ、舌先で唇の形を確かめるように舐められ、花の背中にぞくりとした感触が駆け上がる。
「んっ」
漏れた吐息混じりの声に、公瑾はうっすらと笑うと舌をそっと割り入れて思う様少女を口付けだけで翻弄する。
乱れる様子と羞恥で恥らう態度は、ただ男の欲望を煽るだけだ。
花は拙く公瑾の口付けに応えようとしていたけれど、その甘く官能的な口付けと与えられる快楽に素直になるには、まだ気持ちと感覚がおいつかない。
「花」
細い銀糸をひいて二人の唇が離れようとするけれど、花はそれに気付けず潤んだ瞳で公瑾をぼんやりと見つめた。
息がかかるほどまだ近くに公瑾の唇がある事を知り、それでもまだうっとりとした蕩けた瞳で公瑾の胸に縋る。
「それは誘う表情ですよ」
もう一度唇を重ね、公瑾は今度こそ名残惜しげに花から唇を離すと、すっかり赤く色付いた花の唇を指先で柔らかく何度もなぞる。
同時に、からかうような言葉がもれた。
「何だかおかしな気分ですね」
花は意味がわからず、まだぼんやりとした表情で公瑾を下から見上げる。
「私に稚児趣味はないのですが、こんな姿のあなたを抱いていると錯覚しそうです」
そして意味ありげに花の胸に少しだけ手を置いた。
前々からお知らせしておりましたが、公瑾×花のアンソロ本『都督艶聞譚』に参加させていただいてました。
遅くなりましたが私の書きましたお話『風楼に満ちて花咲くを知る』のサンプルをUPします。
いや、もう他の方のサンプルを拝見させていただきましたら、その色っぽさにうわ~!!と慄きました。
あ、もちろん嬉しくてです。
で、振り返って自分の書いた話を見れば、ぬるい!とってもぬるいです(苦笑)
あはは、まあ私の別館を読んだことがある方は、これが精いっぱいだと皆さんなら納得ですよね?
でも他の方々の作品は文句なく艶っぽいので、存分にお楽しみいただけることと思います。
本は18禁ですが、このサンプルは18禁部分は載せておりません。
ただちょっと艶やな表現が出てきますので、苦手な方はご覧にならないでください。
適当に抜粋してますので、読みにくいかもしれません。
あとブログにのせるため、書式等は変更になっております。
ではつづきからどうぞ。
『風楼に満ちて花咲くを知る』(公瑾×花)
**
「なぜ、あなたがそんな格好で、こんな場所にいるのですか?」
公瑾は目の前にいる少年に厳しい声をかけた。
呼びかけられた少年は、自分の足元を見つめるようにじっと俯いていたが、意を決したように顔を上げる。
つい大きくなりがちな声を、公瑾は必死に押さえて険のある目で見た。
もともと玲瓏な美貌で定評があるから、そんな顔できつい目で見られれば、たいていの者は萎縮して俯くか、さりげなく目を逸らす。
なにしろ絶対零度の冷たい視線は、幾人もの敵を倒してきた歴戦の武将の肝を冷やし、黙らせる効果があるのだ。
しかし、彼の恋人であるはずの少女花は、なぜか少年のような装束と態度で、気まずそうな顔をしながらも視線は逸らさなかった。
**
公瑾は意地になっている花の様子を、表情には出さず試すように意地の悪い思いで見つめていた。
花は羞恥心が強く、滅多に自分の方からこういう触れ合いを仕掛けて来る事はないから、実際楽しみに思ったのは紛れもない事実だ。
「公瑾さん、目を閉じてください」
「わかりました」
一流の武人である公瑾は、外出先のまして妓楼の中で不用意に人に言われて目を閉じたりはしない。
だから花の願いに目を閉じたけれど、ふわりと空気が揺れた気配にうっすらと目を開けた。
建前は武人としての当然の心得であり、警戒するため。
本音は花の表情を見たかったからだ。
間近に花の顔が迫ってくると、柔らかな花の香りがして睫毛が緊張に震えているのが目に入る。
まるで水蜜桃のようなまろい頬は、羞恥の為に薄紅に染まっていた。
そして、ただ柔らかく唇が重なった。
触れ合うだけの行為はひどく幼い。
こんな拙い口付けに、果たして自分は初めての時でもこんなに胸を高鳴らせただろうか?
公瑾は苦笑半分、目を閉じると離れていこうとする花の腕を引っ張ると胸に抱きこんだ。
「それでは全然なっていません」
花は逞しい胸に倒れ込んだまま、恨めし気に公瑾を見上げる。
「だって、これ以上は無理です」
「これくらいで音をあげるのですか?困った方ですね」
「そんな……」
「今だけお手本を見せてさしあげます」
次の瞬間、公瑾は膝に抱いた花の小さな顎を指先で持ちあげると、始めは柔らかく、次に角度を変えながら唇を重ねていく。
唇を軽く食まれ、舌先で唇の形を確かめるように舐められ、花の背中にぞくりとした感触が駆け上がる。
「んっ」
漏れた吐息混じりの声に、公瑾はうっすらと笑うと舌をそっと割り入れて思う様少女を口付けだけで翻弄する。
乱れる様子と羞恥で恥らう態度は、ただ男の欲望を煽るだけだ。
花は拙く公瑾の口付けに応えようとしていたけれど、その甘く官能的な口付けと与えられる快楽に素直になるには、まだ気持ちと感覚がおいつかない。
「花」
細い銀糸をひいて二人の唇が離れようとするけれど、花はそれに気付けず潤んだ瞳で公瑾をぼんやりと見つめた。
息がかかるほどまだ近くに公瑾の唇がある事を知り、それでもまだうっとりとした蕩けた瞳で公瑾の胸に縋る。
「それは誘う表情ですよ」
もう一度唇を重ね、公瑾は今度こそ名残惜しげに花から唇を離すと、すっかり赤く色付いた花の唇を指先で柔らかく何度もなぞる。
同時に、からかうような言葉がもれた。
「何だかおかしな気分ですね」
花は意味がわからず、まだぼんやりとした表情で公瑾を下から見上げる。
「私に稚児趣味はないのですが、こんな姿のあなたを抱いていると錯覚しそうです」
そして意味ありげに花の胸に少しだけ手を置いた。