もう３０年以上のお付き合いになるELECTROVOICE／RE20です。BDr（懐かしい言い方ですが,KICKの事です）やラッパ類には必ずお世話になりました。そのRE20ですが内部のウレタンが劣化してしまい、エレメントがカタカタ動いています。（音は出るのでまだ存命しています）いつか修理しようと思っていたのですが、その時がやってきました。
まず分解できそうな所ですが、ヘッド先端のメッシュ風防がイモネジでロックされています。このネジがヘックス（六角）なのですがインチ規格のようです。仕方なくインチ規格のヘックススレンチを購入し、とりあえず風防を外すことが出来ました。次に胴体の部分ですが、外側に止めネジ等は無いため、たぶんＸＬＲオス座の裏側に何かあるはずです。３０年以上固定されているコネクターを慎重に外すと、今度はトルクス（星形）ネジです。無事分解できましたが、内部はボロボロのウレタンかすだらけ。各部品を清掃して適当はウレタンを補充して再組立て、何とか使える状態に戻せました。
ALTEC1588Bは缶タイプのプリアンプで、コネクターはオクタルピン仕様です。缶の中に入力トランスとディスクリートアンプが仕込んであり、単電圧ＤＣ１２～２０Ｖで動作し３３.５ｄＢのゲインが有ります。
NEVE/283AMは、NEVE/1272や1073プリアンプの心臓部に当たるB283AVの２ｎｄステージアンプで、通常はラインアンプとして使われることが多いです。この２台巨頭のコラボレーションはすでに１０年ほど前にトライしているのですが、当時組み合わせた印象がとても良かった記憶が有るので、再度製作することにしました。
NEVE/283AMは出力トランスにＤＣ電圧がかかる特殊な回路構成なので、オリジナルはMARINAIRのギャップ付きトランスLO1166が使われています。しかし現在では入手が非常に困難かつ高価な為、CARNHILLのギャップ付きトランスVTB1148で代用しました。
完成してエージングもそこそこに、音質チェックです。手元に自作のNEVE1272のレプリカ（B283AV：入出力トランスはMARINAIR／CARNHILL）が有るので比較してみます。1272と比べて音の厚みは同程度ですが、４ｋHzあたりに特徴が有り明るい音に感じました。（これがALTEC／USA製の特徴でしょうか？）
１０年前も同じような感想を書いた記憶が有りますが、今風の音楽には合っているかと思います。
