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【tubemansound】の仲間たちをご紹介します

ジェイル電子 ステレオラインモジュール

2024-07-01 10:03:42 | プロオーディオ

ジェイル電子のステレオラインモジュールをラッキングしました。入力レベルは<+4~-20dB>で<HPF><LPF><3ポイントEQ>はマイクモジュールと同じです。ただしステレオ仕様なので、フィルターとEQは両チャンネル(L/R)同時に効くので、マスタリング時に便利かと思います。

モジュールの出力はアンバランスなので、ディスクリートオペアンプ<YAMAHA/NE-80100>とAB international製トランスでバッファアンプを構成して、600Ωトランスバランス出力としました。

さて音色ですが、久々に聞くビンテージなアナログサウンドで、重厚で柔らかみの有る音に仕上がっています。フィルター、EQも適度に効いて、最終的な楽曲の仕上げに効果的かと思います。


ジェイル電子 つづき

2024-06-22 15:50:51 | プロオーディオ

ジェイル電子製ミキサーのチャンネルモジュールをケースに納めました。

モジュールの必要部分(HA、EQ、COMP)以外を切り落とし、電源部(DC±18V/48V)と、モジュールの出力がアンバラなので東京光音電波製ディスクリートオペアンプ(TMA-1620)とABInternational製トランスを組み合わせたアンバラ/バランス変換のバッファアンプを追加しました。

ケースに上手く収まり、早速音出しです。ハイブリッドICを多用した回路構成でディスクリートアンプに近いので、少しヒートランしてからボイスチェックしました。

第一印象はジェイル電子さんには失礼ですが、予想外に素晴らしい音です!HA部はノントランス回路なので音に癖が無く繊細で、出力はディスクリート構成のトランスバッファーアンプを追加したので重厚な音色です。音の傾向としては、Tubemansoundオリジナルのトランスレスマイクプリアンプに近いですが、音の厚みはこちらの方が有るかもしれません。

EQ部は簡易測定ですが、HPFが100Hz、LPFが6kHz辺りから効きはじめ、3ポイントのHFが<2k~16kHz>、MFが<300~7kHz>、LFが<80~1kHz>で、それぞれ±12dB位の可変量です。Qカーブはそれほど鋭くありませんが、各ポイントで周波数がオーバーラップしているので使いやすいと思います。

COMP部ですが細かいパラメーターは無く、レシオが<1:1/2:1/4:1>の切り替えのみです。<3/9dB>のGR表示付きです。

それにしても当時のミキサーのチャンネルモジュールで、HPF、LPF、3ポイントEQ、COMPを常備しているのはとても珍しく豪華です!!


ジェイル電子

2024-06-13 10:34:49 | プロオーディオ

珍しいチャンネルモジュールを手に入れました。製品番号やメーカー名が無いので外見から判断して(フロントパネルや塗装など)タムラ製作所のミキサーかと思いましたが、調べてみると「ジェイル電子」に行きつきました。もう半世紀近く音とお付き合いしている私でも名前は聞いたことが有りますが、見たり触ったりしたことは有りません。1980年代に東京光音電波から独立したメーカーらしく、大量生産はしていなかったようです。

早速中身を拝見すると、入力はトランスレスで各セクションごとに「HA、DYN、BA」などのハイブリッドICで構成され、当時としては技術レベルの高さが伺えます。特徴的なのはインプットレベルが1つの入力で<+4dB~―70dB>まで連続可変なこと、EQはHPF、LPFに3ポイントの周波数連続可変仕様、簡易的ながらCOMPとGR表示のLEDまで付いた豪華仕立てです。

回路図は有りませんが立体基板は比較的解析し易く、電解コンデンサーの耐圧から駆動電圧はDC±15V程度と推測して通電テストをしてみました。1kHz正弦波を通したところ、HA,EQ、DYNなど問題なく動作しました。さて次はマイクを繋いでボイスチェックですが、果たしてどんな音と巡り合えるでしょうか?


SSLタイプ バランス入出力ラインアンプ つづき

2024-05-09 10:45:23 | 日記

SSLタイプ/ラインアンプの2号機を製作しました。音を出してみて気が付いたのですが、1号機と少し音色が違います。どちらかと言えば中低音域に厚みが有り、それはそれで良い音なのですが「SSL」の音かと言えば違うように思います。回路的には同じなのですが、違うと言えば5534の段間に入れたボリュームの値が1号機は5kΩに対し10kΩを使ったことです。

早速5kΩに交換してみたところ、明らかに音の傾向が変わりました。低音域が少し減り、その分高音域が出てきてSSLの音に近づきました。その後手持ちのRCを使っていろいろ試してみましたが、トランスアンプの場合良くも悪くもトランスの特性で音が決まる傾向に有りますが、トランスレスの場合はオペアンプの音が付属のRCによって大きく変わります。

いろいろ試行錯誤の結果、2号機はSSLの味を残しながら少し低音域が出てくるセッティングとなりました。私が現役時代に目指していた切れのある太鼓の音(特にBDr)が心地よく、少し自己満足に浸っています!


SSLタイプ バランス入出力ラインアンプ

2024-04-19 11:41:23 | プロオーディオ

 

SSL4000シリーズのインプットモジュールには、マイク入力と共にライン入力が有ります。このライン入力が当時評判が良かったので、回路をコピーしてラインアンプを作ってみました。回路の肝となるオペアンプは、当然「SIGNETICS製NE5534N」です。5534シリーズのオペアンプは世界中のメーカーがコピーを製造していますが、以前音の比較をしたところ、圧倒的に「SIGNETICS製NE5534N」が良かった記憶が有ります。今回は惜しまれながらも製造終了になった音響用コンデンサー「ELNA/SILMIC Ⅱ」とのコラボです。回路構成はシンプルで、1chあたり「NE5534N」3個で、カップリングに「SILMIC Ⅱ」を使っています。さてその音色は・・・?

今までの経験からSSLならではの高音域が伸びて透明感のあるサウンドが期待されましたが、予想外に低音域も伸びて全音域においてトランス回路に引けを取らない音の厚みが有ります。その上にモノリシックICのスピード感(アタック/リリース)が、ロックやアップテンポの曲想にドンピシャです!いままで「SILMIC Ⅱ」はNEVEで何回も使用してきて音の繊細さは理解していましたが、この低音域の突き上げは予想外でした。「SILMIC Ⅱ」の製造再開を期待したいものです。