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ヨーロッパ周遊  その⑤ 前編

2020-10-21 23:40:00 | 旅行
ダブルマイルキャンペーンで一気にマイルを貯める事を目論んで
ウチらはANAでパリに飛んだ。
辟易する長いフライトだったから、さぞやマイルも貯まっただろう。

シャルル、ド、ゴール空港について両替をしてる時
すでに目の前で替えたばかりの現金をひったくられていた。
何ちゅう恐ろしいとこ…。

空港からオペラ座に向かうバスに乗る。
ホテルはオペラ座から歩いていける凱旋門の近くを取ってたから
ここで4日ほどパリっ子気取る。
モチロン、ホテルはしっかり選んで取ったし。

1日目は私が学生の頃のぼせてたベルサイユのばら、の
アントワネットの宮殿を電車に乗って見物に行った。
ここは少し前元夫とパリに泊まった時
動けない彼を置いて1人で来た事があった。
その時は入れなかった宮中のレストランで
お茶したりお土産買ったり
やっぱり旅は道連れがいた方が楽しさ2倍👍

気が合うウチらは昼頃起きて
ブローニュの森にピクニックに行ったり
一日中地下鉄や徒歩で
ルーブル行ったり革命広場でブラブラしたり
ゆ〜ったり過ごしていた。

レストランやスーパーで嫌な目に遭うのが嫌だから
フランスは避けて来た。
古代から周辺国やアジアやアフリカや世界中から巻き上げた富は
日本とスケールが違い、街を築く基となるその富や美意識とは裏原に
フランス人は最悪だと聞いていた。
でも知ってたからスルーできるもんね〜(^。^)

それに3日目オペラ座でフィガロの結婚が上演されてて
ダメモトで当日券を買いに行ったら
日本人の留学生のイケメンのお兄さんと会い
「お願い!!日本人のよしみでチケット買って」
とすがると
「当日券は半額なんですよ」
と優しく教えて買ってくれた。
「毎日バレエやオペラ三昧なんですよ」
と仰っていた品の良いお兄様、
私もあんな息子欲しい〜〜!

オペラ座も凄かったしオペラ凄かった。
安い席だから天井桟敷の隅っこの席なんだけど、
パリだね〜!コレは日本では体験できない。
絢爛豪華で…。人間の声って奇跡だと知る。

ニース行きのTGVに乗る為
リヨン駅の近くのホテルに移った。
フロントのねーちゃんは憮然として
放り投げてカギを渡すと、あとは説明もせず無視してた。

出発2時間前リヨン駅に着いた。
駅中探しても出発ホームが見つからず
英語も通じないから困り果てて
あちこち身振り手振りでチケットを見せて聞いてまわったら
一旦駅の外に出て少し歩いたホームだった。
ツアーじゃないから、言葉が通じないヨーロッパはヘトヘトになる。
でも席に座って、ホッと一息ついて、車窓からすんばらし〜景色を眺めてると
来れて幸せって思える。
どこまでもどこまでも、ホントに何てキレイなんだろう…、ヨーロッパって。

ニースに着いてホテルを探すのに、はたまた苦労した。
でもやなヤツって都会の人だけかしら?と思う程
ニースの人は優しくて、地元の人も分かりにくいホテルまで
一緒に探してくれた。
緩やかに海岸を囲んだ街は、見晴らしが良く、海風が吹いて輝くようだ。
地元のレストランもパリみたいに高くなくて
人種差別も無く、とても感じよかった。
モナコに行きたい、と観光案内で尋ねると
すぐそばのバス停から、僅か1ユーロで行けると言う。
この辺は崖の傾斜にへばりついて建物が建ってるので
バスの窓から見える、青い海に映えどこを撮っても絵になる景色にずっと魅入っていた。

モナコはウチらがいるのは場違いに思えた。
グレースケリーの日本庭園や街歩きはキレイで楽しかったけど
チョット立ち寄ったデパ地下みたいな飲食店でも
飲み物はブーブクリコがあって、高級そうで
物価が高いヨーロッパでも群を抜いて何もかも高くて
ビクビクしてホテルに舞い戻った。

ニースからジェノバを抜け、フランスからイタリアに通る
世界一絶景と称される海岸線を、旅の醍醐味を貪欲に味わいながら、
何時間も高揚感に浸りながら、国際列車に揺られていた。




ヨーロッパ周遊  その④

2020-10-18 13:45:00 | 旅行
ギリシャの島々クルーズ

「PネットクルーズのY でございます。山ちゃんとお呼びください」
「ギリシャクルーズ10日に申し込みたいんですけど…」
「ではお調べして折り返しお電話致します」

「PネットクルーズのY ちゃんでございます」
「2〜3日前電話したんですが、折り返しの電話がないので…」
「え! 申し訳ありません、もう一度お名前とコースを教えてください」
調べてなかったのか…山ちゃん。

その後もちょくちょくこんな感じの少し頼りない山ちゃんの担当で
私とヤツはベニス発着ミコノス島〜コルフ島〜クレタ島〜クロアティア・ドブログニク周遊の
クルーズツアーを申し込んだ。

ヨーロッパは言葉が通じないし、日本からの飛行機の手配もついてたので
楽チンだった。
ただ、アリタリア航空は
ずっと前乗った時信じられない事にCAが最後尾でタバコを吸っていた。
それ以外の航空会社をお願いしたら、幸いANAだったのでホッとした。

ベネツィアに到着して1日目少し時間があったので
リド島に定期船で渡った。
やっぱりベネツィアとは少し雰囲気が違っていて
静かでこじんまりしてはいるが、品が良い街並みだった。
今はもう見る事が叶わない、本物の映画を見れる時代撮られた
ルキノヴィスコンティ監督の「ベニスに死す」
を撮影された地を巡った。
映画の舞台となったホテル、デ、パンは2010年取り壊されたと聞く。
その跡地は、一画面にも手を抜かない完璧な耽美を追及する監督の
残骸を見る気がした。
貴族である同氏が金に糸目をつけず撮った
「山猫」「ニジンスキー」「家族の肖像」等
俳優をはじめ衣装、装飾、美術、時代背景どれをとってもため息が出る美意識と世界観に
感銘を受けたものだった。

2日目はホテルから徒歩で行ける港から
いよいよ地中海クルーズ出航だ!
さすがに世界有数の観光地なので
何隻ものクルーズ船が出港の順番待ちで、
クルーズのデッキから離れていくベネツィアの街並みを見下ろし
一望できるパノラマに気分はハイになる。

船長主宰のウエルカムシャンパンをヤツの分も2〜3杯頂いて
船内をうろうろしてたら、すぐ夕食の時間になる。
今回はコスタクルーズと言う
エコノミーな価格の割にオシャレな船だ。
イタリア船は食事はハズレがないと聞いてたので
ウチらは十分楽しめた。
レストランに行くとツアーなので
日本人グループの大きなテーブルに案内された。
10人位のテーブル2つのテーブルには数組みの日本人が座っていた。
旅先であまり話す機会がなかったので
色々な人と会話できて楽しかった。
悠々自適の年配の方々が殆どなので
マウント気味の自慢話ばかりでうざく感じたら
別の席を取ることも出来たから
クルーズ中は数種類の生ハム三昧を良しとしてテキトーに楽しんでいた。

地中海周遊は夏期が良い。
海の色が断然碧い。それだけで価格が2倍は絶対納得できる。
この碧い海を見ず、どうするよってほど海の色が全てだ。
冬来ても地元人が言う「ゲーゲ海クルーズ」の意味を
身をもって知る事になるだけ。
(経験者だもん(泣)

最初の寄港地はベネツィアの遺跡を囲むコルフ島。
島の頂上に行くロープウェイにクルーズの乗客全員がごった返し
発着場までの長ーい階段を並んでいた。
すると夕食時チョット苦手だったKさん夫婦がウチらを見つけて
手を振ってかなり後列から、順番を飛ばしてこちらに割り込んで来た。
年金を沢山貰ってる元偉い肩書の人と奥さん。
ウチらがどのクラスの部屋か、頼んだシャンパンはいくらか
やっぱり自分らよりビンボーらしい、みたいな
島の遺跡よりそんな事に興味があるらしく、長い待ち時間
ずっと根掘り葉掘り色々聞かれていた。


ロープウェイで高台に着くと、
紺碧の海に浮かぶ遺跡の島を一望するのは圧巻に決まっていた。
戦国時他国からの侵略を阻止するため、至る場所に石畳や防壁は
古よりの歴史を思い至らせる。
クレタ島も全く趣は違う景観だが、
島自体、堅固な城砦になっていた。
ヨーロッパってどこに行ってもそんな感じだよね〜。
今まで十字軍とか遠い国の話だったもんで、ピンと来なかったけど。

3日目のミコノス島は白壁の街とボニの風車ってあまりにも有名な景色を確認した後は
基本あちこち行かない、ウチらの好きなブラブラ歩きして、
地元の音楽の流れる絶景のカフェでお茶飲んだり、港の猫と戯れて
ゆっくり流れるこの地の時間を楽しんだ。
サントリー島では
海と島が一望出来るアベマリアのオペラが流れるカフェで
ずーっと一日中だべっていた。
仕事の事や、これからの事、家族のことや、好きなこと…。
他愛もない事をズッーっと。
映画マンマミーアみたく
住人はこんな綺麗な景色を愛しながら
働いたりジタバタしたりして生活しているんだな、って
色々な世界を垣間見れる、旅って
ホントに面白い。

最後のクロアチアのドブログニクは
天候不良で帰港する事が出来なかった。
あっという間の楽しいクルーズももう終わる。
日本人はクルーズ船内で
忙しそうに色々なイベントに参加していた。
怠け者のウチらは食事以外、一日中部屋でゴロゴロしていた。

朝昼晩毎回数種類出る生ハムに
最初は大喜びだったのに一週間も経つと吐きそうになっていた。

「生ハムはもう良いよねー」
食事のテーブルでパスタ、ピザ、生ハムに辟易していた日本人は
ため息が混じりにグチっていた。
ちなみにウチらは帰国後一年以上イタリアンは食べなかった。
色々な地方から来ていた参加者と話していると
クルーズPネット社の話になった。
高年金夫婦が
「担当が書類を忘れて送ってこなかったから最後キレた」
「感じは良いから憎めないけど、私たちも…」
私はピンと来て担当の名前を尋ねると、皆さん
「山ちゃん!」と。
その後山ちゃんの話題で日本人のテーブルは大盛り上がりだった。
「ツアーも結構面白いね」とヤツ。
「うん、又来たいね」
モチロン山ちゃんの担当で、ね。









ヨーロッパ周遊 その②

2020-10-02 01:49:00 | 旅行
初めてのヨーロッパ旅行は、田舎に住んでた頃見た新聞の募集ツアーだった。
行った事が無かったし、とりあえず全てお任せ出来るし、冬場のヨーロッパは激安だった。
パリ〜ローマ〜ミラノ〜ギリシャ、エーゲ海1日クルーズ付き
10日間で20万位だったかな…。
田舎のヒマ人と同行した。

芸術的な建築物や街並みの美しさは誰も知るところだろうが
その初めてのヨーロッパツアーで強烈に覚えているのは、
移動の時間の長さとホテルの悲惨さだった。
安いツアーではあるので仕方ないとは思うが、旅はホテルで決まる。
少なくとも私はそうだ。
…ヨーロッパにこれ程ボロいホテルがある事に驚いた。
日本には多分…ないと思う…?
ってか日本はビジネスホテルでも設備は整ってるし、
第一清潔だ。
夜間着いたパリのホテルは、これからの旅程の希望を打ち砕いた。
お湯も満足に出ないし、部屋にポットも無かったから
凍えた身体を温める事も出来なかった。
おまけに真冬なのに暖房も壊れていて、
ダウンのコートで全身包んで凍えながら寝た。

長時間の長旅でパリに着いた次の日は、飛行機で移動。
ローマのホテルは治安が悪いらしく鉄格子の付いた窓とドアで
暗く湿気のある部屋はさながら刑務所に入った気分だった。
2泊もすると又飛行場。
せっかくの造形美が自慢の街並みも、ヒュンと目の前を通り過ぎて行くだけで
飛行場に行ったり来たりのバスの車窓から長時間見学。
スペイン広場もコロッセオも時差と眠気と疲れで
うっすらとしか覚えてもいない。

時差もようやく落ち着いてきた頃、ツアーはもう折り返しのギリシャ。
ホテルに関して言えば、ギリシャは最悪だった。
もし私が自分で手配して、再びギリシャに行く事があるなら
絶対ホテル選びには最大限の時間と金をかけたい。
ボロさと湿気とビンボー臭さで本気で意気消沈した。
…なんてもんじゃない!ホントは怖がりさんだから
お化けが出るんじゃないかってくらい怖かったよ!
治安悪いって言うし、暗いし、臭いし、やっぱ鉄格子だし、色々…
勿論安いツアーなので旅行会社が悪いわけじゃ無い。

貴重な教訓は得る事が出来た。
良い子はちゃんと学ぶのだ。
ヨーロッパに行くなら
①時間をたっぷり取ること。
歴史的な美しい街並みを堪能する為には
そこの住人のようにたっぷりの時間が必要だ。
郊外のどこに行ってもどこまで行っても
ため息が出る特別な景色は鉄道でゆっくりじっくり味わおう。

②ホテルは厳選すること。
ヨーロッパの安ホテルを舐めてはいけない。
マジ酷かった。

③あと一番重要なのはエーゲ海や地中海を堪能したいなら
高くても夏がいい!海の色だけでも旅行の色がガラリと変わる。
特に冬のエーゲ海は地元ではゲーゲ海クルーズと呼ばれているらしい。

④パリとミラノで教会巡りをしよう。ミラノでは最後の晩餐を観れるように手配してみよう。

そう言えば、母はずっと以前、あの時代にしてあの田舎にしてヨーロッパ周遊していて
教会ばかりで全然つまらなかった、と言ってた。
お土産にグッチのバッグとIWCの時計を買ってきてくれた。
日頃電気代が〜ッツ、ガス代がーッツって口うるさくケチってたかーちゃんが
自分の物はさておいて、娘の為に買ってきてくれた時計を
当時母に反発していた私は、罰当たりにも飲み屋のねーちゃんにあげてしまった。
バッグも全然有り難がらなかった。
金持ちでもない家庭だったのに…。
思い出したついでに今言っとこう。
かーちゃん、ありがとうね。



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