初めて聴いた日に「脳を通さないオクリモノ感想」を書きましたけど、そしたら「脳を通したオクリモノ感想」を書くのは当たり前の流れですけど、若干、脳を通しすぎました。
いつものことではありますが、「法律家は人の揚げ足をとるのが仕事」(byうちの研究科長)らしいので、ま、人を勘繰ることを仕事にしている人間の感想ですから、その程度に読んでください。
危ないと思ったらダッシュで逃げてください。
1、What do I sing?
この曲だけ雰囲気が違う。
2、降りそうな幾億の星の夜
今までのRAG FAIRのアルバムは、シングルが全部出た順になっているんですね。
3、メロス
普通に考えたらこんな曲のリードは加藤さんにはならない。
こういう曲は健一さんの得意分野だし、礼央さんも何の苦労もなく歌えるはず。
でも、加藤さんが歌うから価値がある曲。
なぜ価値があるかというと、聴いている側が加藤さんのキャラクターと今までどんな歌を歌っていたかを知っていて、その上でこれを聴くからじゃないか?
最後の「だから」の演出効果とか間奏のユニゾンとかで特に思いますけど、「曲をよく聴かせる」ということにこだわったんだろうなぁ。
よ--こ*さんの言う「端っこの美意識」の話ですけど、そこは本当にすごい。
4、ハピ☆ラキ♪ビューティー
私が中学の頃、実はSMAPファンでした。
というわけでSMAPの曲にしか聴こえません。
でもこの曲調が好きだったので、この曲すごい好きです。
しかしこの歌詞・・・浮かれポンチなんですけどおっくんそのままですよね!
メロスと並べたのは絶対にわざとです。
ただの浮かれポンチじゃないよこいつは、と。
歌詞カードで、この2曲のページにおっくんがいるのもわざと。
ついでに夏の大三角と君盾のページに洋輔さんがいるのも、パッティングLOVEとwomanのページに健一さんがいるのも明らかにわざと。
5、Do it!
これ、ツアーで歌うと思いますか?
6声アレンジにしたらCDとはかなり別モノになると思うんですけど。
6、RIDE ON
クライマックス。
AIRもCIRCLEもオクリモノも、おっくんの変態曲とその前後で流れがぶっちりと変わる。
7、夏の大三角
素晴らしい。
この曲は大絶賛です。
曲としての完成度は、このアルバムで一番高いと思います。
メロも歌詞もコーラスの入れ方も、正直文句なし。
タイトルが「夏の大三角」である必要性は歌詞の上では一切ない。
ということは、3拍子だからでしかありえない。
・・・よ、よーすけさん・・・(脱力)
聞いた話によれば、独り言感を出すためにブースを暗くして座って歌ったらしいですけど、それよりは少し強いかんじがしますね。
独り言感もありますけど、リズミカルで淡々としている。
淡々としていて悟っているかのようなんですけど、そこは私の「実は永遠が欲しくてしょうがない洋輔さん説」に典型的に見られるように、洋輔さんらしい素直じゃなさというか、逆説的な未練感、切なさ。
逆説的であることによって解釈の余地が広がる。
・・・でも歌詞カードを見ると、思わずその横の洋輔さんの写真に気を取られてしまうんですが、あの、
これはどうなんですか!?
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ノーコメントでお願いします。
8、君のために僕が盾になろう
「君じゃなかった」の直後に「君のために僕が盾になろう」
この裏切り感は、このアルバムのオチだという結論が出ました。
9、パッティングLOVE
健一さんパートは、その後のwomanとの対比がすごい。
いわゆるハレルヤとかの神の子健一さん。
曲順は、自然な流れというより1曲1曲が浮き彫りになっているかんじ。
私のオクリモノに対するイメージは、オムニバス形式のドラマです。
共通したテーマがあって、ドラマ「恋愛偏差値」のつんくみたいな各話の接点になるバーか何かがあって、登場人物がそれぞればらばらで違う話を展開している。
コーラスが「ナイショッ!(=ナイスショット)」とか「バンカー」とか言ってるんですけど、全然聞き取れません。
ゴルフ用語が詰め込まれている予感。
これライブどうするんだろう・・・。
10、woman
神の子的な部分とは対照的な、ライブじゃない場所にいる歌ってない健一さん。
とりあえず、ラグピで大阪でビラ配りをした時に押尾コータローさんと2人で歌ったOld Fashioned Love Songを思い出しました。
私がラグファンになったころ、健一さんのボーカルに対する一般的な評価は
「不安定。だがそれが切なさや朴訥さや色っぽさを生み出すこともある」
でした。
それを思い出したかんじです。
歌詞のつたなさがボーカルのつたなさとよくマッチしていると思います。
その歌詞のつたなさについて・・・うーん、と言っていたら、まゆっこさんに「そのつたなさが健一さんの本質なんですよ」と言われて、すとんと納得しました。
健一さん以外が歌う曲ではありえない。
若さ、幼さ、未練、そこから抜け出してほんの一歩だけ悟ったかんじ、それとボーカルが合っている。
健一さんはこれをライブでどんなふうに聴かせてくれるんでしょうかね。
11、to shy shy僕
礼央さんから出てきそうなメロディだし礼央さんらしい歌詞ですよね。
非常にキャッチー。
ものすごい頭に残ります。
この曲があることで、オクリモノの世界が格段に広がったことは明らか。
でも私は、この曲が一番寂しいです。
これだけコーラスが入っているのに、コーラスを歌えない。
正確に言えばこれはコーラスではなくて、声を素材にしたオーケストラ。
でもそれが「土屋礼央」というキャラクターを引き立ててこの曲を特徴あるものにしていることがわかるから、それが悪いとは言えない。
「良い」ことがわかるから余計に寂しい。
12、Song for you
ラジオで初めて聴いた時、武道館のSong for youを思い浮かべて聴いてしまって、がっくりしました。
これは武道館のSong for youとは別モノなんだと自分を納得させようとしたら、本当に別モノであることがわかってきた。
例えば、
「幸せ『と』思うのです」は、その時その瞬間が幸せだと思っていて、
「幸せ『を』思うのです」は、その瞬間だけじゃなくもっと広がりを持った「幸せ」、もっと言ってしまえば、この瞬間にはないのかもしれないけれどどこか別の場所にある「幸せ」を見ている。
加藤さんのはっきりきっぱりさっぱりした歌い方。
コーラスも淡々としたリズムを刻んでいる。
それまでの11曲のイメージとはちょっと一線を画している。
だから1枚聴き終わった時にとにかくSong for youの余韻が残るんじゃないでしょうか、とこれは憶測であんまり自信がありません。
ただSong for you1曲を単体で聴くのと、オクリモノの最後の曲として聴くのでは、印象が全然変わる。
それはこれが理由なんじゃないかと考えてみました。
しかし、ファンの間で評価がまっぷたつですね、このアルバム。
武道館を経て、「RAG FAIRらしさ」の追究は一段落ついて、そしたら新しいことに挑戦したくなるのは自然な流れです。
それと同時に、前のRAG FAIRが好きだった人がそれを寂しいと思うのもごくごく自然なことです。
それは特別問題なわけでもなんでもない。
「寂しい」という反応は当然予想がついたはず。
だからインタビューであれだけしつこく「RAG FAIRっぽくないと思うかも」と釘を刺して予防線を張り続けていたわけですよね。
What do I sing?とSong for youは、そのフラストレーションを減らす効果を持っているんじゃなかろうか?
ファンの要望によってCD化されることになった(らしい)Song for youは特に。
武道館からの流れを断ち切って新しい挑戦をしているけれど、でも武道館から完全に離れてしまったわけではないんだよ、と。
それが最初からの狙いだったのか、そんな狙いはなくて単に事実上の効果なのか、そこはわかりませんけど。
こんなにライブが想像できないアルバムも珍しいんじゃないかと思います。
6人が並んで歌っている図が全く見えない。
RAG FAIRはライブを見てください、という礼央さんの言葉がなかったら、私はへこんでいたかもしれません。
曲を通して、1人1人の顔は見える。
んですけど、けして6人が並んでいない。
ライブでどういうふうに6人が歌うのかわからない。
だからこそ楽しみではあります。
ま、私が寂しいと思うのは、これだけコーラスが入っているのにもかかわらず、コーラスを歌えないからです。
こんなものは私の個人的な趣味および感傷の問題であることは知っています。
ものすごくいいアルバムだと思う。
「良い」ことがわかるから、余計に、まわりの感動についていけない自分が寂しい。
でも、やっぱり良いアルバムだから、聞き込むとどんどん評価は上がっていきます。
例えばRAG FAIRが期間限定バンドだったら、いちばんRAG FAIRっぽい核の部分だけやっていればいい。
でも、もしこれからも活動を続けるという前提ならば、新しいことに挑戦し続けるのは全然おかしいことじゃない。
私もRAG FAIRにのめりこみすぎずにすむし、ちょうどいい距離を保つことができるかもしれない、なんて。
そんな、完全に我田引水的な思いつきをしてみました。
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折角のオクリモノを素直に受け取れないでいます。悶々。
このアルバムが好きになれるかどうか、ライブにかかってる気がします。
それはともかく、これご覧になりました?(笑)
http://d.hatena.ne.jp/keyword/%a4%ce%a4%f3%a4%ce%a4%f3%a4%ce%a4%f3%a4%ce%a4%ce%a4%f3%a4%ce%a4%f3%a4%ce%a4%f3
美波さんのおっしゃる通り、だからこそそこが楽しみでもあります。
ライブでどう化けるのか・・・
CDだとどうしても教科書通りな感じがしてしまうので
ライブで聴いた時、はっとさせられる曲もきっとあるはずです。
それがどの曲になのか想像がつくようなつかないような・・・
私は結構変化してゆくラグを今のところは楽しめています。
やはりラグの表現力に惹かれているのかもしれません。
いろんなタイプの曲が聴きたいと思っています。
ハピ☆ラキは私もSMAPにしか聴こえませんよー。
感じ方は人それぞれで
『ラグはこうあるべき』
というしばりつけはよくないと思います。
彼らも悩んで方向性を絞った訳ですから、それを応援するかしないか、ではないでしょうか。
ライブを想像できなくても、それはそれでまた良し。アルバムを聴いて用意にライブを想像し、そのとおりのライブのほうが面白みがないのでは…
好みが真っ二つというのも、いつものことだと思いますし、たまたまこちらにコメントされているみなさんは受け止めることが出来なかった派の立場の方々で、そうでない方も大勢いる訳ですし。
受け止められなかった、といっても実際直結的にファンを離れるという人はいないと思いますが、いろんな意味でライブが楽しみです。
肯定的だった人がライブ見て「えー」という場合もありますからね(汗)
おっと、私の我田引水的仮説が見事にひっくり返されましたね(笑)
ご本人たちも「これぞRAG FAIR」というつもりのアルバムではないようですからねー。
>乙巻さん
吹きました。
「とってもかわいい」って…(苦笑)
>かぴばらさん
そうなんですよねー。
「RAG FAIRはライブで」と言い切る彼らが、このライブでは再現しようがないアルバムを、どう仕上げてくるのか。
期待大です。
>通りすがりさん
『ラグはこうあるべき』
とは私は思っていませんよ。
伝わりにくい書き方をしてしまったのでしょうか、すみません。
ただ、それと、実際に出来上がったものを聞いてどう感じるかは同じ話ではありません。
そのあたりについてご興味があれば、今年4月13日~17日の記事で「作り手の意図と聴き手の期待」というテーマでたくさんのファンの方の意見をもとに詳しく論じておりますので、よろしければどうぞ(笑)(宣伝)
ともあれライブが楽しみですねー。
「ラグっぽくない」感じ(内省的な感じ)に、無意識に反応しているのかもしれないです。彼らも大人(笑) こういうアルバムがあっていいとは頭ではわかっているんですけどね。
ライブは武道館以来になるので、リーダーの「神業アレンジ」を期待してます。
それは人によりますよね。
私はラグが作るものであれば、というわけにはいかないんですが、今のラグが作るものなら何でも、好き嫌いはともかくとしてある程度「いい」と評価できるような気はします。
>akiさん
頭でわかっていることと実際に自分がどう感じるかは別の話ですよね。
ただ、私の好きなアーティストでもすべてのアルバムが大好きというアーティストはいないので、それもまた自然なことかとは思います。
オクリモノ、意見まっぷたつにわかれているんですね・・・
私なんかは、思いっきり感動して
「こんなに色んなRAGが聴けるなんて!お得すぎるアルバムだー*^^)ノ!!!」
と、今までと違うRAGに違和感もなく、この人達はこんなに色んな顔を隠し持っていたのか!と笑)惚れなおした方の人間なので・・・^^;
そりゃあ、皆がミンナ良いと思うことはありえませんが、結構好評価なんじゃないかなと思っていただけに、正直ビックリしました。
ただ、私個人としてはこれからもRAGらしくないといわれることもやっていってほしいなーと思っています。彼らが楽しんで歌っていってもらえればそれで充分ですが◎
・・オクリモノの中では「RIDE ON」がかんなり好きです!
初めまして!
コメントありがとうございます。
私は例えばラグらしくないと一般的に言われているCIRCLEが大好きで大好きで、ラグらしくないと言われる音楽に対して寛容な立場をとっているはずだったのですけれど。
オクリモノに関しては寂しさが先に立ってしまいました。
ただ、本当にいい内容だと思うんです。
だから、このアルバムに対して好もしい評価をする方が多くいらっしゃることにも、何の不思議もありません。
今後も彼ら自身が納得できる仕事をしてほしいと思っています。
RIDE ONはかっこいいですよね!
私も好きですよ。
またいつでもコメントしてくださいませ。