スコタイ王朝時代に、妃が王を喜ばせるために、果物や野菜に花鳥風月を彫り込んだのが始まりと言われている。タイ伝統の花鳥風月を彫り込む、この技術で宮廷料理を華やかにしたり、石鹸に彫刻して贈答品にしたりされる。どうしてもこの技術を身につけたくて、タイに行って習ってきた。
これは石鹸です。ソープカービング。
海外で色々な色の石鹸や、良い香りの石鹸を見つけると彫りたくなってしまう。
石鹸一つプレゼントするのでも、少し心入れてからプレゼントすると喜ばれるので、嬉しい♪
右上2立つ目の白いのは日本の牛乳石鹸です。そして、右下中の小さい黒い立体薔薇は、竹炭石鹸。この写真では平面的な作品ばかりですが、立体的に彫り、ワイヤーで花の茎や葉をつけて、ブーケを作ったり、花器にアレンジしたりもします。
プレゼントとして、この石鹸を誰かに差し上げるのも良いですけれど、自宅の御風呂で贅沢に使う事も出来るんです。家族の者が誰か、留守にしていて帰宅した時の御風呂の用意の時に、この彫りあげた石鹸をバスルームに置いておくのです。
「お疲れ様。お帰りなさい~♪。ここは、あなたの一番くつろげる場所。あなたの家・・・」と、無言の言葉で御迎えね。でも、たった一度使っただけで、溶けて形は崩れてしまいます。それでも良いのです。また、帰って来た時に違うデザインと色の物を、そっと置いておけば良いから・・・
こういう折角身に付けた技術は、日常発揮してこそ、毎日の上質な時間が得られるから。
上は、ラクビ―ボール型のスイカの牡丹に人参の薔薇をスイカが包んで、ハネージュメロンの蓮の花。下が、スイカは判りますね?パパイヤです。種がアクセントになっています。パイナップルの切り落とした上部の葉とリーフレタスも添えて・・・
外科用手術で使われるメスと同じような切れ味。一歩間違うとザックリ。かなり最初は怖かったのです。横で先生が、怖がらないでナイフをもっと深く持つように言い、ノロノロしていたら、果物や野菜がしなびてしまうと、激を飛ばします。
先生は、185センチの長身で男性ですから、手が大きくしかも指が長いのです。スイカやメロンなどの大きなものを彫る時には、支える手の安定感が私とは違います。私は広げると1オクターブ以上届きますが、手は小さい方です(手のひら)。しかも、先生はサウスポーで、中心から彫り始めた時に、時計周りに彫り込みますが、私は反対周りに彫らなくては行けずに、先生の描きだす彫刻線をシンメトリーに頭にインプットするのが、難しかったです。
何個も何個も、練習しました。人参や大根の立体薔薇、トマトのスライスでつくる薔薇。これは日本の蒲鉾でかなりアレンジが出来ます。お酒のおつまみの蒲鉾が、美しいお通しになります♪
チョッと写真がボケてしまいました。
そして、教科書の他に、沢山現地で本を購入して、色々なデザインをマスターしてみました。
写真が在り過ぎて総て紹介出来ませんが、色々な食材で色々なデザインを、立体的な鳳凰や蝶なども彫りました。それらを、ピックにつけて、彫った御花に留らせます。
私一人にアシスタントの先生を含めて4人の先生から、熱く暑く(外気温38度)ご指導頂きました。比較的小さい物を彫る時は、女性の先生に教わりました。同じ位の手の大きさなので、理解しやすかったです。スイカなどの大物彫刻はチーフの先生から、激が飛ばされます。
帰りのタイ航空機内では、年配の男女の客室乗務員が、私がタイで買ったカービングの本を観ながら、機内食サービスのナイフで、シュミレーションをしていると、話しかけて来ました。
「我々タイ人でも中々出来る人間がいない。子供の頃に学校で一応必修であるが、それで終わりで、プロしかこの伝統工芸を出来る人間はいない。外国人の貴女が、それを我が国で学んだのですね?タイ人として嬉しく思います」と。
今では、柿を誰かに食べてもらうときは、皮を剥いて四つ切などではなくて、薔薇の形に彫りあげて、そして綺麗な器に入れて、サービスします♪
味が決め手である、食べ物さえ、見た目が美しいと寄り一層美味しい様な気がしませんか?
やっぱり、美味しい物は笑顔を作りますからね。
ワインの時のチーズも、真っすぐに切るよりも、ギザギザ包丁で切ってあると、より一層美味しそう。目で楽しむと、量を頂かなくても満足感が違います。(良く言うよ!直ぐに食べ過ぎる癖に・・)
御食事は五感で頂くもの。
そんなささやかなことが、上質の時を刻むような気がして、そして、笑顔がこぼれそうになるから・・・・
人生生きていると、一杯苦しい事にも出会いますよね?
でも、少しでも上質の時間で人生をエンジョイしたい・・・・
御蔭様で、毎日を充実して生きています。有難うございます。
でもぉ~、明日から3日間は、キツイなぁ~~。
頑張ろう・・・
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