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 「Around the world 」 感じた事を徒然なるままに・・・

世界各地の徒然、音楽、美術、時空をワープしてぼんやり世界の呟き。思ったこと、感じたことを徒然なるままに。

ナガラミ

2021-07-28 20:43:54 | 日記

ながらみと言う貝をご存じでしょうか?

私は知りませんでした。近所の魚介類が豊富なお店で、最近目にしました。初めて見るその姿に、大きな衝撃を受けて、しばらく見ていました。端からみると、食材のお買い物という風には写らなかったと思います。

ダンベイキサゴ(團平喜佐古)、学名 Umbonium giganteum は、古腹足目ニシキウズガイ科に分類される巻き貝の一種で、ナガラミやキシャ等等と採取地方で地方名が多々あるようです。ながらみと書いて売っていました。千葉や神奈川で採れているようです。

ながらみを見つけたとき、「生きたアンモナイト!」「なんて美しい渦巻き!」と、その美しさに目が釘付けになったのです。自然のうつくしさ、を作った神様に感謝しました。この規則正しい螺旋構造を見た途端に、バッハの平均律のクラヴィーアの音楽が聞こえました。また、映画「テルマエロマエ」で、阿部寛さん扮する古代ローマ人が、子供が欲しくて夫に不満を持つ妻から精力増進のために、山積みのカタツムリを食べさせられているシーンが見えました。

この美しいながらみの貝殻が欲しいと思いましたが、しかし、食材としてみるには余りにも気持ち悪くて、「美しい」「気持ち悪い」の両方を行ったり来たりで、やはり食材としては無理なので、その日は買わずに店を後にしました。学名のラテン語から察するに中性名詞ですが、私は、見た目の気持ち悪さから損をしている男性のようだと思い、「ながらみ君」と呼ぶことにします。

帰宅してもあの美しい螺旋が忘れられずに、一晩中「ナガラミ君」のことを考えていました。きっと、強烈な魅力を放つナガラミ君に恋をしたのでしょうね。彼は見た目で気持ち悪がられて怖がられているけれど、きっと、彼の隠れた魅力に気付いた女性と出会い、「イイ男」に磨きをかけてもらうと、絶対に気品ある美しさを放つ筈!と、翌日、ながらみ君を買いにお店に行きましたが、売り切れていました。

そうか・・・隠れた魅力ではなく、容姿なんて関係なく彼の味を知っている人が買ってしまったのね。ながらみ君が居なくなチャッタ・・・と思うと悲しく、数日間、彼のことを考え続けていました。それで、数日後、またお店に行くと、ながらみ君は、気持ち悪く蠢いていたのでした。意を決して購入しました。

 

この美しい乱れ知らずの規則正しい螺旋構造は、7色の光りのプリズムやピアノの7音階と共通する美しさです。ダヴィンチや数学者なら、この螺旋構造を数式で表し、建築家なら、ながらみ君から学び、美しい螺旋階段を作り上げるでしょう。

私は・・・、兎に角、ながらみ君に、先ずは見た目の美しさを引き出す為に、磨きを掛けることにしました。

ですが・・・どう料理すべきかしら?ガーリックバターパセリで蒸し焼きのすると、フランス料理のエスカルゴと間違えるほどだと思いますが、肝心の貝殻に油膜をつくってしまい、後処理が大変です。サザエの壺焼き風にすると、殻を痛めてしまいます。北海道のツブ貝のように煮ると、ながらみ君の大きさでは貝同士の摩擦で貝殻に傷が付いてしまいます。結局、スープにすることにしました。貝殻を傷つけない一番の方法は、生きたまま身を殻から抜くことですが、怖くて出来ませんでした。

 

スープにしたのですが・・・・

一つを爪楊枝で身を引き出してみると、いや~~~ん。真っ黒な渦巻き状態で、やっぱり見た目がグロテスク。駄目でした。食べることは出来ませんでした。でも、美味しいらしいです。食べ物を粗末にすることを、神様に詫びて、爪楊枝でそれぞれ身を引き出し、見えないように直ぐに紙に包んで処分しました。やはり、少し後ろめたかったです。その分、ながらみ君を心を込めて磨きを掛けることにしました。

 

磨きを掛けるとどうでしょう?やはり、ながらみ君は気品ある7色の光沢を放ち、まるで宝石のようです。こんな「イイ男」だったのぉ~~?

しばらく、ウットリとして眺めていました。しかし、これだけで終わっては、処分した身の供養になりませんから、さらに美しくデビューさせるにはどうしたら良いか?折角「イイ男」となったながらみ君と一緒にいるために、ネックレスと浴衣を着たときのかんざし、もしくは、帯に付ける根付けに仕上げることにしました。

 

 

ながらみ君の美しさにウットリして、つい、夜更かししてしまい寝不足になってしまいました。美容に悪いですね?磨きが掛かって、私の愛情で「イイ男」になったのに、目の下に隈を作っては、ながらみ君に私の方が嫌われてしまうかもしれません。

こんな、舞台裏の水面下の凄い足の運動量を見せてはいけませんね?優雅に水面をす~いす~いと泳ぐ水鳥にはふさわしくありませんね?

出来上がった、ながらみ君のかんざしと、ネックレスを眺めていると、子供の頃に夏休み中に海辺の観光地の土産店で、貝殻のネックレスを買ってもらい喜んでいた事を思い出しました。今の年齢で、こんな食べた(実際には食べていませんが)後の殻を身につけていたら、子供っぽいと笑われるかもしれません。でも、良いのです。誰かに見てもらう為ではなく、私自身が、明るく、楽しく、HAPPYでいられれば良いから・・・

 

それでは、またお会いしましょう・・・

 

 

 

 

 

 

 

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